動く世界
夜火と別れた後、リオンは友人と2人で話していた。
「いやあ、今回の大会は将来有望なプレイヤーも多かったな!」
「ええ、本当に。何人かは私のクランに勧誘できたし……、親友の負けるところも見れて幸せです」
「うるせえ、ツバキも私に負けただろうが」
「それはそれ、ですよ。みょーくんの妹の友人、夜火くんでしたか?これからが楽しみですね。彼はリオンとの試合までいくつかの武器を隠してたみたいですし」
「ああ、あの武器を知ってるか知っていないかで結果はまた違ってたかもな」
「ええ。次、彼と会うのはストーリーが進むときですかね。あるいは別のイベントだったりして」
「そういや、クラン大戦もあるな。あいつは引っ張りだこになるかもな」
「きっとそうなるでしょうね。ハンデありとはいえ、リオンに勝ったプレイヤーはぜひとも迎え入れたいでしょう」
「まあ、それもまだ先の話だ。とりあえず、今日はお疲れ」
「ええ、お疲れ様」
サービスが開始して1年が経ったエデン・ヒストリア。謎の武器、謎の骨、謎のメモ、様々な謎がこの世界には残されている。
プレイヤーたちが現在活動する大陸のその果てには果てしない海が広がっている。しかし、一部のプレイヤーたちの検証の結果、その先にはまた別の大陸が存在することが判明する。しかし、その未知の大陸「新大陸」にたどり着いた者は誰一人としていない。海を渡ろうとしたプレイヤーたちは皆こう言う。
何かが海中にある。それのせいで海を渡るのは不可能だ、と。
おそらくアップデートによって実装されるのであろう新大陸。新天地への道のりを阻むものを知ろうと数人のプレイヤーは海へと潜っていった。そこで彼らが見たものは「異形の右腕」おそらくモンスターのものであろうその右腕だけが海中には存在していた。
「さて、今回の大会の運営、ご苦労だった!皆のおかげで、かなり盛り上がる大会となった!しかし、気を抜くのはまだ早いぞ。ついにストーリーを進める時が来た」
エデン・クリエイターズ本社に集う社員たちの熱量が高まる。
「シナリオ担当のあいつが納得しなかったせいで1年遅れてしまったが、ようやくストーリーボスを解放することができる。最初のボスもそろそろ海の底で新大陸に行こうとする輩を撃ち落とすのも飽きただろう。ストーリーボスの解放は次の連休の予定だ。そこに向けて各自、準備を進めてくれ」
1年の時を経て、世界は動きだす。
プレイヤーたちに立ちはだかるのは残された厄災の肉体から生まれるモンスター。
まず、彼らの前に立ちはだかるモンスターの名は――――――
三界兵龍SOL
ひとまず、ここで1章は終わりです。見切り発車で書き始めたので2章に入る前に1章を見直すつもりです。文を書き直したり、設定を一部変更したりするかもです。大きく変える場合には2章投稿のタイミングで書いておきます。
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