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第34話 尾張の悪役令嬢様との思い出(17)
だから恒興の凄く悲惨な様子……。
そう奴は自分の口から嘔吐を吐いて、その後は自分の歯を食いしばりながら男泣きを始める。
「うぅ、うううううう」
恒興の奴は可愛く無い男泣きを漏らし。
まあ、続けるから。
その様子を一部始終見ていた吉姉さまは弱々しい恒興を見て同情……。
まあ、あの尾張の悪役令嬢さまがするわけねぇから。
「あっ、ははは……。ひっ、ひひひ……。ふっ、ふふふ……。おっ、ほほほ……。わっ、ははははははははは」
吉姉さまは大変に御満足しながら、自分のお腹を押さえつついつも歓喜を始める。
だから俺は弱々しい恒興を見て、『恒興の奴はマジで生意気だけれど。これは流石に可哀想だな……』と思うことはないからね。
あっ、はははははははははははは~! だよ。
だって《《あの頃》》恒興の奴は、俺が【鬼武蔵】に殴られる様子を見ては、いつも自分のお腹を抱えながら。
『岡崎のチビタヌキ!』
『クソタヌキ!』
『マジでよぇ~!』と。
あの丁稚は嘲笑い、高笑いをしながら楽しんでいるような男だった。




