29/80
第29話 尾張の悪役令嬢様との思い出(12)
「よ~し、竹千代は可成に負けたから次は恒興、お前がいけ! お前が可成と今からタイマン勝負だ! わかったねぇ、恒興?」
まあ、メンバー中、一番年下の俺が先方だから、俺と【鬼武蔵】の相撲と言う名のガチのタイマン勝負が終われば。
織田信長の変態性癖を満たすために、今度は恒興か犬千代のどちらかが勝ち残った【鬼武蔵】と対戦──!
そうタイマン勝負になる訳だから。
俺が地面を枕に悔しい! 悔しい! ……でも痛い。痛いよ。身体中が痛い……と泣いていれば、今回は恒興に指名が上がる。
だから俺はいつも泣くのを辞めて『ニャリ!』と薄気味悪く微笑んでいた気がするよ。
ざまぁ~! 味噌汁~! 恒興なんか死んでしまえ! と。
《《あの頃》》の俺は本気で思うくらい憎悪を募らせていた気がするけれど。
吉姉さまから御指名があった恒興の様子がね、こんな調子だから笑えた。
「えぇ、えええっ! 嘘~?」




