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第31話 尾張の悪役令嬢様との思い出(14)
「恒ちゃん~」
しかしだ! 《《あの場》》をいつまで経っても動こうとしない恒興に対して【鬼武蔵】は年頃の娘らしく、可愛く、優しく、甘えるように阿保へと声をかけ誘うから。
恒興の奴も【鬼武蔵】に対して無視を続けるわけにはいかない。
だから恒興は馬鹿で阿保だから、奴は恐る恐ると【鬼武蔵】へと自分の頭をゼンマイ仕掛けの人形のように『ギィ~!』、『ガシャン!』とぎこちなく動かしながら。
自分においで~! おいで~! 優艶に手招きする、ヤンキーの姉ちゃんを見詰め、恒興は【鬼武蔵】と目が合えば直ぐに自分の口を開き。
「うりゃあああっ! このアマがぁあああっ! ぶっ殺してやる~!」と。
恒興は覇気と威勢のある声を放ちつつサラシにふんどし姿の【鬼武蔵】へと、自分の拳を振り上げ猪突猛進──!
恒興は【鬼武蔵】へと捨て身で拳を振り下ろし、連続攻撃でショルダータックルも決行するけれど。




