表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/372

65.


 自分で作った味噌汁を啜って、味は大丈夫そうだなとほっとしていると、


 「総司、どうだった今日の外回りは」

 近藤が聞いた。



 局長である近藤は、沖田たち助勤職を直接に管轄してはいない。彼らの実際の指揮は副長である土方達がやっている。


 だから、近藤がそんなふうに聞いた場合は、しかもこの食事の場では、なかば世間話のようにも聞こえるのだが、

 その実、近藤は隊士達の仕事をとても気にかけているに違いない。と、


 「ふむ、それで、どうだ五条の一件は」

 「そうか。投げ文の件は、では片付いたのか」


 ずいぶん詳しく聞いてくる近藤と、これまた詳しく答えている沖田のふたりの会話を耳にしながら冬乃はそんなふうに思って、ひとり心温かになっていた。


 (近藤様は人柄が良いって、表情見ただけで感じ取れるくらい)


 冬乃が初めてここで夕餉を食べた時は、仕事に出ていたらしく席に近藤は居なかったから、こうして近藤と沖田が一緒にいる姿を見るのは冬乃にとって初めてだ。


 写真の通りに、強面なのにとても愛嬌のある顔を今ももぐもぐ飯を噛んで動かしている様子を

冬乃は沖田の隣から覗いて、嬉しさにこぼれそうになる笑みが抑えられない。



 近藤は恐らく冬乃と同じくらいの背だろう。

 だがやはり、近藤もまた沖田と同じく十代の頃から試衛館の太くて重たい木刀で鍛えてきただけあり、がっしりした体つきをしているさまが見てとれる。


 (そして、雰囲気に重厚さがある)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ