モーツァルト ピアノソナタ19番
今度の週末は、八重子先生のレッスンがある。
まずい、ショパンとモーツァルト、ここ2,3日やってなかった。
特にモーツァルト、ソナタ19番は、西師匠にダメダシされた。
モーツァルトは、難しくないはずなんだけどなぁ。
19番を弾き出す。(僕の楽譜では19番だけど、18番が普通らしい)K576
モーツァルトのソナタは、易しいけど難しいそうだ。
例えば、曲だけは弾きこなせても、最初のフレーズだけで 上手いヘタが
もろわかりなんだとか。
そして、失敗すると目立つ。上手く弾けても当然と思われる。割りにあわない曲だ
モーツァルトの曲を、もう一度見直し練習。
1楽章、最初の勇ましい音形から mfの優しい旋律になる対比をちゃんとだす。
でも、勇ましすぎてもいけないか。あっとここは、上昇音形だけど、優しい旋律の
出番だからで音を弱くしていく・・
2楽章は、Adagioだからすごくゆっくりだけど、この
細かい音符は粒が揃ってるのが絶対必要で、それが長く続く音形には、スラーが
かかってないので、ノンレガート?むしろ軽いスタッカート?
なんて、考えながらの練習。気に入る音色がでるまで、繰り返し。
自分で決めた3時間の練習時間内で、3楽章は、詳しくさらえなかった・・・
ピアノ室に、またしても占拠してる父は、この曲については、何も言わなかった
あの助言は、ベートーヴェンだから出来たのかな?
父は「裕一は、モーツァルトは苦手かな?自信のないような箇所が多かった。」
と言っただけだった。
確かに・・ただ、この曲は、自分では出来てると思ってただけに、西師匠の
ダメダシは、効いた。
父が自分の経験を話してくれた
「僕が、アマチュアのオケを振ってる時、オール・モーツァルトプログラムを
定期演奏会でやった事がある。僕にいわせると、アマオケでは無謀な試みだ。
結果、どうなったと思う?」
・・・さあ、オケの事はまるでわからないが・・・
「このプログラムを推進した弦楽器パートが、本番で冷や汗で、顔が青ざめてた。
あの、モーツァルトの調和の音の世界に入ると、”失敗できない”って、緊張
したらしい。打ち上げで聞いた話だけど」
さすがに、ピアノは失敗しても自分のせいになるだけだ。
僕は、この曲ではステージにも立てないかも。
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結局、練習不足のまま、八重子先生のレッスン日。
ベートーヴェン「悲愴」は、だいぶ仕上がってきた、とほめられた。
(父と西師匠の特訓のおかげかな)
もっとも、仕上がってきたといっても、”その時の実力なりに”ってとこで、
プロ並みにってわけじゃないのは、当たり前だけどさ。
「次は11番のソナタを譜読み、出来るところまでしてきてね」
完全主義の父の元、この夏は「悲愴」だけでおわりそうだけど。。
ショパンの「エチュード エオリアンハープ」は、練習不足がもろに出た。
前回のレベルをやっと維持ってところくらい。
「これは、もう一度ね。次で仕上げましょう。速く弾こうとあせらないで。
エチュードだから何度やってもいいからね。じゃあ、次、25-7の
エチュードを譜読みしてきて」
で問題のモーツァルト19番。自分なりに考えて弾いたけど・・
「西師匠から盛大なダメダシくらった曲ね。練習の成果はわかるけどね。」
・・けどねって、これでもダメだったか・・
「音の粒をそろえるって所は、わかってはいるみたいね。でも時々、揃わない。
仕方ないんだけどね。モーツァルトはある面、難しいから。
じゃあ、この曲は寝かせておきましょう。次はモーツァルト14番やりましょう。」
うm、まだまだ続く、モーツァルト地獄
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結局3曲も譜読みになったけど、八重子先生は、僕が出来なくても、怒りはしない。
ただ、先生は、ベートーヴェンとショパンのエチュードは、出来る限り、受験前にさらって
おきたいと考えてる。
ショパンはともかく、ベートーヴェンは全部は無理。今でやっと4曲目だ。
ベンちゃんのソナタは、32曲あるから、果てしない道のりだ。
しかも、後期のソナタは難しい。
しょぼくれて家に戻ると、父がかあさんと口論になってる。
珍しいこともあるんだ。
口論の原因はと祖母に聞くと、
「去年、春香さんがボロボロになってた時があったろう?その時の事みたい」
「だから、それは君の”ないものねだり”なんだ。君の音の特徴は、日本人に
よくある、繊細で音程のしっかりした音。君のめざしてるというシャコンヌの曲想
は、音色は太くて幅広い音が必要だ。だから苦労しても無理」
父はかあさんに、珍しくキツい物言いだ。
「このままじゃだめなのよ。いろんな音色がだせるようでないと、通用しない」
「今だって、ちゃんといろんな音色を出してるじゃないか。」
「これじゃ、不満なのよ」
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後は難しい音楽の話になって、僕は二人を音楽室に追いやった。
仲の良い二人に見えても、音楽については引かないし、父は母の健康に関する事に
頑固だ。もう、二人とも、どこか温泉にでも行ってもらうか。
父はともかく、母はまた、去年のようになったら大変だし。




