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お久しぶりです!
大木戸です。遅れての更新申し訳ございません。
ついに十月一日からアニメが放送されます!是非見て下さい~~!
あと、ユーチューブで、歴悪直前放送の特番があるので、それも是非チェックしてみてください~!
いつも本当にありがとうございます!!♡
なんてことだろう。
「象だ」
私は今、象と対峙している。……鋭い眼光を私に飛ばしている。
さっきの呼吸の音は象だったのか。
私はもう一度「象だ」と呟いた。
嘘でしょ。この森に象なんて存在するんだ……。私の何十倍も大きくて、逞しい身体を持つ生き物。立派な鼻をお持ちのようだ。
まさか、適当にクシャナの森を歩いていたら、象と出くわすなんて……。何かのお告げかしら。
象に乗って、山を越えて、戦に勝て、ということ?
違う、違う。
私はブンブンッと首を横に振りながら、この状況をどうするべきかについて考える。
パオーンと鳴くのかと思えば、意外と静かだ。象は賢いし、想像しているよりもかなり速く走る。
ライという立派な味方が私にはいるが、この象も味方につけておけば、何も後ろ盾のない私にとっては立派な力となる。
「一人なの?」
私は絶対に通じないと思いながら、普通に人間の言葉で聞いた。
……象は何も答えず、私をただじっと見つめている。
こんな時に動物と会話できるクシャナがいたら……。私はそんなことを思いながら、象の警戒心を少しでも解くために話を続けた。
「どこから来たの?」
…………無反応。
他に象に質問できることはなんだろう。
何をそんなに私をジロジロと観察しているのだろう。人間が珍しいってわけでもないだろうに……。
なんたって、この森はクシャナが治めているのだから。
…………そう思ったら、森の女王クシャナってとんでもないわね。もはや、ラヴァール国で一番強いんじゃないかしら。
「人間の言葉分かる? クシャナって女性を知ってる?」
私は続けて、質問する。
すると、象は私が「クシャナ」と名を呼んだところで微かに反応した。
あ、もしかするとこれはクシャナが従えている象かもしれない。この象に乗ったら、クシャナの元まで連れてってくれるとか?
私がゆっくりと象に近付くと、象は私を睨むようにして敵対意識を持つ。
……おっと、友好的ではないようだ。
これはもう象は諦めて、違う道へと行くしかないか。
私がクルッと象に背を向けて、来た道を戻ろうとすると、ザザザっと何かが近づく音が聞こえた。
地面が揺れるような振動。森がざわめいている。……なにこれ。
私は身構えながら、周囲を見渡す。 何かに迫られているような威圧感。
「…………嘘でしょ」
気付けば、大きな象に囲まれていた。鉄壁、という表現が適切だと思う。
この象の囲いを突破するなんて、いくら私でも不可能だ。……移転魔法を使えば、どうにかなるけれど、キイの魔力はクシャナの為に使いたい。
一難去ってまた一難、という言葉があるけれど、私は常に難に追われているようだ。




