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108話 ダンジョンへ

再開しました。

翌朝、身支度を整え街に繰り出したアクセル達。


「凄い人だな…こいつらみんなダンジョンにいくのか」


ダンジョンに続く大通りにある飯屋の野外席から、頼んだ朝食を待ちつつアクセルが呟く。


遠目からでもダンジョンの入口には人が群がり、減っては、また増えてを繰り返している。


「先に食事にしたのは正解だったな。この調子だと我々が中に入るのはしばらく後になりそうだ」


朝食がくるまで談笑している面々だが、この大陸にきてからこの地の食材を口にしたのはソニアだけだ。


リックに話を聞く以前に監視の目や、怪しさはあった為、食事もチュチュ袋から取り出したソニア手製の料理を食べて、日々過ごしていたのだ。


食事が届くとまずはアクセルが1口頬張る。


「うーーーん………美味い!!!ま、問題なさそうだな」


その一言がきっかけで皆も料理を口に運ぶ。


「確かに美味かったけど食材が格別に美味いってこともなさそうだな」


すでに運ばれてきた料理を平らげたアクセルがそういうと、それにソニアが続く。


「ですね。私の食べたロールボアの肉ですが、鮮度の違いはあれど、味自体は他の地域の物と同じでした」


「ふむ。であるならば、食料もこの地で調達しても大丈夫だな」


「やった!これからはソニアの手料理もお腹いっぱい食べれるね」


そんなことを話しているとダンジョンに向かう者達も数人見かける程度に人数を減らした為、一行もダンジョンに向かうこととなった。


ダンジョンに近づくと改めてその異様さが際立っている。

巨大な塔の様な外見をし、外壁は見た事もない素材で出来ている。


そして中に入ると床は自身の顔が映り込むほどの磨かれた石で出来ており、全体に敷き詰められていた。


全てが物珍しいものばかりだが、人が少ないうちにやることは済ませようと、受付であろう場所に向かう。


アクセルが挨拶をすると受付の女性が頭を下げ要件を聞いてくる。


そしてダンジョンに入りたいこと、ファミリーには加入する意思がないことを伝える。


「そういうことでしたら、申し訳ございません。お通しするわけには参りません」


「だよなぁ…でもさぁ、試験ってやつに合格したら良いんだろ?受けさせてくれよ」


「どこから聞き及んだ話かは分かりませんが……申し訳ございません」


どうあっても受付嬢はいい返事を返してくれない。


そんなやりとりを続けていると後ろから女性の大きな声が届いた。


「よう!!ウチらが保証人になってやるよ」


そんな声に振り返ると、少し肌が黒い女性2人が軽く手を上げながら近づいてくる。


「アマゾネス……あいつら……」


表情が曇るアクセルを素通りし、アマゾネスの2人は受付に向かっていく。


「ナナ様、ララ様。この方達は御2人のお知り合いなのですか?」


「まぁそんなところだ。な?良いだろ?」


「……分かりました。ですが、あくまで試験を受ける機会を設けるだけです。よろしいですね?」


と、こんな感じでアクセル達を置き去りにし、話がまとまっていく。


そしてまた後ほど、改めて試験諸々の説明をし、その後、試験を受ける流れとなった。


一旦受付から離れ、アマゾネス達の元に向かう。


「朝から機会を伺ってたのか?ご苦労なことだな」


「あぁん?気付いてたのかよ?」


「隠すつもりもなかっただろ?まぁだけど、一応、礼を言うよ。ありがとう」


そう言いつつアクセルは軽く頭を下げる。


「含みのある言い方だな。それなら…」


「あぁ、先に言っとくがアンタらのファミリーとやらに入る気は全くない。それに試験も受けれなかったら、俺たちはこの地を去るつもりだったから、恩着せがましいことは言わないでくれよ?」


「ちっ!なんでアリスはこんなやつらを気に言ったのかねぇ…」


ナナと呼ばれていたアマゾネスはやれやれと言った感じで首を振りながらそう零す。


「ダメだよお姉ちゃん。接触するならそれなりの態度でって言われてるでしょ!」


「ったく、わぁってるよ!ま、あんたらも気が変わったらウチらに言ってきな。アリスに話し通してやるよ。試験に合格できたら…だけどな」


そう言うと姉のナナはアクセル達から離れていく。それを追うように妹のララは軽く頭を下げ離れていった。


「帰りはしないのだな…」


「ま、試験は外から見れるようになってるらしいからな。最後の品定めってところだろ」


そして受付嬢に呼ばれ試験の内容が説明された。


内容は至って簡単。高速で飛ぶ小石程の魔道具を捕まえ壊すといったものだ。


「おぉ!!これ懐かしいな…ポロの武闘大会の予選でやったやつだ」


思えばポロからここ西大陸までは船が出ている。せっかく立ち寄った西大陸に、ただ人だけを運んで帰るといったことはないだろう。


「恐らくここ西大陸で開発された物がポロに流れたのだろうな」


「なるほど!だけど壊すのは勿体ないなぁ。せっかく作ったんだろうに…」


そんなやりとりをしながら試験を行う場所に向かう。


この魔道具、ポロの武闘大会で使用された物より格段に速く、硬いものだったのだが、4人は瞬時に合格してみせた。


そして…


「規則ですのでダンジョンへの入場は許可します。ただし、10階層までとします!それ以降の階層で得た魔石や素材は、あなた方からは受け付けませんので留意してください」


「うーん、まぁ仕方ないか…んじゃ早速行こうか!」


この地にきて随分遠回りしてしまったが、なんとかダンジョンに入れるようになった。

読んで頂きありがとうございます。


不定期にはなると思いますが、よろしければ続きを待ってくれてると嬉しいです。

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