235.カテガット奥砦の攻防
アーサ軍の攻城戦準備は、カテガット砦からは見えぬところで行なわれているが、慣れた将ならば陣の構え方や後方の兵の動きを見てどういった準備をしているのかを見抜くこともできる。
この辺の技術に最も長けているのはシェル将軍とオーヴェ将軍だろう。従軍経験の豊富さでこの両名に敵う者はそうはいない。
これに加えシェル将軍は、対アーサ戦線を長く担ってきたこともあり、その動きから敵将を察知することも可能だ。
「うーむ、こーりゃエッベ将軍の仕事だな。トーレ将軍じゃここまで細かくはやれん」
エッベ将軍とトーレ将軍の二人で知恵比べをしたならば十回中九回トーレ将軍が勝つ。だが、兵の掌握や運用といった部分ではエッベ将軍に軍配が上がる。
「誰も経験したことのない大軍を用い、大軍の強みを生かした運用で確実に戦果を挙げるというのならば、アーサで最も優れた将軍かもしれん」
これを聞いている部下たちに緊張感を持たせるため、シェル将軍はここから先の話は口にしなかった。
『だが、ランドスカープ国内に侵入した後にどう動くか。そういった多くの選択肢より最善を選び取る、もしくは自身の働きで最善をすら凌駕する新たな選択肢を作り出す、なんて真似ができるのはトーレ将軍以外にいないだろう。そう考えれば適切な人選とは思えん。とはいえ、大軍でこの砦を攻め落とすというのであればエッベ将軍の方が相応しい。因果なものだ』
アーサの裏をかいて先回りし見事に奇襲を防いでみせたことが、この点に関してのみであれば裏目に出ているという話だ。
その裏目であってもアーサ軍に国内に踏み込まれるよりはずっとマシではあるが。
シェル将軍はちらと中央に目を向ける。
『アーサの奇襲を察知し、侵攻の前にここまでカテガット奥砦を固めることができたのならば、本来であれば勝利は決まったようなものだ。だが、さすがに五万の軍は想定外だったか。第四陣以降は時間がかかると聞いている。それまで砦が持ち堪えられるかどうかだが』
常識的な徴兵や行軍を考えれば、現時点でカテガット奥砦に一万もの軍勢が揃っているのは本来考えられぬ話だ。どうやりくりしても時間が足りない。
しかもカテガット奥砦には、迎撃のための準備がこれでもかという勢いで詰め込まれている。
そして今、自身の配下となっている兵たちのことを考えると、より考えられぬ何かが起こっているという気になる。
何せ集まっている兵は皆、指揮し慣れている自領の兵ではないのだ。それこそ寄せ集めと言ってもいいほど、そこかしこから集められたもので。
だがそういった兵たちをまとめられるよう、各小隊長級はさておき、千人長や将軍といった立場の人間は誰一人連れてきておらず、完全に将と兵を分けてしまっている。
これがなされていない事には、顔も見たことのない兵を率いるなんて真似は難しかろう。
『俺ならできるがね。さて、この誰も知らないよーな新しいやり方で、何処までやれるもんだかねえ、ウチの大将殿は』
オーヴェ将軍は、部下の小隊長たちを集めて認識の統一をはかっていた。
彼らも新兵ではないし、極端に知能が低いわけでもない。なのでオーヴェ将軍が丁寧に状況を説明すれば現状を理解もしてくれる。
その上で、オーヴェ将軍は言うのだ。
「相当に厳しい籠城戦になる。休憩の取り方、見張りの順路と交代時間、資材運搬の担当決め、そういったものを事前に確実に定めておく必要がある」
カテガット領で徴兵された小隊長の一人が言う。
「将軍、その、将軍のお話では、敵軍は急いで移動してきたのですよね。それなのに、攻城戦の用意があるのですか?」
「ない。だから今作っている最中だろう。だがな、相手は四万五千だぞ。人手はそれこそ唸るほどあるのだからな、これで何日も時間が稼げるということはあるまい」
敵の攻め方を見て、敵将の力量を測るつもりであるが、それは向こうも同じことだ。
そして最初からこちらの隙を突かれるようでは、互いの士気に関わる。
オーヴェ将軍が完全に掌握できている兵たちを使うのであれば、敢えて隙を晒して引き寄せてから叩く、なんて真似もしてみたいところだが、さすがにまだ兵の性質も理解せぬ内からそのようなことはできない。
状況説明をしている最中、オーヴェ将軍が集まった小隊長たちの表情を観察していた。
彼らは、いつもの見知った将が相手ではないが指示に従わねばならない絶対的上位者、という目でオーヴェ将軍を見ていた。
そして彼らは、言われたことを理解していなければ、それが生死にかかわることだと理解しているようだった。
『うーむ、案外、やってしまってもいけるかもしれん』
でも危ないのでもう少し様子を見てからにしよう、とちょっと慎重策を採るオーヴェ将軍であった。
エッベ将軍の号令に合わせ、アーサ軍先陣がカテガット奥砦に攻撃を開始した。
兵六人が一隊となり、全員の頭上を隠しきることのできる丸太を組んだ大きな木盾を頭上に掲げながらの突撃だ。
これを見守るエッベ将軍は、先陣が城壁前の木柵にまで損害なく辿り着くのを見て、まずは一息つけた。
『さすがに落とし穴だらけにするほどの時間はなかったか』
最前衛が木柵にまで辿り着くと、城壁上から石弓が放たれ始める。
これは兵たちが頭上に掲げている木盾をすら砕くほどの威力がある。もし一撃で貫通できなくとも矢と違って木盾に損傷を与えることができるので、これを撃ち続けていればいずれ兵にも被害が出よう。
木盾が役に立たなくなったなら、即座に引き上げるよう命令してある。
なので戦は始まったものの兵の損耗はほとんどないままだ。
エッベ将軍の幕僚たちの中でも特に若い者が、隣の年長者に問うている。
「どうして敵は石弓のみで矢を使わないのですか?」
「頭上の木盾がある限り矢では効果が薄い。無駄に矢を消費するのを嫌ったのであろうよ」
「それは矢の貯蔵量に不安があると? 矢が降らぬのであれば木柵を抜けさえすれば一息に踏み込むこともできてしまいますが」
「矢を射ることはせんが、弓隊は準備しているだろう。敵がそれすらできていない間抜けの可能性に賭けたいというのであれば、頑張って将軍を説得してみるんだな」
今この場にいる幕僚は全体の半数ほどだ。
残りは皆、それぞれの場所に散って指揮を行なっている。
この場の幕僚たちも、この会話していた二人以外は、石弓の射撃精度や頻度であったり、城壁上に見える敵兵の数であったり、木柵の強度や組み方であったりをつぶさに観察している。
そしてその随所に見られる工夫の数々に、忌々し気な顔を皆が見せている。
誰よりも先に敵の動きを確認し終えたエッベ将軍は、後方で動いている部隊を頭に浮かべる。
まずは少し遠出して木々を伐採している部隊がいて、これを車輪をつけた台座に載せている部隊がいる。
最初に動いた、この木々がたくさん手に入る場所まで車輪付きの台車で運べるよう道をならした部隊は、そのまま次に木々を入手できる場所に道を作りに動いている。
また木々が運ばれた先では、これらを頭上に掲げる盾であったり、攻城兵器であったりに加工している部隊がいる。
この他にも、周辺哨戒任務についている部隊がいて、輜重部隊もあり、面白いところでは宿営部隊というのもいる。こちらは兵たちの宿営する場所を問題が起こらぬよう整えている部隊だ。食事の準備やら排せつ所やらを適切に整えている。
ここまでの部隊は、前衛で戦っている者たちと比べて、労力だけであるのならより大変な作業を行なっている。
何せ彼らは昼夜問わず、三交代で随時誰かが作業をしている、という形をとっているからだ。
そして前衛部隊は今城を攻撃している者たちで、こちらも複数の部隊があり、攻撃は順次行なわれ、攻撃していない間は休息と装備の点検と攻城に必要な情報の共有などが行なわれている。
つまりエッベ将軍は、四万五千もの大軍を、ほとんど遊ばせることなく戦のために必要な作業に用いているのだ。
アーサ国内ではトーレ将軍に劣る、と常に見られてきたエッベ将軍だが、誰一人経験したことのない五万という大軍を率いていながら、ここまで無駄のない運用ができる男なのだ。
それはともすればトーレ将軍にも勝るエッベ将軍ならではの特性だ。こうした作業の効率化が、アーサ軍がカテガット砦攻略に取り掛かる速さに繋がっている。
そしてその効率化は攻撃にも及ぶ。
無駄に兵力を損ねることなく、かといって砦攻略に手間取ることのないよう、淡々とかつ着実に必要な作業を進めていく。
敵が並の将であったのなら、これほどの素早い攻撃開始に戸惑っていたかもしれない。
ただランドスカープ軍の両翼を守るは、歴戦のオーヴェ将軍とシェル将軍だ。
自分だったらそのぐらいの速さでできる、なんてことを考えていた彼らはエッベ将軍の攻撃に対して、こちらもまた淡々と対応していく。
とはいえシェル将軍もぼやくぐらいはしているが。
「ありゃエッベ将軍、そーとーに調子良いみたいだな。部隊の端から端まで、一本筋の通った綺麗な動きしやがるぜ」
見るからに手強そうな敵軍に、シェル将軍の部下もまたぼやきだす。
「こういう時、クリストフェルの奴がいてくれりゃ頼もしいんですがね。あの馬鹿、なんだって教会なんぞに」
「言うなよ。最期は一騎打ちだって言うじゃねえか。なら野郎も本望だろうさ」
「負けて本望、なんて抜かすような殊勝な奴じゃなかったでしょうに。戦なら負けても逃げりゃいい。だが、一騎打ちじゃ逃げようがねえ。なんだってあんな馬鹿な真似したんだか」
「アイツは兵士じゃなくて剣士になりたかったんだろうよ。そういう、何処か青いところのある奴だったろ」
「頭の良い奴だったんですけどねえ。そういや噂の剣士隊、シェル将軍は見ましたか?」
「見た。ありゃやっべえな、クリストフェルとタメ張るよーなのがいた。鬼哭血戦十番勝負の剣士もいるらしいじゃねえか、ヴェイセル将軍はどっからそういうの拾ってきたんだか」
二人は同時に押し黙る。
両者共、クリストフェルがこの剣士隊にいたのなら、と想像したのだろう。
そして両者が同時に沈黙したことで、同じことを考えたと気付き、どちらからともなく苦笑する。
部下は殊更明るい口調で話題を変える。
「敵さんの動き、えらく機敏ですが、あの調子の軍を相手に、外の騎馬隊が仕事できると思いますか?」
「……エッベ将軍があの四万五千を完全に掌握してるんなら、さすがに突く隙はねえかもな」
カテガット奥砦の外に唯一出ている部隊、フレードリクの騎馬隊は少数の部隊で、時に徒歩で移動しアーサ軍斥候の動きを探る。
だが、常の戦からは考えられぬほどの人員が斥候に充てられている。
そしてその斥候部隊が相互に連絡可能な距離にあり、どちらかに何かが起きたなら即座にそれを相手に報せることができるよう動いている。
そんな斥候隊がそこら中を動き回っており、土地の把握、迂回路の確認、つまり何処から敵軍が出てくるのかを探っているのだ。
フレードリクは眉根に皺を寄せる。
『これが、大軍を相手にするってことか。ここまで徹底して斥候を動かされたらどうにもならん。斥候隊を一つや二つ潰しても戦況に影響は出んし、影響が出るほどの敵陣まではとてもじゃないが踏み込めそうにない』
カテガット奥砦は堅固な城塞だが、本来は四万五千もの兵を押しとどめられるようなものではない。
周辺に斥候なんて出さずとも一気呵成に攻めかかれば落城の可能性も高い。もちろん、そうならないように整えているが、こちらの準備をアーサ軍側に知る術はないはず。
『この斥候たちといい、全く油断していないな。予定の奇襲策が崩れたというのに連中まるで動揺していない。これは随分としんどい戦になりそうだ』
こんな時、以前の上司ならば勇を奮って敵陣を打ち砕け、なんて雑な指示を出してきたものだったが、少なくともヴェイセル将軍指揮下にある内は、絶対にそういったことにはならないと信じられる。
フレードリクは後ろを振り返り部下たちを見る。
騎馬隊なんてやってる人間は大抵は気位の高い者ばかりだ。そんな彼らに対し、無理に戦わず、さりとて距離を離すこともせず敵の動きを調べながら、斥候のように動けと指示しなければならない。
もちろん、敵に発見されるようなドジは論外だ。馬を降りて偵察することもかなりの頻度で行なわれるだろう。
それを、部下たちに納得させねばならない。徹底しなければならない。絶対に指示を守らせなければならない。長く共にあった兵でもないというのに。
そんな面倒で危うい仕事を前に、フレードリクは脳内で一言漏らすのみだ。
『ま、いつものことか』
だから、フレードリクは何時でも何処にあっても、斥候隊として騎馬隊として、結果を残すことができているのである。
城壁前の木柵に数か所突破口を作ることができると、アーサ軍は本格的な攻城戦を開始する。
奇襲にこだわり兵力任せの一気呵成の突撃を選んでいた場合、この木柵は恐るべき威力を発揮していたであろうが、エッベ将軍の選択はあくまで丁寧な処置であった。
だが、ここからの攻撃には勢いがある。
凄まじい速さで用意された攻城用の盾やらはしごやらを駆使しての猛攻は、攻撃初日から城門下にまで辿り着かれるほどのもので。
また城壁下に、木盾を積み重ねた簡易な砦のようなものを作り、そこから矢を射て城壁上への牽制なんて真似までしてくる。
魔術を用い大地を盛り上げ坂を作り、城壁上までの距離を縮めるなんて手であったり、同じく魔術によりはしご代わりの木のつたを伸ばすなんて手も使ってくる。
城壁上からこれらに対抗している兵たちは次から次へと繰り出されてくる攻城手法に驚き戸惑っていたが、都度上官より適切な対処法が指示されるとすぐに動揺を押さえて動き出す。
そして日が暮れだすと、アーサ軍は素直に引き上げていった。
完全に日が暮れ切った直後、即座に攻撃を再開したが。
ランドスカープ側もその手の小細工にやられるようなことはなく、夜襲にも適切に対処し、それはその日の朝まで続いた。
そして朝になっても攻撃は終わらない。
丁寧に丁寧に、しかし休む暇も気を抜く隙も決して与えぬ厳しい攻めをいついつまでも継続する。
そもそもカテガット奥砦は、一度に攻める兵数に限りがある。損耗効率を一切考えないというのであればより以上の数を放り込むこともできるが。
この限りある数を交代制にて運用し、初日から延々攻撃し続けるといった馬鹿げた戦を可能にするのが、四万五千という兵数である。
それもこれも、エッベ将軍による断固たる態度と、優秀な幕僚たちによる兵員運用あってのものだ。
常ならぬ兵数を用いるには、常ならぬ手法が必要となろう。そんな理屈で常識的軍事知識なんてものに目をつぶらせる様は、兵士たちの目には、誰もが考えぬ発想にて戦を優位に進めていくトーレ将軍の姿がかぶって見えたものだ。
幕僚たちもまた確信している。
『老境に至り、未曽有の兵数を手にし、これが最後の花道と覚悟を決めたことで、遂にエッベ将軍はアーサ一の将軍として覚醒を果たされた。この戦、我らの勝ちだ』
参謀ベッティルは、ひっきりなしに要求される物資を過不足なく城壁上へと運ばせている。
城壁は一繋ぎだが、中央部、東部、西部、と三つに防衛拠点は分かれている。ベッティルはこれらの何処にどれだけの量を補給したのか、その全ての数量を記憶している。
そしてこれらを運用しているのは、シェル将軍でありオーヴェ将軍でありエーギル将軍である。将軍としてはエーギルだけが格落ちの観はあれど、その力量をベッティルは一切不安視はしていない、むしろ。
『歴戦云々なんて連中よりよほどエーギルや俺たちの方ができる、なんて思っていたんだがな。将軍として名が売れているというのはこういうことか。シェル将軍もオーヴェ将軍も、いやはや、とんでもない傑物だ』
指示の出し方一つ、敵魔術への対策一つ取っても勉強になる。そしてこれこそがベッティルが最も恐ろしいと思えたことだが、シェル将軍もオーヴェ将軍も、過去の経験知識のみを頼りに物事を判断しているのではない。
常に自身の思考でより適切な対処を考え続けており、それ故にこそ、新たな戦術、新たな兵員にも全く抵抗なく対応できている。
それこそがベッティルやエーギル、フレードリクといった若い将軍たちの強みと考えていたのだが、それらをこなした上で過去の経験知識を活かしてくるのだから、ベッティルの顔が渋くなるのも無理はなかろう。
アーサ側がそうであるように、ランドスカープ側も本来カテガット奥砦防衛で必要とされる兵員数を遥かに超える数を揃えているので、交代し休息を取りながら連続して防衛に当たることもできる。
こんなやり方を、ベッティルの知るこれまでの上役たちに提案したら、顔を真っ赤にして罵倒されるか、凍り付いたような侮蔑の視線を向けられるかのどちらかであったろう。
こんな攻勢はいつまでも続けられるものではないのだから、今を乗り切ることを考えろと言われて。そしていつまでも攻勢が終わらないことに気付いた段になって初めて、交代しながら戦えるようにしろと怒鳴られるのだ。
だが、ヴェイセル将軍からのそんな指示にも、シェル将軍もオーヴェ将軍も即座に対応してきた。
『いやあれは、同じこと考えてた顔だな』
だからこそ、順に交代しながらも防戦が一切破綻する様子なく続いているのだろう。
そしてベッティルには一つ不安がある。
『このアーサ軍の大攻勢。もしかしてこれ、まだアーサ軍に余力があってのものではないのか?』
敵の攻勢圧力は、昼夜で多少の波はあれどほぼ一定に近い。
それはつまり、その時その時にできる限りを尽くしているのではなく、常に一定量であるよう調整してあるということで。
そんな真似は、余力があって初めてできる芸当ではないのかと。
今後こちらの防戦同様、敵の攻勢にも疲労の影が見られないのだとしたら、それはこのベッティルの考えを肯定しているということであろう。
四万五千という未曽有の大軍を用いるからこその通常の軍ではありえぬ連続攻勢に対し、これに対処するために即座に連続防衛の準備を整える自軍。
『ああ、ああ、クソッ、こんな事考えちゃマズイんだろうが。駄目だ、止まらん』
ベッティルの顔には笑みが浮かんでしまっている。
『ボロースみたいな戦う前から既に崩れている敵なんかじゃあない、全力の強敵との、こちらもありったけを振り絞っての戦というものは、こんなにも楽しいものだったのか』
前線から絶対に動こうとしなかったシェル将軍の気持ちが、とてもよく理解できてしまうベッティルであった。




