第52話 尾張の悪役令嬢様との思い出(35)
それでも俺は、まあアイツは将来の《《織田信長公》》になる奴だから。まあ、いいか? と思うことにして、まあ、余り吉姉さまが時々ではなく、けっこう漏らす、《《近代的な日本語》》に対して悩まずに、俺も成政も《《尾張の悪役令嬢さま》》の下知だから致し方がなく。
今まで俺達二人はお互いが距離をとり──相手の様子をギロリ! と睨みながら窺っていたが。
このまま俺と成政がガンのつけ合い、飛ばし合いを続けるだけでも、吉姉さまは《《尾張の悪役令嬢さま》》だから、嫉妬に狂うアイツは俺と成政を両成敗として超派手な折檻をおこなうと告げてくるから。
「いやぁあああっ!」
「やぁあああっ!」
俺と成政の口から甲高い声音の威勢のあるかけ声が仲良く上がれば。
《パチン!》
《パチン!》
「うりゃぁっ!」
「とぅ~!」
《ドカン!》
《ドカン!》
「ちっ!」
「痛い」と。
まあ、俺の前世のようにこの世界も、日本の空手の組み稽古みたいにさ、空手のグローブやヘッドギアを装着しているのならば、多少は痛くはないけれど。
まあ、俺と成政はヘッドギアやグローブもしていない状態……。
そう生身の身体と素手……。昭和の時代のような空手の組み稽古みたいに俺と成政は《《尾張の悪役令嬢さま》》の下知で殴り合い、蹴り合いをおこない続けたよ。




