253.死人兵の軍隊
メシュヴィツ子爵家の屋敷にて、一族の主立った者全てを集めての会合が開かれた。
これも皆に報せが届いたその日の内に集めたのである。あまりに急いだため衣服が乱れている者も数名いるほどだ。
「……以上、だ」
彼らに対しメシュヴィツ子爵は、起こった出来事を包み隠さず全て話した。
一族のギデオンが隣領に盗賊をけしかけ物資を奪ったこと。これを隠してメシュヴィツ家に物資を売り渡したこと。
そしてこれら全てがアクセルソン伯にバレたこと、メシュヴィツ子爵はこの責任を取り、今後の状況次第で首を差し出さねばならないこと。
「色々言いたいこと、聞きたいこともあろう。だが、全ては事実で、既に決したことである。私の亡きあとに関してだが……」
そこから自身が死んだ場合、後継ぎの指名とその体制をどうするかの説明をする。
極めて厳しい状況下であるが、お家断絶だけは何としてでも回避すべし、と厳命する。
「それと、エルランド、フェリックスの両名は、私の名において直ちに処刑を行なう。理由は、そうだな、ギデオンと共謀したとでもすればいい。理由はわかるな」
ギデオンは愚か者であるが、少なくともこのメシュヴィツ家においてはそれ自体さほど大きな問題とも思われていなかった。
責任ある立場にない、今後も大きな責任を負う予定のない貴族子弟としては、アレでも問題はない、とされていたのだ。
だが、ここまでの馬鹿になっていようとは、誰も考えてもいなかった。
名指しされた二名に近しい男が、渋い顔で口を開く。
「処刑はあまりにも……蟄居という形では」
メシュヴィツ子爵はぎろりと彼を睨みつける。
「これまで甘やかしすぎたのだ。以後、子弟への教育は厳格に行なうことを命ずる。二度と、このような愚かなことで一族の命運を損ねるようなことがあってはならん」
エルランド、フェリックス、この二人はギデオンより年下であるが、ギデオンと同様、立場がないものだから好き放題に遊び回っている者たちだ。
似た立場の者は他にもいるが、メシュヴィツ子爵の目から見れば、少なくともそちらは貴族らしい判断能力を持つように見えている。
「繰り返し言う。成人前であれば矯正の余地はあると考えるが、成人してなお貴族としての振る舞いがなしえぬとなれば、そのような者たちは一族の害悪でしかない。一族の馬鹿のせいで死ぬ惨めな当主など、二度と、二度と出してはならんのだ」
領内の状況、アクセルソン伯の立場とメシュヴィツ子爵の立場、これらを考えれば、ギデオンの信じられぬ愚行がアクセルソン伯の逆鱗に触れるのも当然であるし、故にメシュヴィツ子爵の首を要求されるというのも理解はできる。
あまりの出来事に、皆がまだ頭が回っていない内に言うべきこと全てを言い終えたメシュヴィツ子爵は、後継ぎである嫡男に後を任せ、部屋を出る。
これより先は、嫡男が彼らをまとめ一族を率いていかなければならない。メシュヴィツ子爵の強引な命令を如何に遂行するかも嫡男が考えまとめなければならない。
いきなり厳しい仕事を任されることになるが、この先、メシュヴィツ子爵が彼を助けてやることはできないかもしれないのだ。
「……すまん。苦労をかける」
そんな子爵の独り言は嫡男には届かない。子爵が部屋を出て少し経つと、廊下を歩く子爵の耳にも聞こえるほどの大声たちが部屋から聞こえてきた。
指先が震えてきたのを自覚した子爵は、急ぎ足で自室に戻ると、部屋の鍵をかけ誰も入れないようにした後で、その場に崩れ落ちた。
「う、うぐっ、うぐひっ……」
恐ろしさと無念さとでその場で泣き崩れる子爵。
子爵家当主として過ごしてきたこれまでの矜持にすがりどうにか最後のお役目はこなせたが、これ以上は無理だ。
「どうして、どうして私がこのような目に……」
これが、彼にできる精一杯であった。
涼太、凪、秋穂の三人に加え、アクセルソン伯配下の騎士トシュテンとその従者数名。
これが現在の涼太たち一行である。
凪と秋穂の武名に関して、既にトシュテンの配下たちも聞き知っており、間違っても無礼な態度などをとるようなことはない。
面倒がなくていい、と凪も秋穂も思ったが、急に話が通るようになった理由を問うと、騎士トシュテンは答える。
「あれだけ王都で暴れておいて、名が知れぬわけがないでしょう。今ではランドスカープ中で知らぬ者などいないでしょうよ」
教会関係で悪名も多いが、現王ギュルディの力となってきた数多の武勲は称えるに足るものであろうし、やはり皆、強い者の話は大好きなのだ。
しかし、とトシュテンは話を変える。
「本当にギデオンの件はあれだけでよろしかったので?」
涼太は既に、ギデオンの盗賊の件は、少なくとも涼太たちの間においてはこれ以上追及はしない、と決めていた。
管理者責任、使用者責任なんてものもこの世には存在するが、全く知らぬところで考えられぬ馬鹿をやらかした身内の不始末で死ぬというのは、あまりにも惨い、と思ってしまったのである。殺意の有無は、涼太たちにとっては結構重い判断基準なのだ。
「そのメシュヴィツ子爵ってのも別に俺たちからどうこうってつもりはないよ。なあ、禁輸されたところで、こんだけ領地広ければ餓死するようなことはないんだろ、ココ」
「経済活動が縮小すれば割を食って首をくくる商人や、しわ寄せで仕事を失う職人が出ることもありますが、まあ、そのていどです」
そこでちろっと涼太に目を向けるトシュテン。
「経済制裁、まだ、ですよね」
「悪い、その件は一切触れてないから全くわからん。いや、待て、なんか嫌な予感してきた。その話には俺絶対絡まないからな」
ハーニンゲで涼太がちょっとばかし経済活動をしてしまった件は、実はトシュテンには話していない。なのでトシュテンは不思議そうな顔をするのみだ。
『ここでこの領地に味方したらそれはもうギュルディとは完全に反目だ。今回ばっかりはさすがに言い訳できん』
ハーニンゲで色々と動いた結果、ちょっとこの手の仕事に自信がついてしまった涼太である。
そして興味のある分野でもあるので、ついついトシュテンの話を聞いてしまう。
ちなみに、彼ら一行は皆馬に乗って移動している。乗っていないのは凪と秋穂の二人だけだ。
そしてこの二人が馬が駆ける速さで走ってついてくることに、もう誰もつっこまなくなっていた。
「うーん、そろそろもう少し重いのに替えよっか」
「重くする部位考えないと腰悪くしそうなのがねー。でも、これ以上軽い負荷だとトレーニングにならなそうだし」
二人が金属鎧を着て走っていることにも、もう誰もつっこまなくなっていた。
そんな道中、道の先から焦った様子の騎馬が数騎駆けてくるのが見えた。
彼らはとても慌てた様子で道を抜ける。それを見送った後で、また馬がきた。
それを三度繰り返した後で、四度目の馬に乗る者に、トシュテンは見覚えがあった。
「おいっ、私だ、トシュテンだ。ちょっと待ってくれ」
何かが起こった、そう察したトシュテンがその馬を止める。彼はトシュテンの一族の郎党で、海岸沿いの領地に出稼ぎに向かっていた者であった。
「おお! トシュテン様、この道をこれ以上進んではなりません! この先に、海から上陸してきたと思しき敵兵がおりまする!」
え、と咄嗟にトシュテンは涼太の方を見る。もちろん涼太は首を横に振る。
「それが、それが、何としたことか! 敵は全て死人兵なのです! 総勢千人の死人兵ですぞ! 私はこれをただちに報せに行かねばなりませぬ!」
「あ、ああ、わかった。悪かったな引き留めて」
では、と彼は再び走り出した。
涼太が眉根を寄せている。
「いや、死人兵千人ってありえんだろ」
「で、ですよね。となると、死人兵混在の軍ということでしょうか。それにしたところで千もの数が上陸したとは。それほどの船団を用いるとなると……」
やっぱりトシュテンは涼太を見る。
「いやだから俺は知らないって。確かに南の方の領地から船で乗りつけてくるってんならギュルディ王の采配だろうけど……」
涼太の言い方からぴんときたトシュテンだ。
「まさか、アーサが?」
「それもまさかだと思うけどな。さて……」
どうしたものか、といった目で凪と秋穂を見る涼太。
当然二人は共に、まずは行ってみてみよう、という顔をしていた。
「はいはい、けど、トシュテンたちに無茶はさせらんないからな」
はーい、と二人同時にいつもの元気なお返事。何度聞いても全く信用できない返事であった。
ヘル軍団の勇士エインヘリヤルの一人であるオリヴェルは、生前の記憶を持っている。
かつての世において、死人繰りという魔術は極めて重宝されるものであり、熟練者は二十人、三十人といった多数の死体を操っていた。
だが、オリヴェルが死した後、ヘルによる死人繰り(これは絶対に死人繰りの魔術ではないが、ヘルは断固として死人繰りの術だと言い張っている)の魔術により、生前の記憶を残したままでこうして生き返ることができてしまっていた。
実際のところオリヴェルは既に死体らしい。だが、ヘルの魔術により死体でも身体が劣化していかず、生前の全盛期の状態で維持されているらしい。とんでもない魔術だと当時は思ったものだが、今でもやっぱりそう思う。
「損傷はヘル様に頼めばすぐに治してもらえるし、生前よりよっぽど出来ることは多くなっている、か」
死後にこうして戦をするのは初めてだが、こんなに楽な戦はオリヴェルの経験にもない。
何せ味方は全員死人であり、急所に当たろうと絶対に死なないのだ。その前提のもと戦えるのだから、相手の裏をかくのも騙すのもとても簡単に行なえるし、そもそも失敗を全く恐れる必要がない。
そんなオリヴェルたちと戦う敵さんの見せる顔は、戦の最中に戦士が見せていいものではないものばかりだ。
「話が早いのは助かるんだがね」
幾人かを捕らえ話を聞き、必要な書類や情報を集める。
今オリヴェルがいるのは地方都市の官舎だ。
ここの三階にある都市の長の執務室にて書類を漁っているのだが、ふと気になったものが見えたので窓から外に目を向ける。
「あちゃー、こっちは火を使ってないってのにな」
街の各所から火の手が上がってしまっている。
こちらが死人兵だといい加減向こうにも伝わったせいだろう。燃やし尽くしてしまえばさしもの死人兵も動かなくなる。
ただこちらの死人兵は特別だ。何せ術者の視界外であろうと死人を操作することができてしまうのだから。
「あー、ヘル様。死人兵下げさせてください、火を使った馬鹿共がいます」
近くに控えさせている死人兵に向かってそう告げる。返事はない。死人兵はさすがにしゃべれない。
とはいえ、この死人兵を遠隔地から操っているヘルにはオリヴェルの言葉は伝わっているし、恐らくだがオリヴェルが知るより先に街に火が放たれたことも向こうは気付いていよう。
「やっぱりこれ、死人繰りの術じゃねーだろ、絶対」
後ろに控えている死人兵が何やらもぞもぞ動いて抗議の挙動をしているが無視する。
現在、千の死人兵が、術者であるヘルから遠く離れた場所で街を攻めるなんていう活動をしている最中だ。
この段階で既に、並の、というか死人使いの常識から逸脱している。ナグルファル船長ヘルの死人繰りは、同時に五千もの兵を操ることができる。それは、五千人分の操作を同時に、並行して、まるで人間の挙動のように操ることができるということで。
一体ヘルの頭の中がどうなっているのか、オリヴェルには想像すらつかない。
『絶対にアレ、人間じゃねえよ』
この台詞だけは心の内に留めておく。
自身の主でもある方だが、彼女を嫌っているわけではないし傷つけたいと思っているわけでもない。
「よし、これで概ね、王都行きのためのモノは揃ったな」
幾つかの書類を手に取り部屋を出る。
官舎の廊下には、夥しい数の兵士の死体が転がっている。
これら全て、オリヴェルが単身で斬り倒したものだ。
元より才能に溢れた戦士が、死後も同じ立場の熟練者たちと一緒になって鍛えに鍛えぬいてきたのだ。
そこらの雑兵如きが束になろうとオリヴェルには、ヘルの勇士たるエインヘリヤルには、かなうはずもないのである。
「うわあ……」
とても嫌そうな顔でそう漏らしたのは凪だし、秋穂もまた似たような顔をしている。
以前に戦った死人兵は二十人ほどだったが、とにかくめんどうくさい厄介な敵だったのだ。
それがどういうわけか千人、本当に全部死人兵であった。
いや全ての敵兵が死人兵だと確認したわけではないが、死人兵は人間らしい挙動や意思決定を一切しないので、人に非ざる集団であるというのは見ればすぐにそれとわかってしまう。
秋穂が投げやりに言う。
「先に死人使い探そう。これ、全部相手してたらとてもじゃないけど身体がもたない」
死人兵は急所を突こうがバラバラになろうが動きはするのだ。
こちらに攻撃可能な状態ではないようにしてやればそれなりに安心はできるのだが、ただ殺すのと比べてとんでもない手間がかかるのは仕方が無かろう。
街の近くの高台に寄り、そこから街の様子を探っている一行であるが、もちろん涼太は遠目遠耳の術によりもっと詳しく状況を掴んでいる。
『……くそっ、先にやっときゃ良かったが、まあ、せめて作り方だけは聞いておいてよかったよ』
涼太は隣で真っ青な顔をしているトシュテンに言う。
「千もの死人兵とまともにやったらとんでもない被害が出る。ついては、魔術師五人と俺が指定した素材を用意してくれれば、死人兵に効く魔術具を用意できるんだが、どうだ?」
「何?」
「その魔術師五人には魔術具の作り方を教えちまうことになるから、人選はそっちできちんとしてくれよ。代金は、二人分の魔術具を作るための素材をタダで用意してくれることと、今すぐ作成に取り掛かれるよう工房を用意すること。できるか?」
トシュテンは額に皺をよせ考え込む。
そんな彼に涼太は説得のための言葉を重ねる。
「コイツはエルフに教わった魔術だ。悪いがアンタの魔術知識で是非を判断できるようなシロモノじゃないぞ。そしてコイツを平気で公開する理由はだ、今すぐ、俺たちにもこの魔術具が必要だからだよ」
「あの街に何かあるのか?」
「街に、じゃない。そこの二人が、やる気になっちまってるんだよ。俺もな、死人使いって連中は大嫌いなんだ」
死人使いにとって、新たな死体は死人兵の壊れた部位を修復するための部品になる。
つまり、死体は多ければ多いほど良い、それが死人使いである、そんな奴が都市なんていう人口密集地を攻めた理由は明白である。
涼太は凪と秋穂の方を見て言う。
「悪いが、魔術具が出来上がるまではお前ら我慢しててくれよ。死人繰りとは到底思えないあの術といい、そもそも何処の何様だよってことといい、突っ込むにゃわからんことが多すぎる」
小さくを息を吐いて秋穂はすぐに納得してくれた。
しかし凪はじっと街を見つめたまま。
「凪」
「わかってる。狼ほどじゃないだろうけど、死人兵千も相当にヤバイのは私にもわかる。けど、ああ、ホント、腹立つわ」
涼太はトシュテンに顔を向けると、トシュテンも決断したのか頷いた。
「わかった、要求を呑もう」
「んじゃ、手配と同時にどうやってアレをこの領地が迎撃するのかも確認しといてくれ。あー、いや、やっぱいい。そいつを俺たちが知ろうとしたってなると、邪推する奴も出てくるかもしれん」
「邪推というか。協力、してしまってもいいのか、こちらに。まだアレがギュルディ王の配下だという可能性もあるだろうし、そもそもウチに手を貸す義理もなかろう」
「なんだ、そっちは知らなかったのか」
「何をだ」
「俺たちはな、相手が何処の何様だろうと、気に食わないものはぶっ殺すって決めてるんだよ。教会の司教も十聖剣も、ルンダール侯爵も五大魔王も、敵対する理由は色々あったけどつまるところは、連中が気に食わなかったって話なんだよ」
本気か、といった顔で見返されても、涼太にもこれ以上どう言っていいものかよくわからない。
馬鹿げた真似をしていると自身でも思うが、これはこれで殊の外気分はよろしいものだというのはこれまでの経験で涼太にもわかっている。
人生全てをそこに突っ込むほどかと言われると返答に困るが、その辺は因果が逆だ。涼太は凪と秋穂と一緒にいたいからこうなっているのだ。
涼太は手持ちの超高額貨幣を預けることで、トシュテンが周囲の者を納得させるための材料とし、一時この地から離れるのであった。
ナグルファル船長ヘルは、自身が率いる四千の死人兵に対し、死人兵ならではの特殊な行軍を行なっている。
死人兵は食事を必要とせず、当然排泄もない。休養も睡眠もしないので寝床も不要だし、普通の人間ならばストレスで体調を崩しかねないような緊張下にあっても一切影響を受けることはない。
なのでこれをどう活かすかといえば、敢えて人目に付かない山中や林中のような踏破困難な進路を進みながらも、疲れを知らぬ死人兵であるからして、そんな難路もかなりの速度で踏破できる。
つまり、常識では考えられぬ隠密行軍が可能であるのだ。
「前から考えてたのよねーコレ。いいでしょ、上手い手でしょ」
うきうきのヘルは当然、踏破困難な道を自分の足で歩く気はないので死人兵にかついでもらって移動している。
ヘルの勇士、エインヘリヤルの一人が、至極まっとうな意見を述べる。
「いや悪路を抜ける云々はいいんですけどね。そもそも俺たちこの辺の土地は不慣れでしょうに。そんな中、視界の悪い道なき道を抜けていこうってちょっと正気を疑うんですけど」
「ふふん、そこが狙い目よ」
「いや狙い目とかじゃなくて、そもそも方角、わかるんですか?」
「そんなもの、とりあえずオリヴェルのいる方角に向かえばいいんでしょ。私のこの感覚は絶対ハズレないんだから」
「あー、いや、山中でそれやると……」
先頭集団にいた別のエインヘリヤルが、死人兵を通じてヘルに連絡を入れてきた。
『ヘル様ー、こっから先クソ深い崖があって迂回しないと進めません。てか地図も土地鑑も無しで山に突っ込んだらそりゃこーなるに決まってるでしょうに、アホですか? 頭弱い弱い子ちゃんでしゅか?』
「てめー! 良くも抜かしたなコラア! 表に出やがれコンチクショー!」
「いやヘル様の声向こうには聞こえてないでしょ。ま、無茶な道でも死人兵と俺らならどうにかなるでしょうから最終的には辿り着くとは思うんですけどね、想定していた日時に着くのはさすがに無理なんじゃねえかなー」
死人兵の総勢が五千であることが、かなり後になるまでランドスカープ側に伝わらなかったのはこんな話が原因なのであった。
そしてそれは、ヘルたちのあほうな会話はさておき、アクセルソン伯領側にとんでもない不利を押し付けることに繋がっているのだ。
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