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第49話 尾張の悪役令嬢様との思い出(32)
あいつ、成政の奴は『コテ!』と逝き。
まあ、その後は気を失い動かなくなるから。
俺や恒興、犬千代も流石に成政のことが『可哀想だな』と同情しながらいつも見ていた。
「……竹千代~、気を失った内蔵助のために井戸で水を汲んできてやれ~」
まあ、気を失い、地面を枕に「スヤスヤ」といつも寝る成政だけれど。
尾張の悪役令嬢さまが俺にいつも水汲み丁稚の下知をくれるから。
俺は気を失って可哀想な成政のために慌てて井戸へといき、水を汲み、運んでくると。
その後は佐々成政の顔へとタライに入っている水を「バシャ~!」とかければ、あら不思議?
「きゃ~、びっくり!」
いつも成政は驚嘆しながら飛び起きて──自分の上半身を起こし、自分の頭を動かしながら周りを確認する挙動不審な態度……。
そう傍から俺が成政を見て、まさか、こいつ記憶が飛んでいるのでは? と思う様子をするけれど。
俺は姫武将には優しいから、可哀想な成政へといつも優しく。
「成政、大丈夫?」と声をかけてやる。
俺は成政とは、恒興や犬千代のように仲が悪い訳では無く、《《あの頃》》友好な関係を築き保っていたから、いつも俺は優しい声音で声をかけてやっていた。




