第77話 尾張の悪役令嬢様との思い出(60)
「……痛い、痛い、痛いよ。吉姉さま……。もう、今日は堪忍してよ、お願いだから」
俺は中身がアラサーのおじさんだけれど、それでもさ、《《尾張の悪役令嬢さま》》の敗戦者への躾……。
まあ、体罰……。折檻……。拷問に対して泣きながら何度も吉姉さまに謝罪と嘆願をおこなった。
それも最初は土下座……。最後は俺の身体を丸めダンゴムシになりながら命乞いを続けた。
しかし、あの冷酷なサディスト女が、ガキが泣き、喚き、嘆願、命乞いをしたところで許してくれる訳などなく。
俺が泣き喚き、嘆願をする度にアイツは、自分の顔を桜色に染め、お酒にでも酔ったような虚ろな目で妖艶に微笑み、歓喜しつつ……。
まあ、小さな俺を虐める自分に酔いしれ、陶酔しながら。
「うりゃぁあああっ!」
「わりゃぁあああっ!」
「死ねぇえええっ! 竹千代!」
「子タヌキ~!」
「クソタヌキ~!」
「貴様~! 可成の胸をモミモミしただろう~!」
「成政の尻を鷲掴みしただろう~!」
「クソタヌキ~!」
「子タヌキ~!」
「──どさくさに紛れてアーシ以外の女子の胸や尻に噛みつきやがって~! この糞がぁあああっ!」
「竹千代~! 貴様だけは絶対に殺してやる~!」
「あっ、はははははははははっ!」
「わっ、はははははははははっ!」と。




