216.後始末をする人たち
非公式の面会希望が殺到するのは、ハッセ・ロセアンにとって全て予想通りのことである。
面会希望者はほぼ全員が、今すぐ屋敷にきて説明しろ、といった調子であったのだが、同時に幾人もにそうされてもハッセにも対応なぞしようがない。
しれっとした顔で使者に対し、イデオン様に勝手をするなと言われております、と返す。
使者の主たちは、そのイデオンに対し優位に立ち回るためにこそハッセの助言を必要としているのだから、そんな言葉で引き下がるわけがないのだが、そうやって問答をしている間に、今すぐ取り次げと喚き散らすまた別の使者がくるわけだ。
ハッセは、誰が来たとは言わぬままに、たくさんの使者の方から同様の申し出がきている、といった話を振る。そうすると使者の全員、そうただ一人の例外もなく全員が、自分の主人を秘密裏に優先しろ、と主張してきた。
ハッセや使用人たちがそうした使者たちと不毛なやりとりをしている間に、ハッセが待っていた使者がくる。
ハーニンゲにおいて最も権威ある者よりの使者だ。この名を出し、まずはそちらの話が終わってからになります。と告げるとハッセは屋敷を出る。
使者はハーニンゲ領主よりのものであった。
『これは、意識せねば顔に出てしまいそうだな』
あまりに馬鹿馬鹿しいことだ。こうなると何度も言っておき、そうなった時どうするかなんて話もしておいたのに、いざ起こってみれば早く事情を説明しろ、ときた。
それを、ハッセの配下を無惨に殺し、傷つけ、多大な損失を与え、苦しめてきた者たちや、これに加担した者、黙認した者を相手に、彼らのためになるよう説明してやらなければならないのだ。
そしてきっとハッセが事情を説明すれば彼らは、自身の不明を取り繕うためにハッセを怒鳴り詰って誤魔化そうとするだろう。そんなものに付き合わなければならないというのだから、さしものハッセの気も滅入るというものだ。
領主館に馬車で招かれ、待ち時間なしで即座に部屋へ通される。
意識を整え、心を殺し、ハッセは部屋へと入っていった。
領主がハッセに問うたのは、今すぐ何をするべきか、という問いだ。
対応のための時間がない、それを領主も理解しているのだろう。だが、だからとこうしろという最善策を口にできるわけがない。
が、ハッセはそれをわからせるためにこそ、最善策を真っ先に口にした。
「今すぐご領主様の首を差し出し、次代を継ぐ方がこれを持ってアキホの前に赴き、こちらもまた自らの首をかける覚悟で詫びを入れることです。アキホに関してだけであればそれ以外の条件は、恐らくは無用かと」
伊達にランドスカープの事情通をやってるわけではない。ギュルディの側近たちよりの詳細な説明も受けているのだ。
ハッセは即座に現状における最小被害を提示してみせた。
だが、この部屋に集まった領主や他有力貴族、領主一族の誰もが、怒ることすらせず、呆気にとられた顔をしていた。
「……それは、どういう意味だ?」
「アキホは貴族でもなければ兵士でもない、武侠の世界に生きる者です。彼らは命に対し、命でのケジメ以外は決して認めません。そしてアキホにとって、下卑た下心をもってその身を確保せんとする者は、アキホの命を狙う者に等しい扱いとなるのです」
呆気にとられたまま、別の貴族が口を開く。
「それならば、イデオンを殺せば済む話ではないか?」
「イデオン様に、ハーニンゲ国内での権威を認めた者も同罪でしょう。その者がいなければ、イデオン様のアキホへの命令に強制力は伴わなかったわけですから。アレは武侠の者ですが、貴族の理屈や王国の法も理解しております。誰かが何処かで止めていれば、ああはならなかった、と知っているのです」
「法を理解しているのであれば、自身の無法もわかっていよう」
「法を理解することと、それに従うことはまた別の話でしょう。アレはそもそも、ハーニンゲの法に従わなければならないなどと考えておりません。アキホが納得していれば、こちらの要請にも従いますし、我慢をさせることも可能です。ですが、いきなり今日からイデオン様の妾になれ、と言われ、笑って受け入れるような人間では絶対にありえません」
そして、とハッセは続ける。
「法に沿っているからと兵を出せば、アレはその兵たちを当然の権利だとばかりに皆殺しにするでしょう。百や二百では足止めにすらなりえない、千を以てすら歴戦の将軍が勝利を確約できない、とはランドスカープの専門家より聞いた話でございます」
ソコで命を懸けることに全く躊躇がないからこそ、ランドスカープの誰しもがアキホやナギを恐れるのです、とまとめる。
領主が心の底から言いたいことを、領主一族の重鎮が代わりに言ってくれた。
「そ、そんな馬鹿な話があるか! ご、ご領主様の首を寄越せだと!? ハッセ! 貴様はいったい何様のつもりだ!」
「……と、いった形で、到底受け入れられぬであろうことは私にもわかってはおりますが、アレの主張はつまりはそういうことです。その上で、アレの持つ道理を捻じ曲げようというのであれば、その交渉は極めて難しい、数多の妥協を余儀なくされるものである、とご理解いただけますでしょうか。この辺りを理解せぬままいくら交渉を重ねても、絶対に話はまとまりませんぞ」
ふざけるな、たとえランドスカープの王族であろうとここまでの無礼はありえぬ、と威勢よく怒鳴り散らす者多数。
領主一族の一人で、領主の甥っ子でありイデオンとは従弟同士にあたる者がハッセに問う。
「アキホは、もしや、単身で戦をしているつもりなのか?」
「その通りです。そしてアキホにとって、最初に剣を向けたのはこちらであり、こちらが詫びを入れるでもなければ、敵の総大将を討ち取るまでは止まる道理はない、ということです」
彼は領主に向かって、覚悟を決めた発言をする。
「叔父上の近衛を全て出しましょう。これをもってアキホを打倒できれば良し。近衛ですら太刀打ちできぬとあらば、それに見合った交渉をする理由ともなりえます。もちろん、交渉にご嫡男を出すなぞ言語道断。この私がアキホとの交渉には赴きましょう」
ハッセは、彼の発言に驚き目を見張る。
領主の近衛なれば、領主が首を賭ける事態にこれを座視するなぞありえぬ。秋穂が実力で領主の首をとるにせよ、領主が首を差し出さねばならぬ事態になるにせよ、近衛は進退を問われる。ならばこれを真っ先に犠牲にするのは理屈に適った話だ。
そして近衛が全滅でもすれば、アキホ単身で軍と戦えるという話を誰しもが納得するだろう。領主の首を取るという話も現実味を帯びてくる。それを、イデオンの従弟は交渉にてどうにか解決しようという話だ。
領主は近衛に損失が出ることを嫌がったが、威勢の良いことを言っている者たちも、既に報告に挙がっている秋穂の暴れっぷりにかんして恐ろしさを感じてもいたので、他の皆でこの話を推し進め、領主を納得させたのである。
結局のところ、損失を納得させるには相応の数の死体が必要だという話で。
損得勘定としては劣悪極まりないものであるが、判断業務を担う者からすればそれなりに妥当性のある判断でもある。
同時に、単騎で数百の兵を打ち倒す兵というものがどういった存在なのか、本当にそんな生物が存在するものなのか、を実際にその目で確かめる好機ということで、偉いさんたちをこの観戦が叶う観客席に置いて近衛に迎撃させることとなった。
ハッセがイデオンの従弟に密かに提案し、彼の案ということでこの話を通した。
ランドスカープ通の貴族や商人たちは、そんな馬鹿なことをしてる暇があるものか、と憤慨していたが、理解と納得は行動の原点ともなる部分であり、これを疎かにしないことが重要だ、とハッセとイデオンの従弟は考えたのである。
それが正しかったかどうかは、イデオンの従弟にとってすら、判断に迷う部分であった。
「お、おげええええええ」
「なんだこれは、この世の終わりか」
「神よ、神よ、お助けください」
「が、ガルムだっ! 誰かっ! 早くアレを殺せええええ!」
「わははははは、首だぞあれ、首がぽーんって、ぽーんってわはははははは」
「……誰だ、こいつよんだ(略」
観客席も阿鼻叫喚であった。
彼らはみなハーニンゲを背負う重鎮であり、ハーニンゲという盤面における有力なプレイヤーたちであったが、半数以上が前後不覚に陥っている。
幸い、領主含む数名の最高責任者たちはそんなことにはなっていなかったが、それとてその重責故という部分も大きい。
近衛が半減し、観客席に秋穂が目を付け突っ込んでくるなんてことになる前に、護衛の兵たちが彼らを連れてこの場を去ったが、彼らの全身が恐怖に震えているのも無理からぬことであろう。
イデオンの従弟が、彼もまた秋穂の虐殺に顔色を失いながらハッセに問う。
「この後の会合、何人が出られると思う?」
「領主様含む、絶対に欠席できぬ四人以外は誰も出てこないかと」
「……泣き言は、言わぬっ。だが、会合の後、ほんの少しでいい、休息の時間をとれないものか」
「ご自身の秘書に言ってください。下手に休むより、そのまんま動き続ける方が楽にはなりますよ。人間、どんな地獄にも慣れるものですから」
「信じるぞ、絶対にこの後楽になるって信じるからな、嘘つくなよ、頼むぞ、今の私にはそれだけが頼りなんだからなっ」
結果報告の中で、散々に打ち減らされた近衛が秋穂から逃げ出したとあったが、これを責める者は、少なくとも観客席にいた者の中には一人もいなかった。
「前列! 槍構え!」
領主館へと続く主道に陣取り、雄々しく隊列を組む兵士たち。
近衛がビビって逃げ散った後に布陣したわけであるからして、兵士たちの動揺もヒドイものだ。それは指揮をしている小隊長が一番よくわかっている。
というか眼前に、無数の近衛の死体が、それも到底人間がそうしたとは思えない惨状のソレが転がっているのだから、兵士どころか小隊長だって心底からビビっている。
同時に、恐怖との向き合い方を学んでいるのもこの小隊長である。
怒鳴り、叫び、事細かに指示を出し、何をすべきか、何を考えるべきかを全て兵士たちに教えてやる。
それらは全て難しいことではない。やればいいだけだ。それだけで、小隊長の指示をこなしたことになるし、それを積み重ねることが勝利に至る道であると散々教わってきたのが兵士たちである。
だからこそ、兵士たちは恐ろしいながらも槍を突き出し、構えをとることができているのだ。
『来たら、死ぬ。全員が一人残らずぶっ殺される』
小隊長は、だからこそ単身で前に出る。
「黒髪のアキホ! こちらは領都警備隊だ! ヌールマン邸、そして近衛との武力衝突に関し! そちら側よりの主張をハーニンゲ領は把握していない! 如何なる所以あっての所業か! 道理あらばそちらの要求を聞こう!」
たった今、数十人をぶっ殺し、返り血塗れでかつ、頭に血の上った臨戦状態の秋穂である。
殺し合いの最中に何を抜かしてんだこの馬鹿は、といった視線を向けられ、小隊長は地平線の彼方にまで引けてしまった腰を無理やり引っ張り戻し、言葉を続ける。
「イデオン様と確執があったとも聞いている。とはいえ、ランドスカープよりの客人であるそちらの言もこちらには聞く用意がある。現状、こちらはお前が何を望んでイデオン様を引きずりまわしているのかすら理解していない。まずは、でいい。対話が成立するための前提を、こちらに提示してはもらえまいか」
小隊長に与えられている任務は、ありったけの兵を集めて秋穂を足止めせよ、である。
『全身全霊で、最も時間を稼げる形での足止めしてんだ。文句言われる筋合いはねーっての』
秋穂は、死体の下に転がっている血塗れのイデオンを引きずり出して言った。
「コレを私にけしかけたのここの領主らしいし、殺すね」
小隊長は、膝ががくがく震えているのを、どうか見えないでくれと祈りながら言葉を返す。
「そちらの希望はそれだけか? イデオン様はどうする? それがどのような主張であれ、そちらの全ての要望を俺はそのまま上に報告するぞ」
「……ふーん」
「そしてもしよければ、何があったのかをここで話していかないか? 立場上、命令があればお前相手ですらぶっ殺しにかからにゃならんのが兵士って仕事だ。だがな、国を守るでもなく、民を守るでもなく、馬鹿の下半身の後始末で無駄に死ぬなんざまっぴらごめんだ。本当にそこのイデオン様がそんな馬鹿なことをやらかしたのか、アンタの口から聞きたいんだよ」
小隊長の言葉は、時間稼ぎである。だが同時に、彼の心の声そのまんまでもある。
現代でいうところの軍隊と違って、厳格な軍規なんてものがないからこそ、知能の高い者によるこういった抗命もないわけではない。
剣を抜かず、槍も持たず、真っ青な顔になりながらも必死に言葉をつむぐ小隊長。
兵士たちは誰一人言葉を発しない。ただただじっと小隊長を見つめるのみ。
中にはベロニウス流の話を聞いて剣術に憧れを抱き、大いに盛り上がっていた者もいる。だが、誰一人、先のような馬鹿はやらない。
しんと静まり返った主道にて、秋穂は足を止め、話を聞かせてやることにした。
ああ、と一つ、秋穂は気付いたことがある。
『強ければ、こんなリスクも負えるようになるって話だね。その時その時の気分で物事を決めたかったら、人を見てやり方を変えたいと思ったら、そうしちゃってもどうにかできるぐらい、強くなれって話かー』
両足をへし折られ、死体の山に埋もれていたせいで、もうまともに物を考えられなくなっているイデオンは、秋穂の主張にも一切文句をつけようとはしなかった。
そして話を聞けば小隊長のみならず、他の兵士たちも皆が怒り顔を見せるようになる。
秋穂への横暴に対し義憤に震えた、という話ではなく、そんな馬鹿げた話で自分たちが死ぬかもしれなかったということに腹を立てたのである。
近衛に対し、兵士は多少なりと気に食わないと思う部分もあったのだが、こんな理由で矢面に立たされ死んでいった彼らに、同情するというのもあった。
秋穂の話を聞いていると、小隊長のもとに先触れがきた。
どうやらお偉いさんも動いてくれたようで、対ランドスカープの専門家と、交渉権限を持った領主一族がきてくれるとのこと。
小隊長は、身体中から力が抜けていくのがわかった。
『どうにか、なってくれたか。ははっ、どうですか師匠。あまり覚えの良い弟子ではありませんでしたが、教えの通り踏ん張ってみました。これで俺も、少しぐらいはベロニウス流を名乗ってもいいですよね』
「あの、さあ。多分これ、私文句言っていい展開だと思うんだ」
不機嫌顔の秋穂に対し、やらかした顔の交渉担当であるところのイデオンの従弟。
停戦交渉のために用意された宿の一室にて、イデオンの従弟の隣には、もう一人の交渉担当であるハッセ・ロセアンが座っていた。
「そもそも、私の味方のハッセさんに仕掛けて、敵側に引きずり込んだのが始まりだよね。な、の、に、領主側の交渉担当として、そのハッセさんを引っ張ってくるっていうのは、いったい、どういう、了見なのかなっ」
秋穂と交渉をするにあたって、有益な助言ができる存在などハーニンゲにはほとんどいない。その上で、秋穂と直接交渉する度胸のある者なぞ、もう完全にハッセ以外にありえない。
そして領主側全員が、今秋穂が指摘した部分に関して失念していたのだ。いや、領主側の全員が、これはハーニンゲ存続の危機であり、その状況下においてハッセが領主たちに協力しないとは誰も考えていなかったのである。
イデオンもそうだったが、それが真にハーニンゲのためになるというのであれば、ハッセは必ずやその案に協力してくれる、とハーニンゲの主要プレイヤー全員が考えていた。
特に、自身もまたそうである、事あらばお国のために一肌脱ごうと考えている人間であればあるほどに、ハッセもまた同じことを考える人間だと信じていたし、それは紛れもない事実であった。
嬉しさと、やるせなさを抱えながらハッセが発言する。
「私のために怒ってくれるのですね。ありがとう、アキホ。ですが、私たち商人の仕事というものは、程度の差はあれいつだってこういうものなんですよ」
そんな言葉一つでさらっと現状を受け入れるハッセに、秋穂は言葉を失ってしまう。
それをハッセが計算してやっているかどうかなんてことも、秋穂はどうでもよくなってしまった。
どうでもよくなって、ふと疑問に思ったことがあり、秋穂はこれを口にする。
「ねえ、あのイデオンっての。そっちに返したらどうなる?」
これはハッセではなくイデオンの従弟の方に向かっての言葉だ。
従弟は僅かな驚きと、隠しきれない嫌悪の顔とを見せながら答える。
「抵抗する者はいましょうが、許されることはないかと」
「あっそ、じゃあ返す。他に何か聞きたいこととか、ある?」
返すからきちんと殺しておけよ、という意味だと従弟は受け取った。
法的に正しい云々ではない。誰が原因でこの事件が起こったのか、という話であり、立場的な責任云々ではなく、多数の死者を出すような真似をやらかした責任をとれ、という話である。
「では、その、一つ確認したいことがありまして。イデオンの屋敷で、剣にアーサの紋が入った男を斬った記憶はありますか?」
怪訝そうな顔になる秋穂。アーサの紋入りの剣を身につけられる者は限られている。秋穂の知る限り、今のハーニンゲでそんな人間はただ一人のみ。
それもイデオンの屋敷に滞在しているとも聞いている。
「斬った相手の剣に紋があるかどうかなんて見てないよ。え? けど、ソレってそういうことだよね? え? あの中にいたの? だって私、かかってきた人しか斬ってないよ」
従弟はとても言い難そうにしていた。
「中庭に遺体がありました。今更、貴女が虚言を弄するとは思っておりません。……あの方は、とても軽率なことでも知られていまして……」
やあやあ我こそは、なんて声をあげ秋穂の前で剣を抜いた、イデオンの屋敷で厄介になっていたアーサの若き王族は、秋穂にソレと知られる前に即座に斬り殺されていた。
襲撃者と聞いて、避難を勧める使用人の声に応えたフリをして、混乱する最中に我が剣の見せどころよ、なんてことを考えながら突っ込んだのである。
その後、行方がわからぬと慌てて探した使用人たちが、中庭にて遺体で転がっているのを発見した、という話である。
うわあ、といった顔の秋穂であったが、少し考えたあとで、また思いつくままを口にする。
「アーサとの揉め事なんて私としては今更って気がしないでもないけど、そっちはそうはいかないんじゃない」
「……ええ、それはもう、大変な問題ですとも……」
ハッセやヴィクトルや料理人といったハーニンゲの人間を秋穂はとても好ましい人物だと思っていたし、武断の気質のない穏やかなお国柄も良いものだと思っていたが、それでも追いつかぬぐらい、このハーニンゲという国はヒドイところだ、と思えてしまう秋穂であった。




