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誰だ、こいつら喚んだ馬鹿は  作者: 赤木一広(和)
第九章 神様との付き合い方
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132.果てまで道を歩きぬいた者


 メルケルの焦燥を他所に、凪と秋穂の二人は順調に敵兵を減らしていく。

 聖堂騎士は、特に優れた剣士である一人を除き既に皆死んでいる。

 今は従者である兵が秋穂と対峙し、必死に時間稼ぎを行なっているところだ。

 入口には凪が陣取っていて、外からの応援をここで次々と仕留めている。

 六人ほど仕留めたところで入口の半ばが死体で埋まってしまったので、外の兵士たちはこれを引っ張り出してまた突撃、を繰り返している。

 ここが、リネスタードの隣町であるというのが良くなかったのだろう。

 凪と秋穂の噂は耳にしていても、実際にその目にした者がこの街の住人にはほとんどいなかったのだ。

 なので多数の兵で一斉に襲い掛かればそれだけで十分仕留められると錯覚してしまった。

 また司教様をお救いする、という宗教的情熱も影響していよう。掲げたお題目があまりに立派すぎて、引っ込みがつかなくなったとも言う。

 敵兵は凪がうんざりするほど何度も何度も、突撃を繰り返してきた。

 だが、先日の不覚の件があったためか凪に緩みはない。

 二十人も斬ったところで、敵の動きがようやく鈍ってくれた。

 通路の奥から怒鳴り声が聞こえる。


「何をしている! 司教様が待っておられるのだぞ!」


 ちょっとしたイタズラ心で凪がコレに返事をしてやった。


「ならアンタが来なさいよー」


 来るかなー、とも思ったのだが、通路の奥から何やら揉めている声が聞こえてきた。

 こりゃだめそうだ、と凪は意識を屋内に向ける。

 屋内組は案外に頑張っていた。

 聖堂騎士の大半を犠牲に得た秋穂の情報を基に、兵たちが相互に待ち構え、一人がやられたらその隙に別の者が秋穂を狙う、といった構えで秋穂の足を止めている。

 それでも秋穂の全てを封じることはできないが、全滅の時間を少しでも延ばすことに成功していた。

 そして壁を崩そうとしていたメルケルであったが、この建物が貴族向けの高級な造りであることが災いし、メルケルにも崩せぬままであった。


「はい、時間ぎれー」


 凪が屋内戦に参戦すると形勢は一変する。

 従者たちが瞬く間に斬られ、最後に残った聖堂騎士も凪と秋穂に前後から襲われては為す術がない。


「はっ、ははっ、十聖剣、未だ届かず、か」


 彼が倒れると、部屋に残るは十聖剣灰燼のメルケルと、司教の二人のみとなった。

 凪と秋穂はメルケルの目を見て察する。コイツは、最後の最後であろうと剣術比べをするつもりなぞ欠片もないと。


「ふーん、なら」

「二対一を卑怯だなんて、言わないよね」


 背後に司教を庇い、メルケルは鬼の形相で二人を睨む。


「来い! 司教様には! 指一本触れさせぬぞ!」


 左方より凪が、右方より秋穂が、二人がかりであろうとどちらも一切の手加減なぞ考えていない。

 十聖剣を、なめてなぞいないのだ。

 メルケルの右手に握った剣から炎が噴き出す。そして左の剣からは炎の玉が放たれる。

 片腕のみで、メルケルはなんと凪の上段よりの打ち込みを止めてみせる。同時に踏み込んできた秋穂は、炎の玉の回避で後退を余儀なくされる。

 灰燼のメルケル。彼は、炎の魔術を戦闘に用いることのできる戦士であった。

 凪の剣を、メルケルの剣を覆う炎が這い伝ってくる。


「はっ!」


 凪は笑う。

 赤い火だ。しかもこれだけ炎に接近しても熱を感じぬていどの、灯油を薄く伝うていどの炎如きに、不知火凪が怯えてやらねばならぬ謂れはない。

 こういう決断を即座に下せるところが、不知火凪を稀有な戦士としている要素の一つでもあろう。

 凪の剣の半ばまで伸びた炎ごと、メルケルの剣を回して逸らしつつその手首を払い落す。

 間一髪、メルケルが手を引いたことで手首は守られたが、骨に届かぬていどの傷は残った。

 次のメルケルの動きは、少し凪の予想の外であった。

 メルケルは秋穂の方に再度の炎弾を撃ち出しながら、凪と司教の間に身体全体を入れるように動いたのだ。


『あー、そう。なるほど、徹底してるわね、コイツ』


 メルケルは凪を一切、信用していないのだ。

 戦闘の最中であっても、凪はメルケルとの決着より司教の首を優先するかもしれない。剣士同士の暗黙の了解なんてものを、彼は欠片も信じてはいないのだと。

 瞬時に攻め方が決まる。

 卑怯だのなんだのといった発想はない。敵の、望まざるをせよ、である。

 下段を薙ぐ。凪の剣はメルケルの足ではなく、その奥、司教の足をすら斬りうる勢いを持つ。

 すると当然メルケルは足を差し出しこれを防ぐ。鎧で受け止めるように、メルケルは足の骨で凪の剣を弾いてみせた。

 すぐにメルケルは司教の身体を左手一本で引きずり倒す。

 メルケルの左胸に、秋穂が放った短剣が突き刺さる。その位置からメルケルは動かず。なので秋穂は続けざまに二本、三本と放つ。全て、メルケルはその身体で受け止めた。

 この時点で、メルケルは凪と秋穂と、両者の接近を防ぐ手立てが失われている。それを見逃す二人ではない。

 左右から同時に、メルケルの胴に剣が二本突き立った。

 二人が後ろに向けて払い落とすように剣を抜くと、そちらに向けて、つまり司教の倒れている場所から離されるようにして、メルケルは倒れた。

 秋穂は倒れた司教の方に、凪は倒れたメルケルの方に、それぞれ足を進める。

 倒れたメルケルは、床板に爪をたて、立ち上がろうとしてできぬ己が身の不甲斐なさに歯噛みしている。


「司教様をっ……お守りせねば……」


 もう、首を動かすこともできないメルケルの肩に、凪の手が触れた。

 それは敵にするような動きではなく、まるで敬虔な信徒が聖遺物に触れる時のような、敬意と畏れを備えていた。


「……貴方は、よくやったわ。本当に、よくやったと思う」


 己が命の失われる瞬間まで、メルケルは自身ではなく司教を優先していた。

 それはこれまでの彼の人生がそうであったからこそできることだ。一切の迷いなくそう行動できたのは、何度も何度も覚悟と決意を試されこれを乗り越え信念を守り通してきたからこそだ。

 それほどに、死というものは恐ろしいものだと凪は知っている。

 最後の瞬間だけ頑張ったのではない。メルケルは、長い時間ずっと頑張ってきたからこそ、最後の瞬間ですら頑張ることができたのだ。

 愚かな妄信だ、と指摘するのは簡単だろう。事実、彼は決して賢い生き方をしてきたわけではなかったのだろうから。

 だが、妄信だろうと、妄想だろうと、妄言だろうと、大いなる苦難と試練を伴う信念を、凪は美しいと思うのだ。

 心の弱い者が逃げ道に用いているのではない。メルケルの歩んだその道は、常人には到底潜れぬ狭き門であったのだから。


「貴方は最後まで、やり通せたわね。私は……どうだろう。案外、途中で怯えて逃げちゃうんじゃないかなって、思ってるのよね。怯えて逃げる自分ってのが全く想像つかないんだけど、想像つかないからこそ、それが目の前に迫った時、きっと私は抗えないんじゃないかなって。ねえ、貴方は、その辺どう思うのかしらね……」


 どうして、聞きたいことができた相手というのはいつも手遅れの相手ばかりなんだろう、と凪は嘆息した。





 メルケルに引き倒され、腰を落としたままの姿勢で司教は秋穂を見上げる。

 秋穂はうっすらと笑みを浮かべながら言った。


「こんにちは、司教サン。殺意の代償をいただきに参上したよ」


 司教は何度も首を横に振っていた。


「私には、お前たちが全く理解できない」

「そう? すっごくわかりやすいでしょ。殺そうとしたから、殺す。万人が納得する理由だと思うけど」

「お前たちはまるで、教会との衝突を望んでいるようにすら見える。だが、それで、いったい誰がどう利益を得るというのだ。いや、利益を得たとて、教会全てを向こうに回す不利益に見合うほどの利益など、到底思いもよらぬ」


 くすりと秋穂は笑う。


「貴方は損得で神様に仕えているの?」

「神と個人の判断とを同列に並べることがまず私にはありえぬ話だ。十聖剣をすら凌駕するほど剣の腕を磨いたのは、いったいなんのためなのだ。そこに至るまで積み重ねた労苦はいったいなんのためだ。こんな、こんな揉め事一つで、容易く投げ捨ててしまうような、お前たちにとってはそんなぞんざいな扱いをしてもいいような、そんなどうでもいい価値のないものなのか?」

「こんな揉め事一つで殺されかけた私に言う言葉それ? でも、貴方にも理解できるはずだよ。ほら、そこに倒れてるメルケルって人は、ある意味私たちにとっての理想みたいなものだし。自分が思うように生きて、生き抜いて、そしてその道の先で死ぬ。私たちも、そうありたいと思ってるんだよ」


 愕然とした顔の司教。

 たった今無残にメルケルを殺した当人が、これから司教を殺そうとしている人間が、神の敬虔なる信徒を称え、その生き方を理想だと語るのだ。

 司教のこれまでの価値観では決して測れぬ存在だ。だが、彼はシムリスハムン司教なのだ。ランドスカープの教会組織にて、もう少し年を重ねれば最上位すら狙えるほどの権力を手にした傑物であるのだ。

 彼の優れた知性は、柊秋穂という人物を見定めるべく高速で思考を積み重ね、彼なりの答えを導きだしていた。


「……お主、神を、大神ユグドラシルを、全く畏れておらぬな。ランドスカープの人間ならば決してありえぬことだ。となれば、外より来た蛮族、か。異邦の神を信じていればこそか」

「教えは、素晴らしいと思うよ。リネスタードの神父さんとも話したけど、教会がこの国で担っている役割もとても価値のある重要なものだと思う。だからコレを滅ぼそうなんて思わないよ。けど」


 真顔になる秋穂。


「君らは、違うよね。妾を力ずくで奪え、なんて大神ユグドラシルの教えにはないものね。それだけじゃないよね。君たち教会は、神の教えをダシに貴族面してる君たちは、そこのメルケルって人の信仰に、本当に応えられるだけの人間なの?」


 秋穂の好みは梁山泊であるからして、権力者という段階で評価にマイナスが付く。挙げ句、神の権威を盾に経済活動をしているような連中は、涼太や凪がそう感じる以上に癇に障るのである。

 侮蔑の視線を隠そうともせず秋穂は司教に告げる。


「祈りなよ。そのぐらいの時間は待ってあげるよ」


 司教は秋穂の発言の意図を理解することはなかった。神の権威の元経済活動に励むことは、司教にとって信仰に背くことではなく、そのための理論武装も十分すぎるほどにされている。妾を抱えることも当然、教義には反しない。少なくとも司教は同じ教徒相手にこれを納得させる自信もある。

 だがそういった高度な信仰論議がこの黒髪の蛮族に通じるとも思えず、彼は憎々し気に秋穂を睨む。


「神を畏れぬ者に、大神ユグドラシルは大いなる罰を下そう。永劫に呪われよ。死の国すらも、貴様の敵となるであろうよ」

「ふふっ、案外、了見が狭いんだねえ。敵を滅ぼせ、って言うだけなら神様じゃなくたって言えるよ。もうちょっと、ねえ、カミサマらしい寛大さとか、感動を伴うほどの叡智だとか、そういうのないの?」

「あったとて、蛮族に理解できるとも思えぬわ。大神ユグドラシルの教えは、教義の上っ面を眺めたていどの貴様が偉そうに語ってよいものではない。教えを信じ、教えに従い、そうし続けて初めて理解できるのが教義というものだ」


 ふと、秋穂は何かを思いついたような顔でくすくすと笑いだす。


「ああ、なるほど、そっかそっか。こんな台詞、人生で使うことなんてないと思ってたんだけど、きっとこういう時に使うものなんだね。ねえ、私が見た本にあった言葉だよ『憧れは、理解からは最も遠い感情』なんだって」


 司教には、秋穂の言葉を理解するだけの十分な知性が備わっていた。だからこそ、その表情が歪んだのだ。

 ぎゃふんと言わされたというのではなく、単純に、信仰という行為そのものを否定する言葉であったからだ。

 秋穂は剣を振り上げる。


「ま、別に貴方と議論がしたいわけじゃない。ほんの少し、貴方がどんなことを考えているか知りたいと思っただけだし、これ以上の問答は悪趣味かな。じゃあ、ね」


 司教の人生は、決してこんなところでこんな形で終わるようなものではなかったはずだ。

 それは司教個人の感想ではなく、ランドスカープに住む大半の人間もそう思っていただろうことで。

 だからこそその最期の時に司教の心中に渦巻いていた感情は、ただただ無念の一言であった。

 その想いは首のみになっても表情に刻まれたままであった。


 かくして、柊秋穂とその一党は、ランドスカープ中の人間が決して越えてはならぬと考えていた一線を、容易く越えてみせたのである。

 それは教会側にとっても、最早後戻りのきかぬ大きな大きな一撃であった。






 元ボロースの領都にある官舎の執務室にて、ギュルディは報告者からその詳しい報告を受けると、何度かの質疑を繰り返した後で彼を退室させた。

 その部屋にはギュルディと護衛のシーラのみが残っている。

 ギュルディは、自身が座っている椅子の後ろに控えていたシーラを振り返る。


「……ああ、やっぱりお前でもそういう顔になるか」


 シーラは、誰が見てもわかるほどにドン引いた顔をしていた。


「いやぁ、ありえないなー。普通、司教様を、やっちゃうなんて考えもしないでしょ。ありえないよー、あの三人、なーに考えて生きてんだろうねー」

「……報告は聞いただろ。しかし、シムリスハムン司教が女好きなのは聞いていたが、まさか、まさかアイツらにちょっかい出すとはなぁ。それもあんな言い訳のしようもない形で……」

「そっちの話も信じられないよ。だって司教様でしょ? 私シムリスハムンの司教様は知らないけど、司教様って何処の神父様よりもずっと神様に近いんだよね? それなのに、ナギとアキホを力ずくで妾に? そんなことってあるの?」

「まあ、お前が考えてるよりもずっと、司教ってのは俗物なもんなんだが……その分危険を避ける能力は高いはずなんだがなぁ。つまるところ、あの三人の誘い受けっぷりが司教の危機感知能力を上回ったってことか。なんでよりにもよって私が留守の時にやらかすんだか」

「幾らなんでも今回はやりすぎだよ。教会全部敵に回すなんて、私だって避けるよ、そんな危ない真似は」


 いや、とギュルディはそれほど動じた風もなく答える。


「現状を考えるに、教会側はアイツらに対して打てる手がない」


 正攻法で詰問の使者を送るだのといった手をとっても、あの三人を捕らえようとすれば当然反撃されるし、じゃああの三人ですら対処できぬほどの兵を用意すればそれは辺境リネスタードに対する宣戦布告と取られかねない。彼らがいくら教会勢力だと言い張ろうと、リネスタードは直前に王都圏からの派兵を受けているのだ。リネスタード側はその派兵に対し抵抗せぬわけにはいかない。そしてリネスタード側が抵抗する、と決めた瞬間勝敗は決する。機動要塞カゾにはそれだけの力がある。

 そして正攻法でない手段は、むしろあの三人にとって得意とする戦場である。十聖剣をすら倒すほどの戦力を相手に、下手な人員を送り込むこともできまい。

 搦め手で動きを封じにかかるぐらいしかないのだが、そういう社会的な攻め方は、あの三人に対しては意味がないのだ。

 その辺の説明をしたうえでギュルディはシーラに問う。


「で、この後アイツらどう動くと思う?」

「どう、って。…………え? いや、ちょっと待って。どう、するんだろう。今回に関してはもう、最初の一手からして私にも理解できないから、その先どうなるかなんて想像もつかないかな」


 過去に王都圏にて、複数の貴族を向こうに回してこれを次々殺していくなんていう考えられないような無法を働いたシーラであるが、そのシーラですら思いもよらぬと断言するような行為なのだ、司教に手を出すというのは。

 そしてギュルディもそれを当然と受け止めている。ギュルディもシーラも一般的なランドスカープ人からはかけ離れた存在ではあれど、この土地で生まれ育った者であればそう考えることが当然であると当たり前に理解できる。

 とはいえ、非常識を意図的に行なってきた天才ギュルディならば、その先を読むことも可能だ。


「アイツらが守りに入るなんてありえんだろ。なら、攻めるわなぁ」


 シーラの眉がこれ以上ないぐらい捻られる。


「え? 攻める、ってどこを?」

「さあな。だが、リョータがいることを考えれば教会の急所は簡単に見破られる。そのうえでアイツらの好みを考えるに、次の標的は五つぐらいに絞られてくるか。当然、教会側は私ほどリョータたちの情報を持っていないだろうから備えることすらできまい」

「……攻めるって、もしかして、教会の人間を殺して回るってこと?」

「そうなる」

「そこまでする?」

「とりあえず、聖堂騎士やら十聖剣やらの戦闘員は、連中にとってもわかりやすい標的になりうる。だが、戦の落としどころとしては弱い。戦に勝つためには、教会に負けを認めさせるには、もっと大きな、派手な、わかりやすい目標を攻略する必要がある。その過程で教会の人間を殺して回ることになる。そう考えれば納得はさておき理解はできるだろ」


 首を何度も横に振るシーラ。そして、困った顔でギュルディに問う。


「それで、ギュルディはどうするの? さすがに、これに付き合うのは無理があるでしょ」

「まあな。連中が以前に言っていた話に乗らせてもらうしかない。どんな形になるかはわからんが決着がつくまでの間は、知らぬ存ぜぬ無関係、で通すさ」

「敵には回らないんだ」

「アイツらと殺し合うのなら、ヴェイセルとシーラ、お前ら二人を賭けなきゃならない。しかももしそれで負けたら私まで死ぬ羽目になる。冗談じゃない、教会にそこまでの義理はない」


 シーラは驚いた顔をしている。


「うん、ギュルディのそういうところ、リョータたちに似てるね。ギュルディって前からそうだったけど、教会のこと全然怖がってない。私も、もしギュルディがやるっていうんなら付き合うけど、自分からそれを口に出す勇気はないかなぁ……うん? どしたのギュルディ?」


 ギュルディはこめかみを押さえながら俯いている。


「…………お前、なあ。リョータたちに似てるなんて言われて、落ち込まん奴が何処にいる」

「あ、あははははは。た、頼もしいって意味だから」


 ほらがんばれがんばれー、と言いながら落ち込むギュルディの頭をなでているシーラは、随分と楽し気な、幸せそうな顔をしていた。


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[良い点] 転移組の高校生と魔術師の皆さんはどう動くでしょう。 しばらくは様子見でしょうが、力ずくで妾を手に入れて当然、な聖職者を高校生たちが良しとするとも思えませんが。 移動要塞カゾを作るのにお…
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