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第66話 尾張の悪役令嬢様との思い出(49)
そう俺は自分よりも先に玉砕を決行した馬鹿な二人……【鬼武蔵】や成政の阿保みたいに威勢のある声を高らかに上げることはしないで、心の中で叫ぶことに止め。
「…………」
俺は無言を決め込んで──! 成政相手に気をといられている《《尾張の悪役令嬢さま》》と恒興、犬千代へと抜き足、差し足、忍び足で近寄るのだ。
俺が後世で卑怯物だと歴史学者たちに罵られようが気にもしないで、俺は敵の大将首──!
そう後に《《和の国の第六天の魔王》》へと麗しく成長する吉姉さまの背後を奇襲するために『サササ』と近づき、俺は竹槍を構えて一気に《《尾張の悪役令嬢さま》》の背後──アイツの華奢な背へと猪突猛進! 一気に突撃を決行するのだった。
◇◇◇
俺が《《尾張の悪役令嬢さま》》の華奢な背へと突撃を、決行をすればさ、アイツ……。吉姉さまの口の端がいつも吊り上がり、悪女のようにアイツは妖艶に『ニヤリ!』と微笑みを浮かべる。




