第20話 尾張の悪役令嬢様との思い出(4)
それでも僕は織田信長のほんの僅かな良心と優しい心へと祈るように嘆願をしたと思う?
「織田信長~、許して~!」
「堪忍してやぁ~!」
「お願いだ~!」
俺は相変わらずタコさん、イカさんになり、自分の唇を尖がらせながら、織田信長へと嘆願……。命乞いをした……。
しかしアイツは! 《《日の本》》が世界に誇る、《《第六天の魔王さま》》だから。
「煩い! 黙れ! 竹千代~!」
「よくもアーシの柔らかい唇に、たこさん、のように貪りついてきたな~!」
「貴様~、竹千代~!」
「お前だけは許さん! 死ね~! 死ね~! 死んでしまえ~!」
まあ、異世界ラブコメのお約束……。テンプレ通りに……。
俺がいくら『たぬき、たぬき』と鳴きながら何度も織田信長に謝罪をしようとも、一度《《第六天の魔王》》へ、と化したアイツははこの通りでね。
俺がいくら涙を流しながら嘆願……。命乞いをしようとも織田信長は、幼い俺の身体をボロ雑巾のように、本当にボロボロとなるまでね。
「あっ、ははは~!」
「わっ、ははは~」
「あぁ~、カ・イ・カ・ン……。アーシ逝ったかも……」と。
織田信長は最初は歓喜! 気が狂いながら! 俺のことを殴る・蹴る……。
そして最後にはいつも気の抜けたような声を漏らしていた気がする?
しかし、織田信長は俺が痛さの余り、身動きできず、ピクピクと痙攣をしている様子……。
まあ、放置していたら、死ぬのでは? と言った悲惨な姿を見ては、更にニヤリと妖艶に微笑んで。
「アーシ、竹千代に折檻していたら昇天しちゃったよ~。あっ、ははは~」と嬉しそうに告げていたな……。




