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[第一部完結]サラリーマンが異世界でダンジョンの店長になったワケ  作者: エルリア
第二章

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夢の国の終焉

 ウェリスの首に短剣を押し付けてこちらとにらみ合うグランド。


 今時『こいつの命がどうなってもいいのか』なんてテンプレもいいところだ。


 大抵そういう台詞を吐いた奴は失敗して返り討ちにあっている。


 定説では。


 だがこれは定説ではない。


 もしか仕方そうなるかもしれないしそうならないかもしれない。


 全て仮定が先行する現実だ。


 よくある話なら、『待て、話を聞こう、武器を置くから落ち着け』なんて話になるんだけど。


「何故貴様の話を聞かなければならん、武器を下ろすのはそちらだ。仲間はほぼ殲滅した、残るはお前と横の男だけだ。」


 ですよね、そうなりますよね。


 わざわざ自分や味方を危険にするなら一人の犠牲は致し方ない。


 そういう流儀でシルビア様は生きている。


 そうやって、騎士団の仲間を守っている。


 それがあの人の義務だ。


 その義務を忠実に守っているに過ぎない。


 でも、それだとウェリスの命はない。


 どうかしたいのに何もできない。


 自分には解決するすべを持っていない。


 会話で何とかなる状況でもない。


 交渉人(ネゴシエーター )なんてかっこいい職業でもない。


 ただの商人だ。


 歯がゆいが見守ることしかできないのか。


「こいつの命がどうなってもいいというのか!」


「くどい、そ奴の命などどうでもいい。手を掛けたとしても私がお前を切り殺す事実は変わらんからな。」


「これだから騎士団のやり方は気に入らないんだ!」


 そういえばグランドとエルも元騎士団員だったな。


 ウェリスがやり方を嫌っているのは知っていたがこいつもか。


「・・・だから、いっただろ。俺なんかを人質にしても、意味ないってな。」


 息も絶え絶えにウェリスがグランドを挑発する。


「ウェリスお前の嫌いな騎士団のやり方で殺されて悔しくないのかよ、お前はそのやり方がいやで俺たちのところに転がり込んできたんじゃねぇのか。」


「たかが、石ころ1つの命で、他の連中を危険にさらすような、女じゃねぇのさ、あの、分団長は。」


「その通りだ。所詮その男の命などそこいらの小石に過ぎん。そんな小さな小石に躓いてなどおれんのだよ。どうする、そいつを殺して私と勝負するかそれとも殺さずに勝負するか。まぁ結果は同じだが。」


 シルビア様のテンションがいつもと違うのは先ほどの流れがあってだろう。


 アドレナリン大量放出されているんだろうな。


 戦場に出ると人は変わると聞いたことがある。


 命のやり取りをする場所に出ると普段表に出ない人格が出るという人もいる。


 冷静に物事を進めるシルビア様が挑発するというのは普段抑圧された感情からきているのだろうか。


 とかなんとか冷静に考えているがこのままでは間違いなくウェリスが死ぬ。


 それだけは避けたい。


「グランド、もういいだろう。勝負は見えている相手はあの戦乙女シルビア様だ。」


「うるせぇお前は黙ってろエル!戦えない奴が俺に命令するんじゃねぇよ」


 追い詰められた猛獣は何をしでかすかわからない。


 しかし興奮すればするほど冷静さも失われていく。


 今しかチャンスはない。


 あいつはシルビア様のほうしか見ていない。


 他の連中もそちらにしか意識を向けていない。


 行動を起こすなら今しかない。


「エミリア、手を上げる合図をしたらウェリスの上めがけて魔法を打てるかな。」


「できますけど、どうするつもりですか、」


「説明している時間はないんだ。できるだけ派手な奴がうれしいな。」


 エミリアにお願いをして現場から離れる。


 できるだけ目立たないようにゆっくりとグランドの視界から外れる場所へ向かう。


 目指すは奴の左後ろ。


 奴は今右前にいるシルビア様しか見ていない。


 エルはグランドの右に立っている。


 左側は死角のはずだ。


 エミリアの側を離れるときにカムリと目があった。


 エミリアへの会話も聞いているはずだ。


 にもかかわらず止めなかったのは何故だ。


 可能性は二つある。


 一つは俺が出て行っても状況は変わらず事が終わるという事。


 二つ目は俺が出て行くことで奴の注意が反れ、その隙を使ってシルビア様かカムリが何かできるという事。


 できれば後者であって欲しい。


 何もしないまま手をこまねいているなんてまっぴらだ。


 危険がないわけじゃないが、そんなこと考えていられない。


 怖いとかじゃない。


 死なせたくないんだ。


「どうした、さっさと殺してかかってきたらどうだ。それとも口だけの子犬が吠えているだけか。」


「この野郎調子に乗りやがって!」


 シルビア様の挑発にグランドの顔が真っ赤になる。


 首に当てた短剣がウェリスの首に食い込む。


 もう時間がない。


 後ろに回りこむ時間はない。


 ならば注意を引くしかないか。


「おい、ウェリスその短剣はお前に貸したはずなんだけどどうしてこいつが持っているんだ。」


 大声でウェリスに向かって呼びかける。


 その場にいた全員の視線がこっちに注がれる。


 なんだよ、照れるじゃないか。


 予想通りグランドの視線もこっちを向いた。シルビア様とエミリアが死角になる。


「グラントだっけ、シルビア様が怖いなら俺が相手になってやるよ。」


「シュウイチやめろ、勝てる相手じゃない。」


「その通りだ、お前なんかお呼びじゃないんだよ。それともこいつの為に殺されにきたってのか。」


 勝つつもりなんかないさ。


 負けるつもりもないけどね。


「どうした腰抜け、いちいち文句を言わないと気がすまないのか。それとも俺みたいな商人にすら勝てないってびびってるのか。」


 右手を威嚇するように上に掲げる。


「どいつもこいつも好き勝手言いやがって!」


 グランドが怒りに任せて首に当てていた短剣を振りかぶった。


 敵視、(ヘイト)が完全にこっちに向いた。


 それと同時に爆発音が渓谷中に響き渡る。


 細い渓谷の中で音が反響し合い、予想以上の音が響きわたる。


 来るとわかっていたのに思わずビクッと身を縮めてしまうぐらいの音だ。


 それはここにいた全ての人間が同じだったようで、意図しない場所から急に響く爆発音に悲鳴がひろがる。


 グランドも同様だったようだ。


 右手を振りかぶった状態で驚き、ウェリスを固定していた左手が思わず緩む。


 ウェリスが床に倒れると光の如き速さでカムリがその体を引きずっていく。


 まさに電光石火の言葉のような動きだった。


 あまりの状況にグランドが一瞬フリーズする。


 人間異なることが二つ以上同時に起こると脳がパニックになることがあるらしい。


 もちろんそうならない人もいるが、たいていの人が三つ以上の状況を瞬時に判断することができない。


 グラントもそうだ。


 俺へ意識を向けた瞬間に響き渡る爆発音。


 その音を確認するまもなく手元にいたはずのウェリスを奪われてしまう。


 何が起こったのかを理解するまでに少しの時間が必要だった。


 その隙をカムリが逃すはずがない。


 このイケメンめ。


 さっき俺を止めなかったのはこうなることを予測していたのだろう。


 そうでなければあの場所からウェリスを助けに行けるはずがない。


 少しでも近づき、機会をうかがっていたのだ。


 イケメンだけじゃなかったって事だな。


 チクショウ。


 状況を把握したグランドが怒りで顔を真っ赤にする。


 怒髪天を突く、もしくはおでこで茶が沸きそうだ。


 あ、これはへそか。


 盾にするはずのウェリスを失い、構えたシルビア様に行く度胸もない男が次に誰を狙うか。


 それは、俺しかない。


「ぶっころしてやるっっっ!」


 怒りのボルテージマックスでなりふり構わずこちらに駆けて来るグランド。


 迎え撃ってどうこうなる相手ではないし、そんなスキルもない俺がとる手段はただ1つ。


 逃げることだ。


 位置関係だと、ちょうど三角形の頂点をグランドとして底辺が俺とシルビア様。


 真っ直ぐ俺に向かってくるグランドに対して全速力でシルビア様のほうに駆け出す俺。


 シルビア様がそれに気付き少し遅れて俺のほうに走り出す。


 まるで算数の問題のようだ。


 三人が集まるのは何秒後でしょうかなんて感じだな。


 グランドとの距離がみるみる縮まり、あと少しで剣先が届く距離になる。


 短剣が俺に向かって振り下ろされるであろうその瞬間、ヘッドスライディングのようにシルビア様のほうへ飛び込んだ。


 俺を狙った短剣は遅れて到着したシルビア様の剣によってはじかれる。


「まったく、イナバ殿にはいつも驚かされるな。」


 ダイブした先で転がりながらシルビア様の苦言を聞いた気がした。


「このアマ、叩き切ってやる!」


 シルビア様とにらみ合うグランド。


 怒り狂うグランドとは対称的にシルビア様は冷静だった。


「さっき私は石ころに躓いてなどおれんと言ったが、助からん小石は捨てるが助かる小石を捨て置くほど卑劣な女ではない。誤解のないように訂正しておくとしよう。」


「こんなときに何言って・・・!」


「あぁ、小石以下のお前には話しても無駄だったな。」


「この売女がぁぁぁぁ!」


 グランドの剣が届くよりも早くシルビア様の剣がダマスカスの剣を砕き、右肩から腹部まで斜めにめり込む。


 そしてもう一本。


 カムリの剣が左胸を一突きにしていた。


「分団長への暴言に思わず、失礼をいたしました。」


「なに、それでこそ私の部下だ。」


 心臓を一突きにされたグランドは鬼の形相のまま絶命した。


 二人が剣を抜くと自重に耐えかねグランドが膝から崩れていく。


 刹那の攻防に誰もが息をするのを忘れていた。


 グランドが地に倒れる音と共に他の者達時間も動き出す。


 一人が歓声を上げる。


 その歓声が近くの者に感染し、渓谷中に勝ち鬨が轟いた。


 皆武器を掲げ近くの者と抱き合う。


 残された盗賊達はその場で座り込み、現実を受け入れられないでいる。


 それもそうか。


 ほんの数分の出来事だった。


 自分たちが信じてついて行った夢の国が眼の前で崩れていく。


 頼りにしていた長は分団長の手によって倒された。


 残されたのはもう一人の長。


 しかし、彼に彼らを支える力はない。


 彼らはグランドという武の下で生かされていたに過ぎない。


 弱者の夢の国になるはずだった。


 しかし現実はそう甘くなかった。


 薄氷の上にかろうじて維持されていた夢の国はこうして終焉を迎えたのであった。


「それで、残されたお前はどうする。」


「彼のように戦いを挑んで死ぬことはできません。せめて、名誉ある死を期待します。」


「よかろう、今回の件について洗いざらい吐いてもらった後に我手で死を与えよう。連れて行け。」


 団員に捕縛され、エルが去っていく。


「せめて半年ほど早く貴方に出会っていれば変わっていたかもしれませんね。」


 去り際に聞こえた声に返事はできなかった。


 もしかしてなんてモノは存在しない。


 ロードのきかない世界ではそんな夢のようなことは起きたりしない。


 今が全てなんだから。


 今できることをしよう。


 そう思った。


「しかし、イナバ殿にも毎度のことながら困らされるな。」


「本当です。何とかなっているからいいもののいずれ痛い目を見ると思います。」


 ひどい言われようだ。


 確かに行き当たりばったりの事が多いから、慎重にいかなければと反省はしている。


 だが、そのおかげでウェリスは生きている。


「信じていましたから、シルビア様なら気づいてくれると。」


「それは分団長としての技量をであろう。」


「いえ、ただのシルビア様をですよ。肩書なんて関係ありません、私の知っているシルビア様を信じていましたから。」


「これはこれは、随分高く買ってもらっているようだ。」


 どこか嬉しそうなシルビア様。


 あの場面で頼れるのはエミリアでもイケメンでもなくシルビア様だった。


 ただそれだけだ。


 なんですが、なんでしょうこの視線は。


 エミリアの視線が微妙に痛い。


 ちょっと無茶しすぎただろうか。


「シュウイチすまなかった。」


「ウェリス生きていただけ良いじゃないか。」


 部下に囲まれたウェリスに謝られる理由が見つからない。


 こんなに大勢の部下に慕われて、さすが人望のある人間は違うね。


「そうじゃない、預かった剣を返せなかった。」


 あぁ、ダマスカスの短剣の事か。


 グランドの手に折れた短剣が握られたままだ。


「短剣はまた武器屋の親父に譲ってもらうさ。代金はもちろんウェリスに請求するよ。」


「従軍奴隷にそんな金ねぇよ。」


 苦しそうに呻きながらも笑顔を作る。


 お前が無事でよかった。


 これでうまい酒を呑む約束を果たせるな。


「その代金は私が支払わせてもらおう。」


「シルビア様は致し方なくあの剣を折ったまで。責任はありませんよ。」


「私のオリハルコンの剣が欠けてしまった。良い武器を作る主人に文句の一つもつけてやろうと思ってな、いや冗談だ。」


 シルビア様が冗談を言う。


 ホッとしているのだろう。


 しかし、武器屋の親父も不運だな。


 いや、良い取引ができると思えば幸運か。


「やはり代金はウェリスにつけておきますよ。その方がよく働くでしょう。」


「違いない。」


「おいおい、こっちは怪我人だぜ。少しは優しくしてくれよ。」


 笑い声が渓谷にこだまする。


 長い、長い夜が終わろうとしていた。


 日数にしてはたった三日に過ぎないが、随分長い事騎士団でお世話になっている気がする。


 しかし、騎士団との関係もこの事件解決まで。


 明日からは普通の商人に戻れるわけだ。


 まっとうに商売しよう。


 こんな事は、頼まれてももうごめんだ。


「シュウイチさん、お疲れ様でした。」


「エミリアもありがとうございました。大変なことに巻き込んでしまいましたね。」


「もう慣れてしまいました。シュウイチさんが行くところはいつも何か大変な事がおきますから。」


「明日からは普通の商人としておとなしくしておきますよ。」


 やはりあきれられていたようだ。


 エミリアには今回何度も助けてもらった。


 もう足を向けて寝れないなぁ。


「おや、イナバ殿は騎士団に残るおつもりはないのか。」


「今回だけというお約束でしたから。当分おとなしくしていますよ。」


「それは残念だ、イナバ殿の知恵があればわが分団も安泰だと思ったのだがな。ほれ、この木偶の棒ではどうもな。」


「お言葉ですが分団長、木偶の棒は些か言葉がひどいのではないでしょうか。」


 珍しくイケメンがシルビア様に文句を言っている。


 イケメンはイケメンなりに思うところがあるようだ。


「事実を述べているまでだ。もう少し頭を柔らかくしておれば寄って来る女子達も喜ぶであろうに。」


「まだまだ未熟者ですので、女性にうつつを抜かしている時間はありません。」


「ほれ、こんなに硬くなっておる。商店に飽きたのであれば騎士団はいつでもイナバ殿を歓迎するぞ。」


 ヘッドハンティングはまだあきらめていないようだ。


「目的を果たしたときに、また考えさせていただきますよ。」


「イナバ殿は商店連合の雇われ店主であったな。なぜそこまで店主にこだわるのだ。」


 こだわっているわけではないのだが。


 なぜかと言われると難しい。


「そうですね、まだ何もなしていないからでしょうか。」


「村の件といい此度の件といい、これでもまだ何もなしてないというのか。」


「商店での話ですよ。私が商店の店長になったワケは新しい自分を見つけるためです。」


 そうだ。


 せっかく異世界に来たんだ。


 ブラック企業からも解放され、夢のような世界にこれたんだ。


 新しい自分をここから始めるんだ。


「新しい自分か。それはまた大きな理由だな。」


「まだ右も左もわかりませんが、できることをひとつづつ積み重ねていきますよ。エミリアもいますしね。」


 エミリアがサポートしてくれる。


 それだけで十分心強い。


 でもあれだな。


 もうちょっと鍛えて強くなった方がいいな。


 さすがに今回は守られてばっかりだから、せめて自分の身ぐらい守れるようにならないと。


 ウェリスに鍛えてもらうか。


 シルビア様だとスパルタ過ぎてついて行けないような気がする。


 本人には内緒だ。


「新しい自分、羨ましいな。私も新たな道を見つけてみたいものだ。」


「シルビア様にも進んでみたい道があるのですか。」


「最近見つけてな、どうだ一緒に探してみぬか。」


「シルビア様!」


 エミリアが慌てたようにシルビア様に声を上げる。


 なんだどうした。


「そんなに慌てなくても抜け駆けなどせぬよ。」


「そういう事ではなくてですね。」


「エミリアはハッキリしないところがいかんな。イナバ殿、エミリアと私はそなたを好いておる、それを受ける覚悟はあるか。」


 またまた、さっきのフラグの件ですか。


「シルビア様!私はそんなまだ・・・。」


「今更隠しても遅いだろう。イナバ殿、エミリアはこの通り奥手で自分の意見をはっきり言えん、私は私でこの通りがさつで武芸しか誇れるところはない。しかし、二人そろえばなかなか良い妻となると思うのだがどうだ。」


 これはさっきのネタじゃないという事でしょうか。


 ガチですか。


 マジですか。


 いや、うわ、どうしよう。


 異世界に来てモテキ襲来ですか。


「よ、色男。鋼のシルビアが求婚とは明日は雪でも降るんじゃないか。」


「ウェリス、なんなら貴様もとどめを刺しても良いのだぞ。」


 シルビア様、目がマジです。


「どうしたイナバ殿。悪い話ではなかろう、こんなに可愛い娘が二人求婚しておるのだ。男冥利に尽きるのではないか。」


「シルビア様!可愛いだなんて私そんな。」


 いや、十分可愛いです。


 嬉しいです。


 最高です。


 でも、エミリアはなんとなく気づいていたけどシルビア様はどうしてだ。


 わからん。


 いや、嬉しいんだけど。


 どうしてだ。


 いつか教えてくれるんだろうか。


 とりあえず、先ほどと同じ轍は二度と踏まない。


 今がすべてだ。


 今できることを、新しい自分を始めると決めたんだ。


「喜んでお受けいたします。」


 明日は車にひかれないように注意しよう。


 あ、馬車しかないんだっけ。


「よかったなエミリア、しかし私も負けてはおらんぞ。」


「その、なんていうか、こんな形になってしまったんですが、シュウイチさんよろしくお願いします。」


 真っ赤な顔でうつむきながら上目遣いでお願いされたら拒否なんてできない。


 エミリア、恐ろしい子!


 異世界に来てよかった。


 こんなに幸せでいいのでしょうか。


 いいんです!


「こちらこそよろしくお願いします。」


 ダンジョンの店長になったワケ。


 それは可愛いエルフ娘に一目惚れしたなんて言えるわけがないじゃないか。

無事に終えることができました。

よかった、何とか収めることができました。


最初は少しずつでいいと思いながら始めましたが、

たくさんの人に読んでもらえる嬉しさと

忘れていた書くことの楽しさを思い出すことができました。


ここで第一部終了です。


まだ書き進めるつもりでいますので、

のんびりとおつきあいよろしくお願いいたします。

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