第55話 尾張の悪役令嬢様との思い出(38)
それも成政には余り効果がない、どころか?
成政が僕の悪態に対して耐え忍べなくなるから。
「死ねぇ~」
「殺してやる~」
「ぶっ殺す! 竹千代!」
「死ねぇ~~~!」
そう先ほどまで俺に対して天使のように優しく笑いかけてくれていた成政の口から、大変に恐ろしい言葉がいつものように吐かれると。
俺の首は、自分の声が出ないほど締まるから。
「きょ、えぇ、えええっ!」
「じぬぅ……」
そういつもさ、俺の口から変な声……。
まあ、世に言う断末魔に近い声が吐かれ、俺はいつもそのまま堕ちて意識を失い。生死の境を行ったり来たりしていた。
しかし前世で一度死んだ俺のことを異世界ファンタジーの神さまやラブコメの女神さまが、いとも簡単に殺しはしないから。
まあ、この通り、元服を果たし、初陣するまでは元気に徳川家康は生きてはいるよ。
アイツ! 第六天の魔王! 織田信長こと《《尾張の悪役令嬢さま》》が、一番年下小姓の俺のことが可愛くて仕方がないから。
吉の阿保は好きな子を虐めると言った感じでね、俺のことがアイツ! あの阿保は! 好きで仕方がない。
もうそれこそ? 小さな俺をバラバラに解体して食らってやりたいぐらい好きで仕方がなかったみたいだから。
俺のことを《《尾張の悪役令嬢さま》》は虐め足りないから、いつも誰かに井戸への水汲みを下知して、そいつが汲んできた水……。
そう桶に入った水を、気を失っている俺の顔へといお構いなしにかけ、俺のことを強引に起こすと。




