第80話 尾張の悪役令嬢様との思い出(63)
だって《《あの頃》》の俺は、何だかんだと言っても吉姉さまとの仲は良好だった。
そう、《《あの頃》》の織田信長は俺の彼女と言っても過言ではない存在だった。
だから俺は、自分の身体は痛いけれど、《《尾張の悪役令嬢さま》》の愛情と言う名の荒稽古や虐め、折檻にも最終的には笑って耐え続けてさえいれば悪くはない人質生活だったよ。
……でも徳川家康の幼い頃……。《《竹千代君》》の頃の、過去の時代を知っている者達はわかっているように、俺と吉姉さまのラブラブ仲を切り裂く事件……。
まあ、厄災という奴が数年も経てば俺の身に降りかかる。
「太原雪斎ー! 織田の安祥城を攻め落とせー!」
「はい、分かりました、義元公……。すぐさま安祥城を陥落してみせましょぅぞ」と。
まあ、今川の親父殿と雪斎和尚の爺コンビがこんな会話をしたか、どうだかは、まだ織田家で人質生活をしていた俺自身が、今川家の軍議の最中に居た訳ではないからよく知らねぇがぁ~。
まあ、とにかくだ! 今川の親父殿は俺が織田信秀に奪われたことに対して大激怒──!
そう、今川義元公は俺が可愛くて仕方がない? から。
今川の親父殿は怒りをあらわにしながら、先ずは俺を織田に売り渡した、戸田康光の城──田原城を陥落させ。
その後は冒頭シーンの通りだ! 織田の安祥城を雪斎和尚は未来人の俺がしるほどの戦上手だから安易に陥落させて、織田信秀の息子である《《織田信広》》を雪斎和尚は捕らえ捕虜にすれば、織田のクソ爺と外交交渉……。




