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誰だ、こいつら喚んだ馬鹿は  作者: 赤木一広(和)
第三章 ウールブヘジン
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033.強さの原因


 リネスタード騒乱が終わった後、街の人間は不知火凪と柊秋穂とシーラ・ルキュレが三人で一緒に行動するのをよく見るようになった。

 元から辺境の悪夢シーラ・ルキュレの存在は街ではよく見掛けられていたこともあり、街の人間はそんな危険人物が街を徘徊していることにそれなりに慣れてはいた。

 もちろんそれは、シーラ・ルキュレが間違っても暴れ出したりしないような付き合い方ができているという意味で、とんでもない美人ではあれど彼女に声を掛けるような馬鹿はこの街にはいなかった。

 そこに凪と秋穂の二人が加わった。

 シーラと共にある凪を見かけた街の人間の幾人かは、その容貌の美しさではなく、つい先日目撃してしまった悪鬼羅刹の所業を思い出す。

 死体の片付けは街の人間総出で行なったのだ、これを為した人間の噂も当然広まっている。

 金色の剣鬼。そう呼ばれていた。

 凪の名前が商業組合から伝わっていくとこれに、風刃のナギという二つ名が加わる。

 凪は目撃者も多いことから、それこそ顔を見るだけで失禁してその場にへたりこむような人間もいるほどで。

 目撃者からの証言を聞いた街の人間たちも、シーラに並ぶ新たな恐怖として凪の存在を認知していた。

 だが、もう一人、柊秋穂はそうではない。

 こちらも商業組合と鉱山街から情報が出回っている。曰く、鉱山街のアンドレアスを殺した女、である。

 真っ黒な髪と、シーラや凪と並んでも全く見劣りすることのない美貌。そこにアンドレアス殺しの武威は見られない。

 黒髪のアキホ、なんて呼び名は二つ名とかではなく単純に、個体識別をしやすくするための呼称でしかない。

 アンドレアスの恐怖はシーラと並んで街中に響き渡っていたので、目撃者の数も少ないことから秋穂に関しては皆半信半疑といったところだ。

 街の人間たちはこの三人組に対し、必要最低限のみの接触を心掛けている。つまり、三人組の側から接してこなければ基本的には触れないということだ。

 そんな危険物三人組は、ベネディクトが是非魔剣を見たいと凪と秋穂に頼みこんだことで、現在凪と秋穂が寝泊まりしている宿にいた。


 白ネズミのベネディクトは、小さいネズミの身体を精一杯乗り出しながら大声を張り上げる。


「魔術師ダインだと!? あの魔導建築学の権威! 魔法防壁理論の偉大なる先駆者! そ、そんな人物がこの辺境に居るというのか!?」


 涼太、凪、秋穂の三人共がこれまで見たこともないぐらいテンションが高い。

 シーラの魔剣に興味を持ったベネディクトが、魔剣を見るためならばと仕方なくネズミの姿を他者に晒すことに同意し、シーラを宿に招いて剣を見る前に製作者の名前を聞くなりコレである。

 剣を見せる前からこの盛り上がりっぷりであるからして、普通の人間ならばドン引いてもおかしくないのだがそれ以前に、小さな白いネズミが人間の言葉を話していることに驚き面白がっているシーラである。


「コレ、本当にかわいいねぇ。触ってみていい?」

「それは断る。それよりも! シーラと言ったか! 魔術師ダインと知り合いだというのならばどうか彼を紹介してはもらえないか!」

「えー、ダインのおじいちゃん変なの連れてったら絶対怒るし。ねえ、じゃあちょっとだけ、つつくだけ」

「絶対にやめてくれ。私もこれで魔術師のはしくれだ! 彼ほどではないが独自の研究成果があり、きっと彼にも興味を持ってもらえるだろう自信もある!」

「それでもし上手くいかなかったら怒られるの私だしなぁ。じゃあ、じゃあさっ、私の腕の上とか走ってよー」

「断固として拒否させていただく。代価が必要ならば私にできる限りで応じよう! どうか頼まれてはくれまいか!」


 魔剣のことなどそっちのけで二人の交渉は続く。

 ネズミと悪夢の交渉は、最終的にシーラの要望が全て通りベネディクトがシーラに撫でまわされた挙げ句その身体中を走り回るという条件を飲まされた。

 満面の笑みでベネディクトをいじくり遊ぶシーラを見て、これを眺める凪と秋穂はそれはそれは羨ましそうな顔をしていたとか。




 シーラの魔剣の刀身をじっくり見たベネディクトは、そのあまりの有様に表情を歪める。


「これは……ヒドイな。いったい何をすればこんなことになるのだ?」

「え? え? え? 使い方よくなかった? 私の剣、何処かおかしいの?」


 妙に焦った顔のシーラに、ベネディクトは淡々と告げる。


「魔力がまともに流れなくなっている。原因は、ああ、間違いない。手入れの不足だろう」

「手入れは何時もしてるよー」

「魔力の流れを整えるのなら魔術師がそうするしかない。コレを渡された時、定期的に彼のもとに戻るよう言われなかったか?」


 シーラは黙ってしまった。図星らしい。


「いったい何人斬ればここまでになるものか。百や二百ではきかんだろうに」

「斬った人数なんて覚えてないよー。たくさん斬ったほうがいいと思ってたから、できるだけ多く斬るようにはしてたけど」

「幾らなんでもこれはやりすぎだ、魔剣の許容量を超えてしまっている。それでは意味がなかろう」

「魔剣? 許容量? え? 剣関係なくない? 私が強くなるためって話だよ」

「ん?」

「え?」


 両者の齟齬に気付いたベネディクトは、すぐにこれを解消すべく質問を重ねる。

 そこではっきりとしたのは、シーラは多数の人間を斬れば強くなれると考えていることだ。

 それはベネディクトの知る強くなるための手法とは多少の差異があるもので、ベネディクトはシーラという人物の持つ知識と経験に興味を持った。

 そうなってくると追求せずにはいられないのが研究者でもある魔術師ベネディクトだ。

 話題は強くなる方法という、本来門外不出にすべき内容であったのだが、シーラは気安くベネディクトの質問に答える。

 こういった話をできる相手に飢えていたのかもしれない。


「強い相手を殺せば強くなれるというのは、私も幾つか実例を見たことがある」

「強い戦士は幾人かそれを知ってる人もいたねー。でも確証を持ってる人はほとんどいなかったけど」

「何故だ? 君たち戦士はそれを経験則で知ったのだろう? ならば後は確信できるだけの実証を得るだけでは?」

「自分より強い相手を殺すってそう何度もできることじゃないし、気安く試せることでもないからねぇ」

「むむっ、それはその通りか」


 シーラの言う、弱い敵でもたくさん殺せばそれでも強くなってはいく、という話はもう完全にシーラのみの意見で、他のどんな戦士も言っていなかったそうな。

 弱らせた敵を殺したところでただ弱い敵を殺したという結果にしかならない。また飛び道具による殺傷では意味がないらしい。何処までを飛び道具と規定するかにはまだ議論の余地があるのだが。

 強い弱いというものは相対的なもので、また正確に数値化することが極めて困難だ。

 ただ、この場合の強い弱いとは肉体的な強度であるようで、訓練により培った技量はこの強さに含まれない。

 これが故に、大猪を打倒しえた凪と秋穂は一気に強くなれたのだろう、と推測することができた。

 出た結論に対し、凪はしみじみと呟いた。


「異世界ねぇ」


 秋穂も、後からこれを聞いた涼太も全く同じ感想であった。






 リネスタードの街には、その中心部近くに大きな大きな屋敷がある。

 役人たちが業務を行う建物のすぐ隣にあるその屋敷は、本来リネスタードの領主が住まうものであるのだが、リネスタードの領主は王都から動く気は全くなく、領主代行を任されているギデオン・メシュヴィツという男がここに住んでいる。

 年は三十代。体躯は驚くほどに大きい。が、それは健康的な大きさとは言い難い。長年の贅沢暮らしにより横に大きくなっていった所謂肥満体というやつである。

 ギデオンは無駄に大きなテーブルの端に座り、テーブルいっぱいに置かれている様々な美食を口に入れながら怒鳴った。


「オロフ! オロフを呼べ!」


 苛立たし気に目の前の肉を食べ続けていると、使用人に呼ばれた長身の男が現れる。

 黒の上下を隙なく着込んでおり、この衣服は中央貴族の執事がよく着ているものだ。

 彼が現れると口から唾を飛ばしながらギデオンは喚く。


「どういうことだ! 子牛の肉ではないぞ!」

「……子牛の肉は価格の高騰に歯止めがかからない、と先日も申し上げましたが」

「金なら地主共が持ってきたではないか!」

「故に、当分の間は上質の牛をご用意できましょう。どうしてもとおっしゃるのでしたら、閨の女を一人ボロースにでも売り飛ばしますか?」

「むう、それは嫌だ。のうオロフ。街では何やら騒ぎが起きたらしいではないか、その首謀者なりから金はとれぬのか?」

「首謀者は死にました。大きな揉め事でしたが揉め事の責任者たちも皆死にました。ついでに言いますならば、最大の献金元であるブランドストレーム家が消滅しましたので、今後上納金は減ります」

「なんだと!? 誰だそんな愚かな真似をした馬鹿は! すぐさま引っ立てい!」

「現状、ギデオン様が許可を出した募兵により衛兵の補充がなされぬ間は、犯罪者の検挙は不可能です」

「何? おい待て。それはもしかして一大事なのではないか? 今の街は犯罪し放題ということであろう?」

「その通りです」

「その通りですではない! 何故そのようなことになってしまったのか! 責任者は誰だ!」

「ギデオン様です。その下というのであれば、衛士長ですが既に死亡しております。代理は逃げた後ですし、その更に代理は現在募兵のため近隣の村を回っております」

「ワシは責任者ではなく領主代理だ馬鹿め! まあいい、その騒ぎとやらの原因となった奴を引きずりだし、財産没収の上処刑せよ」


 ギデオンにとって、領主代理という役職には責任が伴うものではないという認識らしい。


「……辺境の悪夢、シーラ・ルキュレ」

「何?」

「今回の首謀者の一人だそうです。処刑、しますか?」


 ギデオンの顔が青白く変色していく。


「おい、おい、おい。ソイツ、確か、先代の領主代理を暗殺したとか、お前、言ってなかったか?」

「その恐れがある、と申しあげました。それが事実かどうかはさておき、私にはアレを処刑できる人物に心当たりはありません。ですので申し訳ありませんが手配はギデオン様のほうでなさっていただきたく」

「百人殺す人外に手を出す馬鹿があるか! やめだやめっ! 処刑はなしっ! 他の、もっと殺しやすい奴はおらんのか! できるだけ金を持っている奴でっ!」


 流石にそろそろ苛立ってきたらしいオロフは、少し声の調子を落として言う。


「ギデオン様。街にこれ以上の混乱をもたらされては今年度の税収にも影響します。街の治安は現在、そのシーラ・ルキュレと幾人かの有志によって保たれておりますので、無理押しは控えていただければ」


 不満気に黙り込みながら、テーブルの上の料理に手を伸ばすギデオン。

 この男は不満が溜まり過ぎると、とんでもない馬鹿をやらかすのがこれまでの経験からわかっているオロフは、ギデオンの機嫌が取れる話題を一つ提供する。


「商業組合から、新たな繊維工場の建設申請があがっております。ギデオン様さえ許可してくだされば、年内にも稼働できるとのことです」

「おお、繊維工場か。あれをもう一つ作るのか? ほうほう、では……」

「はい、申請費用の用意もあるそうですし、工場税も当然、二倍になりますな」

「ほっほほほ、それはよい、それはよい。うむ、では今回の騒ぎとやらから他にも金をとれる手がないか、何か考えておけよ」

「ははっ、もし仮に何かの間違いで思いつくようなことがありましたら、お伝えいたします」


 オロフが退室すると、ギデオンは一心不乱に食事に集中する。

 扉を閉め外に出たオロフはぽつりと呟いた。


「ギュルディ・リードホルムだったか。やるではないか、よもやシーラ並の戦士を更に二人も揃えていようとはな」


 くっくっくと含み笑う。


「よかろう。お前には今後、この強欲豚の面倒を見る権利をくれてやろうではないか」






 魔術の偉大さを、楠木涼太はその工房を見て初めて理解した。


「すげぇ。そうだよな。別に全部を魔術でやる必要もなければ、全部を技術でやる必要もない。魔術があるんならコレも当たり前の話なんだろうな」


 鉱山街の工房の一つ、ギュルディと取引しているその工房では、繊維工場で工員が使用する器具を製作するための道具を作成していた。

 綿を細い糸状にし、これをよりあわせて一枚の生地を作り上げていく。大雑把に言えばこれが繊維工場でやっていることだ。

 鉱山街は魔術が無ければ決して出し得ぬだろう精度、硬度を持つ工具を作り、これを専門の技術者が用いて繊維工場で使う道具を作っていく。

 ロクに教育も受けていない工員ですらできる程度の単純作業は、ここで作成した道具あってのことなのである。

 道具は主に木でできているので、基本的に全ては消耗品だ。なので工場では常にこの道具を供給できる態勢を整えておかなければならない。


「いや恐れ入ったわ。やるじゃないかギュルディ、これはお前が考えたのか?」

「そこまでの天才を私に望むな頼むから。中央部では既に五つの工場が稼働している。ま、辺境じゃ私の工場だけだがな。私が見るに、手すきの人間はこちらのほうがずっと多い。辺境という土地に抵抗がないのならば絶対にここでやったほうが儲かるさ」


 第二工場の準備も進んでいる。商売のほうは極めて順調である。

 だが一つ問題もある。

 工場で人を集めているせいで、農家の三男四男といったあぶれた労働力たちは皆収入の良い工場に来るか綿花を作るのに取られてしまっていて、街の募兵があまりはかどっていないのだ。

 それでも最低限の数は揃えられたので後はゆっくりと数を増やしていく予定らしい。

 これもブランドストレーム家や傭兵団が潰れたことでこちらに回ってくる人間も増えると予想されるので、それほど問題視はしていないのだが。

 アンドレアスたちがいなくなったことで、このように鉱山街との協力もやりやすくなった。

 ギュルディの繊維工場は綿花を育てることや工員の補充などで地主たちにも協力してもらっている。

 全てが順調であるのだが、ギュルディの表情は晴れない。

 それはこれまで領主代理との折衝を請け負ってきたブランドストレーム家長老と商業組合役員が失われたため、これに代わってギュルディが領主代理の対応にあたることになったからだ。

 領主代理であるギデオン・メシュヴィツは、中央から地方に放り出されたどうしようもないボンクラ貴族、その見本のような男である。

 その優秀さ故に疎まれ地方へと放逐される貴族もいないではないが、そんな幸運滅多にお目に掛かれない。地方に来る貴族というものは、その大半がギデオンのようなクソの役にも立たぬ害悪でしかない存在である。

 憂鬱そうなギュルディに、涼太は苦笑しながら問う。


「お偉いさんの相手は苦手なのか?」

「得意中の得意だ。だからと好んでいるわけではない。物を作る、人を育てる、販路を広げる、全てやり甲斐のある仕事だ。だが、それが大きな利益を出すのに必要なことだとわかってはいても、他人のご機嫌を取って利益を得るというのは、どうにも惨めな気持ちになるものだ」


 ギュルディの言葉に少し驚く涼太。

 少なくとも涼太の父は、愚痴ることはあってもここまではっきりとした感想を涼太には言ってこなかった。

 父は父でそれでいいとも思うが、こうして率直に言葉を告げてくれるギュルディに対して、涼太は少なからず好意的になってしまう。

 徐々にリネスタードの街から離れがたくなっていってるな、と自嘲する。

 だからこそ、涼太は自らを戒める。必ずしもこの街にとことん付き合わなければならない義理はないと。

 凪と秋穂という尋常ならざる戦力を持ち、涼太とベネディクトの魔術があっても、涼太たちに大きな権力と戦うほどの力はない。少なくとも涼太はそう考えている。

 である以上、これと揉めることになるようならば街を去ることも考えなければならない。その事実を、涼太は決して忘れないようにと自らに言い聞かせるのだった。




 街の近くを千人もの大軍が通るとなれば、街の人間たちも平静ではいられまい。

 街の長は、突如現れたその軍隊、傭兵団ウールブヘジンが宿営している場所へ向かった。

 できるだけ機嫌を損ねないよう丁寧に兵士に声をかけたところ、品の無い何人かが揶揄するような声を上げたが、装備の立派な別の兵士がこれを咎めてくれた。

 粗暴な者がいるのは軍隊ならば当たり前だが、これをきちんと咎められるというのであれば、ある程度は信用できるかもしれないと考えていた街長は傭兵団の団長のもとへと案内された。


「おう、どうも怯えさせちまったみたいだな。悪かったな、こっちにはお前の街をどうこうするつもりはねえ。王の統治下にある街には俺たちは絶対に手を出さないから安心してくれ」

「あ、ありがとうございます」

「それで、ものは相談なんだが、物資の購入を頼んでもいいか? もちろん相場並の金は払うし、備蓄全部寄越せなんて無体は言わねえ。余裕のある分だけでいいんだが、どうだ?」


 傭兵団の団長は、身体は大きいがその顔立ちは何処か品のあるものに見えるし、何より終始友好的な姿勢を崩さずにいてくれるおかげで、街長の緊張は随分と緩和されてくれた。

 物資に関しては、相場並の金を払ってくれるというのであれば利益の出る取引相手であり、街長としても望むところだ。

 傭兵団の補給担当者も物腰柔らかな男で、街長はつつがなく取引を終えることができた。

 一般的な傭兵団と比べても、驚くほどに丁寧な連中だ。

 街長は側近に漏らす。


「傭兵団って話だが、ありゃどっかの正規軍並だぞ」

「王の街には手を出さないって言ってましたね。ってことは王の兵ですか?」

「王配下の傭兵団? そんなもん聞いたこともないぞ。というか連中、あの進路だと国境越えるだろう。まさか隣国に吹っ掛ける気か?」

「まさか、ランドスカープとはもう何十年も平和な取引が続いてるでしょうに」

「そうだよな。となればやっぱ傭兵団らしく、向こうの揉め事に参加するつもりか」

「ランドスカープって国はどうしてあんなにも内輪で揉めるのが好きなんでしょうかね」

「王の差だろ。我らが偉大なる賢王とは比べもんにならんさ」


 あんな国に生まれなくて良かったな、と二人は笑い合う。

 街長は不自然なところのある傭兵団にキナ臭さを感じつつも、その標的や舞台は自分の街でないと確信できたので、それ以上思考を進めることはしなかった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 秋穂の異名が普通なのは、次の戦いで印象が変わるからですかね? どんな異名になるか楽しみですw
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