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誰だ、こいつら喚んだ馬鹿は  作者: 赤木一広(和)
第九章 神様との付き合い方
136/272

136.村襲撃


 楠木涼太が街を調べる時、街中に入り込むことにリスクがあると感じた場合は街の近くの林の中に隠れ潜む。

 持参した林の中で保護色になるテントと、テントを固定する杭。魔術で生成したものなため、そこそこ高価な虫よけ草。食事は保存の利くもので、水のみ現地調達である。

 それなりに塩味が利いていることと、満腹感があること、この二つが涼太が最低限食事に求めることだ。

 現代人の感覚からは到底受け入れられぬサバイバルな生活も、食事に関してだけは涼太は容易くこれを受け入れている。

 残る凪と秋穂は、涼太よりもヒドイ。両者共、食事に求めるものは栄養補給のみであり、味が良ければ良いに越したことはないが、とりあえず腹を壊さないのであれば文句も言わずさっさと食べてしまう。

 マズイ飯を我慢して食うよりも、毎日行なっている鍛錬の方がよっぽどきつく苦しいのであるからして、マズイならマズイで我慢して食えばいい、と安易に味に妥協してしまえるのだ。

 涼太もそうだが、食事はそれ自体が目的にはならず、仕事であったり、鍛錬であったりの合間にどうしてもそうしなければならないから、仕方なく食べるものであるのだ。

 それを不幸だと断じ改善を勧める者もいない三人のみの生活は、この食事に味を求めぬ生活をより悲惨なものへと進化させていく。


『うーむ。保存食尽きたら当たり前に昆虫食に手を出しちゃいそーなのは、さすがにマズイかもしれんなぁ』


 一応自覚のある涼太は、よほど困窮した場合でもなければそんなことにならないようきちんと準備を整えることにした。

 うっかりで野生に還っちゃったりしないよう、気を付けるのも涼太の仕事なのである。


『おっそろしく攻撃的な外来種だが、勝手に繁殖して増えていかないのがせめてもの救いだよな』


 無二の親友たちに対する評価ではなかろうが、涼太はこの表現が実に適切に状況を表してると自画自賛するのである。

 そんな馬鹿なことを考えている涼太の耳に、かさりと木々の揺れる音が聞こえた。


「りょーたー」


 聞こえた次の瞬間にはもう、人の気配が涼太の眼前にあった。


「おう」


 そんな登場にも驚かぬのは、コイツらの気配を察知できるほど自分の感覚が優れていないとよくよく理解しているせいだ。

 今日は凪だけでなく、秋穂も同時に報告に来る手筈である。戦闘前の最終打ち合わせだ。


「ん? 秋穂は?」

「ほら、少し離れたところに目標の村あるでしょ。あそこ一度見ておきたいって」


 なら先に凪との打ち合わせを終わらせよう、と今後の作戦を話し始める。

 涼太たちの目標は、スンドボーンの教会専属売春活動を縮小させることである。

 とはいえ需要あっての供給であり、集まっている女たちもそれなりの納得と満足がある。

 目的を達成するために必要だから、という理由だけで娼婦を皆殺しにする気にはなれない一行であるからして、目標もそこまで高いものを掲げることはできない。

 せいぜいが、管理が混乱し教会関係者の受け入れ可能人数が著しく低下する、もしくは提供サービスの質が大きく劣化する、ていどであろうか。

 大目標は教会権威の否定であるのだから、これでも十分な成果ではあるが。

 スンドボーンにおいて、涼太が潰しておくべき、と判断したものはスンドボーン大修道院の中に住んでいる修道院長クレーメンスの一族郎党と、モンス率いる非合法暴力集団である。

 前者は修道院の管理運営と営業を、後者は娼婦の仕入れと監督を行なっており、この双方が欠けてしまえば、スンドボーン大娼館はまともに機能しなくなる。

 特にクレーメンスの一族郎党は、スンドボーン大修道院という特異な空間の運営に特化しており代替が利かぬ。

 このシステムが破綻してしまうことは、教会にとってとてつもなく大きな痛手となろう。


『コイツが破綻したことで痛手を負う教会関係者に、同情する気も起きんしな』


 涼太は凪と細かな打ち合わせをする。

 クレーメンス一族は既に全員の顔を凪が把握している。郎党も主要な人物は頭に入っている。

 またこの一族郎党はスンドボーンが軍を発する時の中隊小隊指揮官になる者たちでもあり、これらを殺しておけばスンドボーンより発する軍もまともに機能しなくなる。

 下働きのおばちゃんたちから色々と細かく教わった凪がこちらを担当する。

 そして秋穂の担当はモンス一党だ。

 こちらはスンドボーンから徒歩で行ける距離にある村に住んでいる。

 この村では生産的な活動はほとんど行われていない。男衆はスンドボーンで強面を用いて娼婦たちを管理したり、外に娼婦の仕入れに出掛けたりしている。

 村というよりは、盗賊の根城とでもいうほうがより雰囲気は近い。

 こちらに乗り込み、モンス配下の荒事担当を皆殺しにするのが秋穂の仕事である。

 戦闘員はモンスたちの村の方が多く、より多く確実な戦闘が見込まれているのはこちらだが、大修道院にはスンドボーンの街から街の人間が駆けつけてくる可能性が高い。

 街の人間とはいえ、駆けつけてくるのは徴兵に応じるような者たちであり、つまるところは兵士である。立ち回りを失敗すればこれらへの対処も必要となる凪の方がより厳しい戦場となるだろう。

 少しすると秋穂もこの場に来て、三人での打ち合わせを行なう。

 涼太は、こうして作戦を立てるたび、胸の内がひりつくような嫌な気分を味わっている。


『今回はミーメみたいな化け物の情報はない。腕の立つ戦士の話はあるが、事前情報を聞く限りにおいては凪や秋穂を討ち取れるような戦士の話はない。だけど……』


 一つ間違えば、たった一度のうっかりで、凪も秋穂もあっさりと死ぬ。剣が急所に当たったら死ぬのだから、殺し合いの場に出向けば当然そのリスクはいつだって存在するだろう。

 そんな場所に、さあ行け、なんて送り出すのだから、今回は雑魚ばかりだし余裕だな、なんて話をする気にはなれない。

 殺されるリスクを受け入れてでも、敵を殺すことを考えるのが涼太たちなのだ。

 もう何度もそうしてきたのだが、一向に慣れる気配はない。


『あー、胃がむかむかする』


 それでも、やるのだ。






 モンスは、夜になってようやく集まった面々を前に、大きく声を張り上げた。


「よーしお前ら。明日から順次出発するからな。問題ありそうなら今日のうちに言っておけよ。それと、当分女抜きの生活になるからってあんまり無茶するんじゃねえぞ。村の女の数は決まってんだからな」


 うーい、と返事をする強面たち。モンスが解散を命じると、彼らはそれぞれの家へと散っていく。

 ここはモンス配下の村であり、彼らの妻子が住んでいる。

 ただ、通常の妻子とはあり方が異なる。ここに招かれた女性はその大半が、スンドボーン修道院にて仕事に就くことが困難な者であるからだ。

 その困難さは凪や秋穂の顔の傷といった理由とはまた別で、表に出すわけにもいかない女性、といった理由である。

 娼婦として仕入れてみたはいいが、いざ買い取ってみたら公に顔を出させるわけにはいかない、娼館の客を通じこの女性がここにいることが知られたらとんでもないことになる、そういう理由で店に出せない女性を、モンス配下に褒美として与えたというものだ。

 見合いみたいなもの、と言い張ることも辛うじてできなくもないが、モンス配下の男性諸氏が、人権意識の希薄なこの時代においてすら目を覆わんほどの粗雑な扱いを女性と生まれた子供にしているのを見れば、やはりこれは妻子というよりは犯罪被害者とでも形容した方がより相応しいものであろう。

 そういった最悪の始まりから、仲睦まじい夫婦関係を築いている者も皆無ではないがやはりそれは稀有なもので。

 かつてこの世界にきたばかりの時に見た胸糞の悪くなる光景と同じように、今度は秋穂が襲撃者となって村に襲い掛かることに思うところがないとは言わないが、胸の内に一切の曇りはない。


「さあて、行こっか」


 コイツらの性質はわかっている。秋穂は綺麗に傷の治った顔を晒したままで、腰に二本の剣を差し、堂々と街道を通って村の正面入り口へと。

 村は簡易な木の柵で覆われている。また村の入り口には見張り台が立っていて、この村を見た時感じる盗賊の根城感はこの辺りにも理由があろう。

 時間は夜で、灯りといえば空の星と半分ほどに欠けた月、そして見張り台の篝火ぐらいだ。

 秋穂が見張り台の下に辿り着くと、見張り台から子供が一人降りてきた。


「アンタ、こんな時間に何の用だよ」


 今日の見張り当番の男は、自身の息子にその役目を押し付けて自分は家でハッスル真っ最中である。

 秋穂は彼に見えるように剣を抜き、これを凪がよくそうするように肩に乗せる。


「ぶっころしにきたんだよー。ほら、こんな感じで」


 そう言いながら、秋穂的にはわかりやすくゆっくりと、子供からすれば殺意に満ちた速さで、剣を振り下ろした。

 子供の眼前を剣が通り過ぎる。視界の悪い夜ということもあり、秋穂の外見的要素よりも、その言動にこそ子供は注目しており、いきなり抜剣して斬り掛かってくるという行為に、驚き、怯え、しりもちをついた。


「ひっ!」


 そのまま秋穂に背を向け、はいずりながら秋穂から離れた後、なんとか立ち上がって村の中へと駆けこんでいった。


「て、敵だあああああ! 殺される! 誰か! 誰かああああああ!」


 まだ宵の口であったためか、村の入り口近くの家の男がすぐに出てきた。酒もそれほど入っていない、普段着を着たままの男は秋穂が剣を持っているのを見て、すぐに家の中に駆け込み自身の剣を手に取り飛び出してきた。


「てめえ何者だ!」


 夜間であるが入口の篝火のおかげで秋穂の姿、その輪郭は見える。

 女であるというのも見てとれたが、剣を握ったままで村に入ってきた者に対し、男は殺意に満ちた声で怒鳴りつける。

 また逃げている子供に他の連中を呼ぶよう言う。

 元より他者より恨みを買っている自覚はあるのだから、いつ、何処で、誰が敵になっても不思議はないこともわかっている。

 だから彼らは敵意に敏感なのである。


「殴り込みだってんなら名乗れ! 名無し野郎のままで死ぬか!?」


 秋穂が足を止めず歩いていると、月明かりの差し込む角度が変わり、男の目にも秋穂の天上の美を思わせる容貌が見えてくる。

 そして、闇を尚暗くしたかのような漆黒の髪色は、時折月の光を照り返し鈍く輝きを放っている。

 男の怒鳴り声を聞きつけ、幾人かが家から飛び出してきた。

 秋穂は、数人が飛び出したのを見た後で、最初の男の傍へとゆっくりと歩み寄っていく。男、大声で怒鳴りながら剣を構える。


「近づくんじゃねえええええ!」

「だめー」


 秋穂の踏み込みに対し、男の構える剣が揺れる。が、その揺れをすり抜け秋穂の剣が男の胸板を正面から斜めに斬り裂いた。

 開戦の合図は、誰にとってもわかりやすく、である。そしてできうるならば、絶対に取り返しのつかない一撃が望ましい。

 敵にとって、というよりは秋穂にとっての儀式のようなものだ。敵は全て殺す、殺し合い以外に解決策はありえない、と示して見せる最初の一撃。

 男が斬り殺されたのを見て、村の男たちが六人、怒声を上げながら秋穂に向かって駆け込んでくる。

 そんな彼らに向かって秋穂は告げた。


「黒髪の秋穂、見参」






 ベッドの上の女を突き飛ばし、男はベッド脇に立てかけてあった斧を手に取る。

 それだけで、なんでもできる気がしてくる。長年の相棒は、今ベッドの上で怯え震えているような役立たずとは大違いだ。

 斧男は辛うじて下の急所を隠すていどの下着が一枚のみ。靴すら履かぬまま家を出る。

 身体つきのたくましさはには自信がある。斧男は下着一枚の姿にも逆にこれを誇示するかのように胸をそびやかし歩く。


「何事だ!」


 斧男の大声に、前線と思しき方角から返事が聞こえた。


「遅ぇぞ! コイツクソ手強っ……」


 言葉が途中で切れた。

 敵襲だというのなら、本来聞こえてくるべき音がない。剣を打ちあう、武器をぶつけあう剣戟の音が全く聞こえてこない。

 斧男、飛び道具を警戒する。

 死人は既に出ているはずだ。声のした方より血臭が漂ってきている。つまり、傷口から大きく出血するような死に方をした者がそちらにいる。それは矢ではありえぬだろう。

 先の、剣戟の音がしない理由と矛盾する。

 斧男が敵に向かって進むと、少しずつ状況が見えてくる。

 敵は少数で、これを村の男たちが取り囲もうとしている。だが、できていない。

 おそろしく速い。

 斧男を認めるなり、村の男の一人が声を張り上げた。


「アキホだ! 黒髪のアキホが出やがった! 敵はアキホ一人だけだ! ちくしょう! コイツ洒落になんねえ!」


 村の他の男がそうであるように、斧男もまたアキホの名を聞いても怯えを見せることはない。逆に、喜び勇んで走り出した。


「ははっ! はははははあ! 聞いたことあるぞその名前! よくぞ来た! 歓迎するぜええええええええ!」


 斧男は筋骨隆々とした大男だ。その手にした斧も重量を頼りに受けを許さぬほどの威力を持つ武器で。

 しかし、それでも斧男は速かった。

 斧男の斧が空を切る。

 しかし秋穂もまた即座の反撃はない。逆に空振った斧男の切り返しの方が速い。

 こちらもかわしながら秋穂の剣が斧男へと伸びる。斧男も後ろに伸びあがりながらこれをかわし、そのまま後ろ足を下げて後退する。


『なある、ほど。剣戟の音がしねえのも道理だ。そりゃコイツが相手じゃ受けさせることも簡単じゃあねえか』


 斧男の周囲には、既に死体が十も転がっている。

 だがそれは、怒りも怯えも生みはしない。ただただ、全身から噴き出すような闘志があるのみ。

 斧男の一閃は、剣で急所をかすめればいい、なんて動きではない。秋穂の体軸を崩すことを目的としたもので、受けるができぬ以上大きく避けるしかない、といった一撃である。

 そう、斧を当てるではなく、受けられぬ斧を避けさせ体勢を崩すことを目的とするのだ。

 斧の重量に振り回されているように見えながらも、その実、完璧にその軌道は制御されており、身体のキレの鋭さは瞠目に値する。

 秋穂の剣が、斧男に集中する。

 すると、他の男たちはここぞとばかりに秋穂の背後、側面に回り込み、斧男の一撃の隙間を埋めるように攻撃を挟んでくる。

 秋穂は死角の敵の動きも見失わぬよう細かく移動を続けながら、敵の動きを推測する。


『連携、じゃ、ない。ああ、うん、斧の人、めっちゃ怒ってるし。コレ、私を仕留める手柄争いしてるんだ』


 秋穂は剣を斧男に向けるのを止める。

 斧男の攻撃は剣を向け牽制することなしに、体捌きのみで全てをかわす構えだ。

 代わりに、もう一本の剣を抜き、二剣に構える。

 秋穂が狙うは斧男ではなく、隙間を縫って剣を伸ばしてくる他の男たちである。

 一人、二人と斬ったところで秋穂の意図は斧男に伝わる。怒りの顔が更に真っ赤に染まっていく。

 下着一枚、ほぼすっぱだかに斧一つ持って死地に突っ込んでくるクソ度胸の持ち主だ。なめられて黙っていられる男では絶対になかろう。

 怒りで斧男の速度が上がるのは、出し惜しみをやめたせいか、もしくは切り札を怒りで切ってしまったためか。

 半歩、予定の場所からズレた場所に秋穂の足がついた。それだけのことではあるが、秋穂の強い体勢を支えるには僅かに足りぬ。そんな足幅になる。


「死ねえええええ!」


 避けきれず、受けるしかない一撃が兜割に頭上から秋穂を襲う。

 だが、まあ、当然。秋穂もまた最速を出していたわけでもなく。

 当たる、と確信した一撃が空を切れば、反動を押さえる動きもしていない斧男は体勢を崩す。斧が大地に突き立って、そこに秋穂の足が乗る。


「残念」


 秋穂はこの斧男の隙に対し、片方の剣を捨て両手持ちに握った剣で真下から掬い上げるような強烈な一閃を見舞う。それは、斧男のみを狙った一撃に非ず。


「殺ったあああああああ!」


 かがみこんだ斧男の背を飛び越え、大上段に剣を振り上げた男が突っ込んできていた。

 振り下ろす一閃と、秋穂が振り上げる一閃が交錯する。

 斧男の頭部上半分が真っ二つに割れ、飛び込んだ男の片腕と胸が下から斬り飛ばされる。

 攻め時を逃さないのは、一流の証である。

 この時、三人目が秋穂の背後に迫っていた。

 秋穂、振り返る。剣は振り上げてしまっているし、もう一本は捨てた後だ。

 剣は間に合わない。だが、腕だけならば辛うじて。

 振り上げた剣から手を離すと剣はそのまま上空へと飛んでいき、背後の男の右短剣を手首を叩いて防ぎ、左短剣は脇の下を通し、腕で押さえ込む。

 そのまま、秋穂の頭が背後の男の顎に当てられ、そして震脚と共に男の頭部が真上へはじけ飛ぶ。首は常のそれの三倍ほどに伸び、そのまま外れた頭部がだらんと男の背後に垂れ下がる。

 空から降ってきた剣を手に掴みながら、ちょっと自分の頭をなでる。


『し、失敗したかも』


 咄嗟にやったことだが、自分もかなり痛かったようで。

 この三人、三人共この集団の中ではかなりの腕利きであったのだろう。だが、それらを全て瞬く間に仕留めたというのに、村の男たちの戦意は一向に衰える様子はない。

 この村、モンスという男が率いる非合法武力集団であるが、どうやら前評判通りの大した連中であるようだ。

 武侠の価値観を強く持つからこそ、決して怖じず引かず。それは他の無法者たちをすら恐れさせるものだ。

 武術の鍛錬も行なっているのだろう。また、勇気の示し方も知っている男たちだ。


『だから、殺す』


 彼らが持つこの恐れ知らずの勇気が、暴力に抗する力のない者たちを脅し、蹂躙していくのだろう。

 他者が傷つくことに無頓着で、だからこそ、他人を傷つけることに全く抵抗がない。それもまた勇気であると錯覚している度し難い外道たち。

 確かに勇気はある。そんな外道だからこそ、今、ここで、そうできる力のある秋穂が、コイツらを止めなければならない。


『絶対に、誰一人残さず、殺し尽くす』


 とはいえ、女子供まで殺す気にはなれない秋穂は、粋がった子供が調子に乗って飛び出してくるようなことがないことに、密かに安堵しているのだった。




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― 新着の感想 ―
[一言] いつから野生に還ってないと錯覚していた?
[良い点] ご飯・・・ 産業革命時代の効率化された労働者階級英国人かな?
[良い点] やはり暴力…暴力は全てを解決する… [一言] どんどん強くなっていってるはずなのに 一流3人とはいえ名前のないぽっと出の新しい敵に一瞬とはいえピンチになると 今まで倒した強敵達が後半の雑魚…
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