十四話 異常
不可能を可能に……めちゃクソかっこいい!
不可能を可能とする【英雄】の力。不条理に抗う者に相応しい力だった。
「――おかしいです……!」
回復ポーションを飲み干し律はそう呟いた。隣には徐々に大怪我が治って行く五十鈴が立って居た。律の目線はずっと葛葉に向いていて、五十鈴はその呟きを聞き、律同様に葛葉に目を向けた。
「いつもの葛葉さんらしく無いです」
ずっと見てきた、後ろからずっと。彼女の戦い方を。
「前に、葛葉さんは言ってたんです」
彼女のスキル。強過ぎる筈のスキルのことを。
「葛葉さんのスキル『想像』での回避行動は、目に入ってきた情報を瞬時に理解して、先の未来を予想して、どこに回避するかを想像する。これを一瞬でするらしいんです」
「……まさか」
「……そうです。そうそう連発出来る技じゃ無いんです」
葛葉のスキルは『創造』と『想像』の二つがあり、その中でも葛葉がよく使うのは『想像』の方であった。
自身の人体にしか作用はしないが、好きな様に動かすことも出来る上に、アニメの様な行動も出来てしまうのだ。だが強力な反面、激しい頭痛に襲われるのが常だった。だが、回避行動に至っては話は別だった。律の話通り、瞬時に理解し次の行動を予想し自分の行動を想像する、これが必要なのだった。
「……尋常じゃ無い集中力が必要」
痛みに疲労、ゾーンなんかでは表現出来ない極限の集中力が必要なのだった。その時だった――。
『――っ!?』
鬼の巫女と激しい接戦を繰り広げて居た少女に異変が生じたのだった。その異変とは、目から出血し口からも鼻からも、穴という穴から血が吹き出したのだった。だが葛葉の足は、手は、意志は止まらない。機械の様に、戦闘を続けるのだった。
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全身の穴という穴……TS化……女の子……おっと、これ以上はいけない。
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