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41.




 ・・・

 

 ・・・さん、

 

 

 ・・冬乃さん

 

 

 

 「冬乃さん」

 

 

 

 焦がれた、あの低い声が。

 

 冬乃の鼓膜を緩く刺激して。

 


 決して、懐かしいなどというにはまだ、

 あまりにも早すぎるはずの再会を。

 

 それでも、もう二度と逢えないかもしれないと

 一度は恐れた心がいま、かみしめて深い安堵に包まれ。

 



 冬乃は薄い霧の引いてゆくなか。

 

 そっと目を開けた。

 



 「冬乃さん」

 

 覗き込んでいた彼は冬乃の目覚めを確認すると、ふっと息をついたようにみえた。

 

 「沖田様・・」

 「十日も何処にいました」

 

 冬乃の声に、沖田の抑揚のない声が重なった。

 


 「・・・?」

 



 (十日?)

 


 聞かれた言葉を、

 

 (いま、十日って言った?)

 


 冬乃が呑みこむまでに、

 

 二人の間には沈黙が落ちた。

 



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