修学旅行＠京都・奈良
次の日は、朝早く新幹線で京都へ移動。
京都では、観光バスでの名所めぐりだ。といっても、清水寺とか金閣寺とか
有名な寺ばかり、見て回った。
TDLで疲れ切ったクラスメートは、バスの中で熟睡してたりする。
”バスガイドさん、すげぇ美人”と言った途端、目を覚ましたりとか。
東京では晴れてたけど、京都ではあいにく小雨交じりのくもりだった。
風情があって、それはそれなりに、いいのだけど。
清水寺は、思ったより長いのぼりで、途中、土産物屋が並んでる。
ここで、僕は祖父母への土産を買うことにした。
（美里ちゃんには、TDLですでに購入済み）
清水の舞台とは、本当に高い。これだけ、よく建てたものだと思う。
疲れてる男子、買い物に夢中の女子の中で、脇坂の周りはにぎやかだ。
寺につくと、”試験に役立つ歴史クイズ＠京都”で、問題を脇坂が出してる。
例えば、”金閣寺を建立したのは誰？”
って感じで、さっきからやっていたのだ。
解答者は、竹中さんと、後藤さん 青野？？
二人は、センター試験を受けるつもりだからわかるけど、青野も？
ちなみに、正解一個につき、ポテチ一枚とか、もらえる。
「青野もセンター試験、受けるんだ？やっぱ、帯広農業？」
「うっす。頑張るけど、絶対無理。どっか、推薦で入れる私立とかかな」
え？って思ったけど、結構、青野、正解してる。青野の一家は、いつも
TVのクイズ番組で白熱した戦いをするらしい。
後藤さん、頑張ってる。日本史と地理を社会科で選択するそうだ。
脇坂も同じく、日本史と地理。
脇坂がいうには、”世界史は範囲が広すぎて覚える事が多すぎます”
だと・・僕は世界史のほうがおもしろいし、好きだけど、脇坂は試験の
ために、選んだようだ。
夜は京都のホテル。夕食はそこで食べたけど、味が薄いせいか、
ものたりず、夜中におなかが空いてきた。
きがきく人もいて、帰る途中で、コンビニで菓子を大量に買いだめした
それを部屋の人数で費用をわけ、即席のパーティーになった。
話題は、明後日のUSJ。どのアトラクションをどう回ったら効率的か、
その手のガイドブック片手に、綿密に計画をたててる。
僕も、楽しみ。さすがに、もう実家からSOSの電話はこないだろうし。
もう、消灯時間をとっくにすぎて話し込んでたら、担当の先生に怒鳴られた。
京都観光を終わらせ、一泊したら、明日は奈良での観光だ。
夕方に大阪に移動、金曜日は最終日で、お楽しみのUSJだ。
奈良での観光で、鹿公園に行ったのだけど、後藤さんが、何かさかんに
手を動かしてる。ノートの半分くらの大きさの雑記帳のようなものに、
鹿のスケッチを描いている。
地元ではエゾシカが多い。増えすぎて農家が食害で頭を痛めてるほど。
奈良の鹿は、一回り小さい種類の鹿で、すごく人なれしてる。
後藤さんは、”人からセンベイをもらっている鹿”を書いてるようだ。
「後藤さん、すごい速くかけるんだね。」
「ああ、これ。クロッキーっていうのよ。人の動く一瞬をとらえるのが
いいのだけど、誰かが、鹿センベイの袋をあけるやいなや、鹿にかこまれて
私は、鹿にセンベイを上げる人 を描きたいのだけど、無理みたい」
鹿のクロッキーは・・口だけモグモグさせて、あまり動きがなさそうな。
「一応、昨日、京都で回った名所とかも、スケッチしてあるのよ。ざっとね」
見せてもらった。確かに鉛筆書きでラフな感じだけど、滞在時間を考えると、
よく後藤さんは、これだけ書いたものと思う。
田阪さんがきて、僕と後藤さんと鹿 のスリーショット写真をとった。
はは、なんか照れる。
カップルみたいだね。って二人で田阪さんにいうと、
「はいはい、十分、わかってます。恋人同士じゃないっていうんでしょ」
そのとおりです。お互い、一番好きなものは、違う。
でも、後藤さんと話してて、楽しい。
後藤さんは、僕のピアノの話を楽しそうに聞いてくれるし、僕は後藤さんの絵とか
の話を聞くのが好きだ。
奈良時代の朝廷あとを発掘してる所もあり、奈良は、歴史の生きてる町だ。
きっとこういう雰囲気の中で、茶道や能などの日本文化が発展してきたのだ。
一方、僕の主に弾いてるピアノ曲は、ちょうど、フランス革命の前にバッハ、ハイドン
革命のころは、モーツァルト。ナポレオンの時代にはベートーヴェン。
僕は、彼らの生きた時代にはいけないけど、まだ、当時の古い町並みが
残ってるところもあるし、当時の城も健在だ。
そういう雰囲気を味わってみたい。ちょっとは、音楽にプラスになるかも。
そんな話を後藤さんにしたら、
「うんうん、わかる。やっぱり、本でみるより実物の美術品がみたいもの」
ちょっと、僕とはズレてるけど。
後藤さんと二人、ヨーロッパ。音楽と美術を味わう旅。いいな。
まあ、夢物語だけど。
奈良は、もっとジックリみたかったけど、法隆寺、奈良の大仏、平城京跡と
駆け足で見て回り、夕方、大阪へ移動し、そこで修学旅行最後の宿泊と
なった。
