十三話 世知辛異世界の魔法
雷の音がすごいですね……。
(つ、強いなぁ……)
葛葉は二人の連携攻撃を喰らってもなお、戦意が宿るワイバーンの目を見て、冷や汗を垂らしながら思うのだった。
どうやらこのワイバーンは戦い慣れており、ポテンシャルのみでもLv.4はある。ブレスや鋭い爪の攻撃も少ないとは言え、かなりの脅威になる。
(思った以上に不味いかも……)
この時の葛葉の心境は、早く尻尾を捲ってオリアの街に帰りたいと、思っていた。
なんか気分が昂ってカッコ良さそうなこと言った手前、そんなこと出来ないのは重々承知しているんだけども……うぅ、やっぱり逃げたいと。
「くそっ! あんなガキンチョ共に任せてられるかっ‼︎ 俺らもやるぞっ‼︎」
と逃げたいと思っていた葛葉の横で、傷の治療をあらかた終わらせて、満身創痍の身体からかすり傷程度まで治った、他パーティーの冒険者達が奮起した。
(あぁ言うキャラってすぐ殺られちゃうくない?)
アニメや小説ではありありな展開だ。葛葉は数あるファンタジーアニメ、ラノベ小説を網羅しているのだ。フラグにしか聞こえないセリフに、内心守る対象が増えたことにゲンナリする。
「主よ、我に仇なす愚かな敵を焼き尽くす力を!『火球』」
ワイバーンの前に出た魔術師が詠唱し、中級魔法である『火球』の詠唱をし終わる。火球、ご察しの通り、ファイアーボールである。正直有効打になるはずが無い。と言うか、ファイアーボール自体中級魔法に分類されてる事におかしいとは思うが。
だが、葛葉はチラッと隣を見てみると、幾つもの火球が宙に浮いており、その一つ一つの火球の大きさは、バランスボール並みだった。
「えぇっ⁉︎」
思わず驚きの声を上げるが、葛葉はハタと思い出した。この世界の魔法は、前世のファンタジー小説やアニメと違うのだ。主に術の強さだ。前世ではファイアーボールなんて、弱い認識にされていたが、この世界のファイアーボールは強力だ。
『――そうだね、この世界のファイアーボールの威力は……術者によるが時にクラスター弾の絨毯爆撃になりうるよ』
頭の中で再生されるは葉加瀬の声だった。その時はスキルの発動で疲れていたので、ちゃんと聞いていなかったが、まさかこれほどまでとは。
読んで頂き、ありがとうございます‼︎
この話では火でしたが、次に登場する魔法はきっと雷になるでしょう!
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