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第陸歩・大災害+104Days 其の参

 <禍愚土の産声石>とは、<第参歩・大災害+44Days>にて捏造致しましたアイテムにて。

 今回もまたアイテムを幾つか、でっち上げましたので悪しからずです(平身低頭)。

 一部是正致しました(2017.03.11)。

 当たり前の事ながら、<呪怨アイテム>とは公認の名称ではない。

 所謂、“自爆アイテム”と総称されるアイテムの事を意味する、<死霊術師(ネクロマンサー)>ビルド界隈でのみ通用する隠語であった。

 “自爆アイテム”とは、使用すれば効果が絶大なれど使用者や其の周辺に致命的なダメージをもたらす、言わば“美味なる猛毒”の如き代物。

 一例を挙げれば、<禍愚土(かぐつち)産声石(うぶごえいし)>がそれだ。

 ゲーム上ならば全方位の隣接ヘックス、“此の世界(セルデシア)”でならば直径十メートルの範囲にある物を全て焼き尽くす効果を生じさせるアイテムである。

 岩石だろうが、金属だろうが、モンスターだろうが、冒険者だろうが、効果範囲にある物を全て、完全に灰燼に帰させるのだ。

 しかも、魔法を含め如何なる手段であろうとも、自然鎮火するまでは消火する事が出来ない。

 そして此のアイテムの一番恐ろしい点は、発動させる際に使用者のMPを必要とする事である。

 更に使用時の留意点をつけ加えれば、発動にタイムラグが存在しない“即時アイテム”である事であろうか。

 言い換えれば、使用時に最初に焼き尽くされる対象が、使用者なのだ。

 通常ならば到底敵わぬモンスターに対し、最後の手段として使用したと仮定しよう。

 相手が例えレイドボスであったとしても倒す事が出来る、かもしれない。

 だが、敵を倒すよりも先に使用者は即死している。

 此れでは経験値も何も得られはしない。

 反対に、死亡時ペナルティを受けるだけとなってしまうのだ。

 相討ちを狙う事すら出来ぬお得感ゼロ、もしくはマイナスのアイテムだと言える。

 過去には、パーティー戦やレイド戦闘において仲間の苦境を救うため、敗戦濃厚の状態から脱するために、使用された例が散見された。

 「俺の屍を越えて行け!」的な英雄っぽい行動をしたい時に、無駄死にするよりはマシかもしれないと思った時に、使用されたようである。

 しかし其の行動を傍から観察すれば、貧乏クジ以外の何物でもない。

 極論すれば、自己顕示欲の自己犠牲による自己満足のためのアイテム、其れが俗に言う“自爆アイテム”である。

 百害あって一利、あればめっけもののアイテムなのだ。

 因みに。

 <呪怨アイテム>という言い回しは、レイドコンテンツ<魔導王の継承者>に登場するレアアイテム、<呪怨のリング>に由来する。

 幽体系の契約従者の攻撃力を八十パーセントも向上させる強力なアイテムであったが、其れを使用する<召喚術師(サモナー)>はほぼ皆無であった。

 理由は、使用時のペナルティが大き過ぎると受け取られたからだ。

 其のペナルティとは、HPの自動回復の停止。

 しかも使用解除するには、死亡するしかないという当に“呪いのアイテム”だったからである。

 <死霊術師(ネクロマンサー)>ビルド以外には不要のアイテムでありながら、元々HPに難のある<召喚術師>には致命的欠陥を有するアイテム。

 ネタアイテムというよりは、名前の通り“呪いのアイテム”でしかなく、“自爆アイテム”の代名詞としてしか知られる事なく、語られる事もなかった。

 語るのは勿論、ベテランと呼ばれる域に達した<死霊術師(ネクロマンサー)>同士の間でのみである。


 さて。

 <ナゴヤ闘技場>から遥々、えっちらおっちらと<アオニ離宮>経由で此の陣地までレオ丸が背負って来た背負子には、実に様々なアイテムが収められていた。

 当に、此の時のために用意して来たかのように。

 しかして、其の実態は?

 レオ丸の<エルダー・テイル>におけるプレイヤー生活が、如何に紆余曲折が多過ぎたか、如何にコレクター魂を逞しくし過ぎたか、であったが。

 お宝であろうとも、そうではなかろうとも。

 貪欲なシマリスの頬袋の如く、入手出来た物は全て銀行口座にレオ丸は溜め込んでいたのだ。

 ソロ・プレイヤーとしては、些か常軌を逸するほどに。

 尚且つ其の大半が使い道に悩む、……正確に言えば使いようのないアイテムばかりである。

 レオ丸は<ナゴヤ闘技場>を出立するにあたり、膨大な不良在庫品リストの中から恐らく使えるであろうと思われたアイテムを、手当たり次第に詰め込んで来ている。

 今、其の手にしているアイテムもまた、其の内の一部であった。


 <トントン・マクート・ペーパー>

 銀の鎖で一纏めに括られた、A6サイズのザラ半紙の束。


 <墓場の主人(メートル・シミティエ・ブンバ)

 武器アイテムではないため、敵に対し一切のダメージを与える事が出来ない、儀礼用のナイフ。


「コイツらは単品やと、単なる紙束で、単なる刃が潰されたナイフやけど。

 元の現実やったら、メモ用紙とペーパーナイフにしかならへんけど、どっこい“此の世界(セルデシア)”で組み合わせたら、碌でもない効果を発揮してくれるアイテムになんねん♪

 さてどんな効果か……ま、其れは使用時のお楽しみとして」

「ワテらのんは、ちょいと気色の悪い飲み薬ですわ」


 <バイオハザード・アンプル>

 水色と褐色が入り混じった色彩の液体入りの、コルク栓で封された試験管容器。


「効果はまぁ……同じく後のお楽しみって事で」


 陰影の濃い笑顔をつき合わせる元<死霊術師(ネクロマンサー)>と、現<死霊術師(ネクロマンサー)>達。

 レオ丸と元<GHOST MASTERS>の語らいは、まるでH・P・ラブクラフトの紡ぐ物語に登場する邪神崇拝者のよう。

 大半の者達がドン引きする中、BLACK楽運大佐は何やら感心したように頻りと肯いていた。


「なーるほどー、其方の界隈では“自爆アイテム”の事をそう呼んでいるのですか!

 其れならば、私も一つ持ってますからー♪」


 腰に装着した<ダザネックの魔法鞄>に手を入れたBLACK楽運大佐は、取り出したアイテムを自慢げに掲げて見せる。

 其れを認めたレオ丸の口が、呆れたように丸くなった。


 <王国へ続く扉の鍵(ロード・トゥ・アスランズキングダム)

 緑青の浮いた、前衛的なデザインの古びた鍵。


「揃いも揃ってよくもまぁ、とんでもないモノを持ってるこっちゃなぁ!

 どいつもこいつも無駄にベテラン・プレイヤーしてへん、ってか?」

「アンタに言われたかねぇ」

「アンタが言いなはんな」


 ゼルデュスが必死の形相で指示を出し、指示を受けた配下達が決死の覚悟で戦場へと飛び出して行く、非常事態の最中。

 レオ丸と一部の冒険者達は、仲良く引き攣った笑い声を上げていた。



「不愉快な戦いだな、全く!」

「しばいてもしばいても……往生するっちゃ!」

「やぁ、こりは難儀」


 <羅刹王(グレーター・エヴィル)シュテルン>が、四桁もの<髑髏武者(スケルトンブレーダー)>を野に放ってから約二十分が経つ。

 <ディープグラス修道院址>付近に急造された砦に篭る冒険者達は、積極的な攻勢で相当数の敵を屠ってはいたが、其の分の代償も其れなりに支払わされていた。

 既に、カズ彦が率いる冒険者達の実に十分の一強が、<赤封火狐の砦(ファイアフォックス・キープ)>内に設置された簡易神殿送りとなっている。

 現時点は良いだろう、五分後も問題ないし、十分後も大丈夫かもしれない。

 だが、三十分後は?

 夜明けまで未だ、一時間半以上あるのだ。


「そろそろ此処を放棄して、<赤封火狐の砦(ファイアフォックス・キープ)>を最前線とすべきなのかもしれんな」

「放棄する事には同意しますが……防衛線を後退させてくれる時間を与えてくれますでしょうか?」

「……下手したら神殿で復活の順番を待っている間に、<赤封火狐の砦(ファイアフォックス・キープ)>すら蹂躙されてしまうかもしれんな……」


 冒険者達のホームタウンに設置されている大神殿は、其の名の通り“大きな神殿”である。

 万人単位で利用されるプレイヤータウンであるが故に、図らずも大神殿を利用する羽目に陥る者も多い。

 故に、“死に戻り”する冒険者が復活する場所も広く確保されており、寝台も百床以上設置されていた。

 だが、<赤封火狐の砦(ファイアフォックス・キープ)>に設置されている簡易神殿は、文字通り“簡易”な施設でしかない。

 小学校の平均的な教室サイズに十五床の寝台が設けられているだけの、神殿とは名ばかりの言わば“礼拝堂のようなもの”なのだ。

 其処に、百人の“死に戻り”が押しかければどうなるかは、自明の理である。

 冒険者が死ねば死ぬほどに、復活までのタイムラグが増大して行くのだ。

 需要と供給のバランスは随分と前に崩れており、天秤の土台自体が崩壊するのも時間の問題でしかない。

 当初の目論見が覆され、応急手当をしながらの防衛計画は破綻寸前。

 いや、未だに保ち続けているのが不思議なくらいである。

 皮肉な言い方をすれば、大地人が成し得ぬ奇跡を興す者である<冒険者>の、当に本領発揮と言えた。

 だが、膨大なスタミナを所持する冒険者であろうとも、限界がない訳ではない。

 HPとMP回復のために陣地へと一時的に身を引いていたカズ彦は、疲れ切った頭を酷使しながら、同じく気息奄々とした忌無芳一と、最善の次の一手を講じようとしていた。

 二人が見下ろす戦場では、爆竜(サムライ)連隊と獣拳(モンク)連隊と電撃(アサシン)連隊と高速(スワッシュバックラー)連隊が、辛うじて連携を取りながらスケルトンブレーダーを包囲殲滅しようと、命と神経を削っている。

 だが其の包囲陣は、ロールケーキに巻かれたセロファンのように薄い膜でしかない。

 救急(クレリック)連隊と五星(カンナギ)連隊と超力(ドルイド)連隊ら回復職が、眼を血走らせて攻撃陣のフォローをしようとも、いつ何処が破れたとて可笑しくはなかった。


「此処までか、……芳一」

「局長! あれをっ!!」


 悔しそうなカズ彦の声を中途で遮り、砦内に響き亘る忌無芳一の弾んだ声。


「援軍です! 援軍が来ました!」


 <Plant hwyadenプラント・フロウデン>が抱える治安部隊、<壬生狼>副長の右手の人差し指が真っ直ぐに指し示したのは、敵味方双方にとって盲点と言ってもよい戦場の一角。

 HPバーの約三分の一を喪失しようとしているフィールド・ボス・モンスターの、背後であった。

 其処から放たれた幾つもの広範囲攻撃魔法は不意討ちとなり、スケルトンブレーダーの軍列を大いに乱れさせたのだ。

 そして間髪を容れず、夜目にもはっきりと視認出来る輝きを持った、黒色の防具に身を固めた冒険者の一団が戦場へと雪崩れ込んで来る。


「遅くなりましたる事誠に以て申し訳なし!」


 ひとっ飛びで堀を越え、砦の上階へと現れた一人の<武士(サムライ)>が、カズ彦の前で膝をつき頭を垂れた。


「<黒色旋風猟兵団>、万全にて参上仕り候!」


 <ナゴヤ闘技場>の時とは違い、全身黒一色で統一された当世鎧具足風の金属鎧を着込んだ筑紫ビフォーアフターは、真っ白い歯を見せる。

 誰しもが待ち望んで止まなかった援軍の登場に、砦は歓喜の声に包まれた。

 数だけを言えば、加勢に駆けつけた者達は僅か百数十人。

 されど其の一人一人が、一騎当千の豪傑達である事を知らない者は此の場には居ない。

 <黒色旋風猟兵団>とは、ナカルナードが<ミナミの街>から連れ出した元戦闘系ギルドの冒険者達に伍する、強力無比な一団なのだった。

 では何故に、彼らは最初から此処に居なかったのか?

 そうであれば、防衛戦も今少し楽が出来ていたであろうに。

 其の答えはやはり、<Plant hwyadenプラント・フロウデン>内における実に詰まらぬ思惑が元凶であった。


 <Plant hwyadenプラント・フロウデン>の中核を為す戦闘系ギルドと<大災害>発生以前から敵対していた、幾つかの戦闘系ギルドの元メンバー達。

 <Plant hwyadenプラント・フロウデン>結成当初に、我関せずとそっぽを向いていた実力派のソロ・プレイヤー達。

 そして。

 <Plant hwyadenプラント・フロウデン>の意向に易々と服従しなかった、<ナゴヤ闘技場>からの移籍組達。

 言うなれば、<Plant hwyadenプラント・フロウデン>の運営を司る主要幹部達にとっては、存在自体が喜ばしくない者達で構成されているグループ、其れが<黒色旋風猟兵団>なのであった。

 で、あるが故に。

 彼らは<スザクモンの鬼祭り>開始前からずっと、地方巡視の任務に就かされていたのである。

 何故に好き好んで、目障りな奴らに檜舞台を与えねばならぬのか?

 インティクスもゼルデュスもナカルナードも、普段のいがみ合いを脇へとさて置いて、安易に意見を一致させたのである。

 “好ましからざる者(ペルソナ・ノン・グラータ)は、ドサ廻りでもしておけ”と。

 公の名目としては、

 “<スザクモンの鬼祭り>による周辺地域で活性化するかもしれぬ各エリアのモンスター達を可能な限り間引きせよ”。

 <黒色旋風猟兵団>のメンバー達は従容として拝命するや、足音高く胸を張り、地方へと出征する。

 <Plant hwyadenプラント・フロウデン>主要幹部達の意図を、正確に理解しつつも。

 そんな彼らの征途は、結果として無駄な遠足とは成り得なかった。

 実際に、元の世界で言う処の近畿地方の彼方此方で、モンスターが行動を活発にしようとしていたからだ。

 行く先々で、<黒色旋風猟兵団>は数多くのモンスターと激闘を繰り広げる。

 そんな平易とは真逆の遠征行を強いられた者達に対し、主要幹部の中で只独り好意的立場を取っていたのが、カズ彦だった。

 <壬生狼>の一部を割いて共闘させ、絶やす事なく支援物資を届けさせるなど、陰に日向にと便宜を図り続けていたのである。

 派遣された<壬生狼>のメンバーからカズ彦の状況を度々聞かされていた<黒色旋風猟兵団>の団員達は、忸怩たる思いを抱えるも、各地で跋扈するモンスターを討伐せぬ限りは任務を放棄する事も出来ない。

 其れが本日の日没後に至り、漸くにして完了したのだ。

 元の現実では和歌山県に相当するキシュウ半島を立った<黒色旋風猟兵団>は、強行軍で北上するやミナミへと帰還する。

 僅かな休息の合間に装備の点検を行い、ミナミ到着から一刻後には<赤封火狐の砦(ファイアフォックス・キープ)>へと急行、最悪の状況下を覆すべく最適値の手段で突入を果たしたのであった。


「頂戴致したる数々の御恩、誠に忝し。

 事態は早速予断を許さじと愚考致し候。

 指揮官殿の意図は奈辺にありや?

 我ら如何なる下命であろうとも、畢竟粉骨砕身致す所存にて」


 精悍な顔立ちをした冒険者の言上に、カズ彦は思わず目を瞑り、大きく嘆息する。


「……我々が<赤封火狐の砦(ファイアフォックス・キープ)>に後退するまで、此処を支えてくれないか?」

「委細承り候、我らミナミの黒備えにお任せあれ」


 小さく首を縦に振ると、筑紫ビフォーアフターは躊躇いもなく地上へと身を躍らせ、激戦の最中へ消えて行った。


「水琴洞公主! 撤退の合図を出せ!」

「了~~~解♪」


 陣地から真上の、半分ほどの光量で夜を照らす月に向かい、一際派手な魔法が打ち上げられる。


「其れで、御大将の申しようはどうやったんで?」


 新体操選手ばりのしなやかさで凶刃をかわし、ジャグラーのように三本のブーメランを交互に投擲していた志乃聖人Sが、場違いなほどに爽やかな声で問いかけた。


「“金ヶ崎”」

「さても文系の我輩には堪えるのぅ」


 琵琶湖ホエールズが瓶底眼鏡の奥を光らせ、今しも味方へと襲いかかろうとしていた敵数体を纏めて、<アストラルバインド>で拘束する。


「僕に任せて下さい!」


 身動きを止められた敵を片っ端から斬り捨てたのは、若さが目立つ声の持ち主であった。

 誰の物よりも黒い防具、<暗黒卿の鎧兜>を装着した冒険者は、緑色の光の刃を両端から伸ばした双剣を縦横に振るい、当たるを幸いに次々と光の泡へと変えて行く。


「黒渦君、キミはボク達のリーダー格見習い心得なんだから、張り切り過ぎちゃダーメダーメ♪」


 CoNeSTが<オンスロート>を唱えつつ、サーフボードよりも二周りは大きい大剣を振り回し、目の前の敵を叩き潰した。

 敵の軍勢を強引に食い破り、侵食の範囲を内から外へと次第に広げて行く<黒色旋風猟兵団>の団員達。

 露骨なまでに、より積極的にヘイトを稼ぐ戦法を取る全身黒尽くめの冒険者達は、一時たりとて無駄にせず敵を屠り続ける。

 取り囲まれた外側へと振るわれていたスケルトンブレーダーの刃は、いつしか全てが内側へと向けられていた。

 再び砦の上空で、大袈裟な光が炸裂する。

 響き渡る派手な大音響は、<スザクモンの鬼祭り>における<ヘイアンの呪禁都>方面の戦いが、最終局面へと移行した事を告げる号砲となった。



「“The readiness is all”ってか」

「出し抜けに何ですのん?」

「『ハムレット』第五幕第二場……、何を“準備”なされたと言うんです?」


 Dr.コーギーと連れ立ち歩み寄って来たレオ丸に、ゼルデュスはやや険のある言葉で迎えた。


「いやいや、大変そーやな、と」

「そうですね、大変の一言で表現するには些か心許ないのは、確かですが」

「お手伝いしよっか?」

「ああ今ならば、猫の手でも借りたいし、“猿の手”にでもすがりたいくらいですが、果たして貴方達に……其の価値はあるんですかね?

 エヴァラーギが現れる前なら兎も角、アレには貴方では歯が立たないでしょう?」

「処がどっこい、そーでもあらへんで♪」

「ほう?」

「はてさて残りは多分、一時間くらいかな?

 折角此処まで粘ったんや、こーなったら最後の最後まで粘り倒して、時間切れ引き分けと洒落こもうや。

 で、其れは叶いそーかな?

 屁ほどの役にも立たへん去勢を捨てて、現状を冷静に鑑みたらどないや?」

「……無理です」

「其の無理を、可能にする手立てを用意したんやけど、なー。

 “手伝って下さい”ってゆーんなら、其の手立てを提供するんも吝かやないけどなぁ?」

「……御手伝い下さい、御願い致します……」

「やってさ、BLACK楽運大佐君♪」

「“Oh,wellまぁいいや”“Oh,wellしかたねーやな”!」


 全ての装備を外し、トレードマークのグルグル眼鏡型のゴーグルさえかけていない褐色肌のエルフは、コキコキと首を鳴らしながら徐に前へと進み出る。


“readiness(覚悟)”なんざ“readiness(事前の心構え)”次第だって事を其処のガイコツ共に、叩き込んでやるとしますか!

 其れじゃあ法師、Hasta la vista!」


 ヒョイっと陣地の縁から飛び降り、スラリと着地したBLACK楽運大佐は右手に握り締める鍵型アイテムを、何もない宙に差し入れた。


「Open The GATE, Welcome to this crazy TAIL!」


 CLANK! CLANK!


 途端、重々しい金属音が鳴り渡る。

 BLACK楽運大佐の右手を起点として、虚空に現れた黄金色に輝く線が縦に横にと、太い軌跡を刻み出す。

 バチバチと派手に火花を散らしながら、眩い輝きがひと続きの線となり、巨大な長方形を空中に形作った。

 最初は平面であったソレは、間もなく厚みを備えた立体となる。

 其処に顕現したのは、金色に輝く巨大な門戸。

 幽かな低音の軋みが鳴り響き、豪壮な門扉がゆっくりと左右に開いて行く。


「……何ですか、アレは?」

「北欧サーバのとあるイベントで、<召喚術師>のみが入手出来る実にユニークな……いや、凶悪なアイテムや。

 名は、<王国へ続く扉の鍵(ロード・トゥ・アスランズキングダム)>」

「何がどう、凶悪なんです?」

「そいつぁ見てのお楽しみ、やな」


 BLACK楽運大佐は、レオ丸達の見守る中で突如身を翻し、駆け出した。

 脇目も振らず一目散に走る姿は、まるで恐ろしい何かから逃げ出すよう。

 しかもよりによって、駆け出した先は敵が群れなす方である。

 一千を越す重武装の敵よりも恐ろしいものなど、此処に居るのだろうか?

 やがて。

 巨大な扉は完全に開き切り、其処からソレが姿を見せた。

 夜空をつんざく咆哮が、其の場に居る全ての者達の耳を聾する。


 ROAR!!!


「……何処から招待するんかは知らんけど、あのアイテムは<サン・オブ・ザ・グレート>って化物を召喚しよるんよ。

 んで、あのモンスターは、な……」


 巨大な門戸から飛び出すや、地に巨大な爪痕を残して跳躍する、ダンプカーを遥かに凌駕するサイズのモンスター。

 巨体が地響きを立てて着地をすれば、下敷きとなった十数体ものスケルトンブレーダーが一瞬にして光の泡と化す。


「召喚者からのみヘイトを感じて、襲いかかりよるんやわ。

 他の誰かが攻撃しようと、気にせぇへんし、関係あらへん。

 ただ一途に、召喚者のみを攻撃対象として捉え続けるんやわさ」

「……半強制的な、パワー・レベリング専用アイテムですか?」

「いや、まぁ、本来は……召喚者に強力な従者との契約するチャンスが得られる、って設定の、アイテムのはずやってんけどね。

 強力過ぎるやろう!って非難囂々でな、契約の際の条件が格段に厳しくなってしもうたんやわ。

 因みにやけど。

 登場するモンスターのレベルは常に、召喚者のレベルよりも一つ上に設定されとってね……」

「じゃあ、アレはLv.91って事ですか?」

「低レベルのプレイヤーなら仲間と協力しさえすりゃ、何とかなるんやけどねぇ?」

「アレは……何とかならんでしょう?」

「ならんやろーねー」


 唐突に現れた巨大で凶暴な闖入者に、前線で戦っていたゼルデュス配下の冒険者達は這う這うの体で避難し、陣地まで後退を余儀なくされた。

 スケルトンブレーダーの側はと言えば、為す術もなく巨大なモンスターの狼藉に屈し、一方的に蹂躙されるがままである。

 召喚された<サン・オブ・ザ・グレート>は、別にスケルトンブレーダーを攻撃する意志は持っていない。

 あくまでも攻撃対象は、己を“此の世界(セルデシア)”に呼び出した召喚者のみである。

 其の攻撃対象がちょこまかと逃げ回るため、図らずも破壊と暴虐を振りまく結果となっているだけなのだ。

 両手を振り回し、背中を蹴飛ばしそうな勢いで戦場を駆けずり回る、BLACK楽運大佐。

 しかし悲しいかな、彼は只の<召喚術師>であり、敏捷性に優れた<暗殺者>などではない。


「あ、コケた」


 陣地から身を乗り出すように見物していたモゥ・ソーヤーの指差す先で、コミカルで死に物狂いな逃亡劇にとうとう終止符が打たれた。

 スケルトンブレーダーが最も密集した先を避けようとしたBLACK楽運大佐は、草叢に足を取られて転倒、地に突っ伏してしまったのだ。

 其の上に覆い被さる、巨大な影。


「うぁ……」


 聖カティーノは思わず口元を押さえて悲鳴を呑み込み、駿河大納言錫ノ進は反射的に目を両手で覆った。

 陣地の上と下とで固唾を呑んで見守っていた冒険者達の視線の向こうで、遂に獲物を捕らえた<サン・オブ・ザ・グレート>。


 ROAR!!!


 夜気を震わした歓喜の咆哮が、余韻を残し徐々に静まって行く。

 巨大なモンスターは、意気揚々と門戸まで舞い戻り、何処へと続くのか誰も知らぬ戸口へと身を躍らせた。

 軋みながら扉が閉まり、キラキラと光の粒を撒き散らしながら巨大な門戸は、虚空へと溶けるように消える。

 唐突に開幕したBLACK楽運大佐の一人舞台は、喝采を受ける事なくあっという間に閉幕し、後に残されたのは重苦しい沈黙だけであった。

 ゼルデュスを含めたほぼ全員が、息をする事も忘れたように口を噤んでいる。

 例外は、苦笑いを浮かべながら拍手をしているレオ丸と……。


「ほな、次はワテらの番でんな♪」


 殊更に楽しげな口調で、そう言い放ったDr.コーギーであった。


「はいな、頼むわな」


 レオ丸が差し上げた右の掌に次々とハイタッチをし、いそいそと出撃準備を始める元<GOHST MASTERS>の面々。

 BLACK楽運大佐同様、武具に防具に常備アイテムを全て外し、其の場に残す。


「ゴメンやけど、何方かワシらの装備を預かっといてくれまへんか?」

「あ、はい、判りました」


 沈黙の呪縛が解けたのか、白蘭が管理責任者の名乗りを上げた。


「何卒宜しゅうに……、ほなワテらの勝利を祈念して、乾杯!」

「「「乾杯!!!」」」


 唯一手放さなかったアイテムを、Dr.コーギー達は一息に飲み干す。


「「「「……うべぇ~~、まっず~~~ッ!!!!」」」」


 唇の端を緑色に汚したDr.コーギー達は、空になった試験管を八つ当たり気味に足元へと叩きつけた。

 粉々に砕け散ったガラス片を踏み躙り、揃って陣地を後にする四人の冒険者。

 恐れと怯みは微塵もなく、彼らの足取りは軽く至って意気揚々。

 近所の公園へと向かう幼稚園児も斯くやといった風情で、歩き、歩き、歩き、辿り着いた先で、全員がHPを一瞬にして失った。

 其れも其のはず。

 大きな損害を出し、軍としての纏まりを一時的に喪失していた敵勢であったが、僅かな間に大規模な増援を得ていたからだ。

 既に万全の攻撃態勢を完了させていたスケルトンブレーダー達が、日本刀タイプの剣を一斉に突き出せば、如何な冒険者とて防ぎようがない。

 両手両足の指では数え切れぬほどの刃で刺し貫かれ、見るも無残な姿を晒すDr.コーギー達。


「え? 何故? どういう事だワン!?」


 状況がさっぱり理解出来ず、頭上に大量の疑問符を浮かべたままで口を開いたのは、Yatter=Mermo朝臣。

 今、彼の目の前で起こった事を端的に言えば、仲間四人が無防備な状態で敵陣へと押しかけ為す術もなくあっさりと殺された、であった。

 いきなり行われた自殺行為の結果に、混乱するなという方が無茶であろう。

 そして其の混乱は、続く展開で混迷と困惑が付加される事となる。


「【 イ・タ・イ・ヤ・ナ・イ・カ・ワ・レ・ェ 】」


 命ある存在がHPを失えば一定時間後に其の実体を失う、其れが“此の世界(セルデシア)”における不文律の一つであるはずだった。

 其の一定時間とは、凡そ五秒ほどか。

 処がDr.コーギー達四人の体は、一定時間をとっくに過ぎても其の場に存在し続けたのだ。

 あまつさえ言葉を発し、敵の得物を分捕ったのである。


「<バイオハザード・アンプル>って、ホンマえげつないなー」


 困惑する冒険者達の中で只一人、レオ丸だけが得心のいった表情で、如何にも他人事のような感想を洩らした。


「一体全体どういう事ですワンッ!?」

「法師、御存知なら解説して下さい!」

「アレはなぁ、敵の能力を完全コピー出来る、ってなアイテムなんや。

 ああ勿論、此の場合の敵ってのはアンデッド・オンリーやけどな。

 んで、使用上の注意はってぇーと、先ずは初っ端に……即死もしくは蓄積で致死ダメージを受けなアカンねん。

 HPがゼロになったら、普通は“死に戻り”するやん?

 せやけど、あのアイテムの使用者は“死に戻り”を一旦保留にしよるねん。

 何でかゆーとな、MPがHPの代用をしよるからやねんわ。

 彼らは言わば、冒険者(プレイヤー)としての意識を持った、“擬似的アンデッド”状態になってるんやね。

 心臓は止まっているけど脳死してまへんでしたー、ってな言い訳で英雄の丘から這い出て来た宇宙戦艦の艦長さんみたいな?

 更に言えば、敵の能力を完全コピーしとるさかいに……」


「【 ド・ケ・ド・ケ・ド・ケ・ド・ケ・ド・ケ……ウ・セ・ロ 】」


 肌の色が限りなく黒に近い緑色になったDr.コーギー達は、手近な敵を全て殴り飛ばすや、己の体を貫く刀を抜き取り、自在に振るい始める。


「<召喚術師>は剣の類は装備不可やねんけどねー、せやけど今の彼らはスケルトンブレーダーのよーなモノ、詰まりLv.90の<武士>になっとる訳やね」


 死に損ないの四人が、針山の如く全身に沢山の刀を生やしたままで両手に携えた刀を出鱈目に振り回せば、敵は間近で密集しているが故に、次から次へと容易に斬り捨てる事が出来た。

 其の体からは刻一刻と余命が抜け落ちていくが、痛覚が遮断されているDr.コーギー達には関係ない。

 たった四人ではあるが、其々が一個の殺戮機械(キリングマシーン)となっているのだ。

 頭を兜ごとかち割られ、首を高々と刎ね飛ばされ、袈裟懸けに斬り裂かれ、真横から胴を綺麗に両断され、スケルトンブレーダー達は片っ端から光の泡へと強制変換させられて行った。

 レベル差があるとはいえ使う武器の強度は同じ、十体も斬り捨てれば刃毀れを起こし、斬り方が拙ければ刀は簡単にひん曲がる。

 Dr.コーギー達は武器の切れ味が鈍るとソレを捨て、新たな武器を其の身から抜き取っては使用していた。


「いやはや見た目に酷い無双モード、弁慶も足利義輝公も吃驚仰天やねー。

 ……酷いんは外的要因だけやのーて、内的要因もやけどなぁ」

「どういう意味だら?」

「ゲーム・システム上でやと、“お前は既に死んでいる!”でな。

 どんだけ敵を倒しても、経験値は加算されへんって事。

 ってな訳で。

 彼らは今、せっせと骨折り損の草臥れ儲けをしてくれてるって事やわさ」


「【 シ・ネ・シ・ネ・シ・ネ・シ・ネ……シ・ン・ジ・マ・エ 】」


 荒れ狂う竜巻の如く、アンデッド達に安らかならざる死を振り撒き続けた四人であったが、やがて彼らにも正しい死が訪れる。

 死後に蓄積され続けたダメージが、遂に臨界となったのだ。

 光の泡となる間際、Dr.コーギーは陣地の方を振り返り、右手の親指を誇らしげに立てた。

 見るも無残に切り裂かれた口が、何かを伝えようとして蠢く。

 更に、崩れそうな顔を歪めて見せたのは、命を賭して為すべき事をした者だけに許された笑顔であったのだろうか。


「……“レオ丸、君の番”って“丸”が余分やんか、Dr.コーギー君」


 苦笑いを浮かべたレオ丸は陣地の縁に立ち、消え行く仲間の勇姿へと独り静かに拍手を送った。


「ほなまぁ、ワシも……赤い炎を潜らせてもらおうか」


 先立った<召喚術師>仲間同様、一切の装備を脱ぎ捨ててゲーム開始時点の最低限度の姿となったレオ丸は、陣地の縁に足をかける。

 そして両手にアイテムを持ち、奇妙な静けさに包まれた戦場へと身を投じた。

 ゼルデュス達は、レオ丸の実に自然過ぎる動作に思わず見送ってしまう。

 しかし思考硬直状態から解き放たれるや、慌てたように騒ぎ出し、誰も彼もが帰還を促す大声を出した。

 処が言われた当人はと言えば、布切れ一枚だけを身に纏った水島上等兵の如く、仲間の呼びかけを全て聞き流す。


「誰かが起たねばならぬ時って……出来たら起たずにゴロゴロとしてたいんやけどなー、ホンマはさ!」


 自陣と敵陣のほぼ中間まで歩いたレオ丸は、其処で立ち止まるや腰を落とし、大儀そうに胡坐を掻いた。

 元<GHOST MASTAERS>達の、捨て身の活躍で数を大幅に減らされたスケルトンブレーダーの軍勢だったが、再び仲間を補充しつつある。

 さほど待つ事もなくヒタヒタと、レオ丸の元へ更に其の先へと押し寄せて来るのは明白であった。


「頼んだりしてへんのに、或る日突然勝手に眠りを覚ましやがってからに。

 神秘だか不思議だかの謎を解かねばならぬ、だけなら万々歳やけどね、っと!」


 緊張感を押し込めるように無駄口を叩きながら、銀の鎖で縛られた紙束を目の前へセットするレオ丸。

 頬を強張らせながら左腕の袖を捲くり上げ、全てがゲームだった頃でさえ一度も使用した事のないアイテムに、幽かに震える掌を押し当てたレオ丸は束の間、息を止めた。

 そして左手の甲へ<墓場の主人(メートル・シミティエ・ブンバ)>の切っ先を押し当てるなり、渾身の力を刃へと込める。

 ズブリ。

 攻撃力を持たぬ儀礼用のナイフが深々と、レオ丸の右手ごと<トントン・マクート・ペーパー>の束を刺し貫いた。

 すると、次の瞬間。

 レオ丸の視界に一枚のウィンドウが自動的に展開し、決断を求めるメッセージが無機質に記される。


【 コノあいてむヲ使用スルニハ代償ガ必要トナリマス 】

【 代償ヲ支払イマスカ? YES or NO 】


「オッケー了解、身銭切って払うたるがな」


 左手が発する痛みを奥歯で噛み締めながら、躊躇う事なく“YES”を選択するレオ丸。


【 選択ガ為サレマシタ 】

【 貴方ハ代償トシテれべるガ一段階低下シマス 】


 ステータス画面の冒険者レベルの数字が明滅し、“92”が“91”へと下がったのを確認したレオ丸は、深く長い溜息をついた。


「意図せずに気がついたら上がったとった数字やねんし、別に惜しくも何とも……ちょいと早まったかなぁ?」


 掌の下で、カチャリと鎖が壊れる音がする。

 其の音が合図になったのか、進撃を開始するスケルトンブレーダーの軍勢。

 破壊だけをもたらす津波の如く押し寄せて来る死の大軍を前にして、レオ丸はすっくと立ち上がるや、掴んでいたモノを無造作に放り上げた。

 頭上で解けた紙束は、あるかなしかの夜風に煽られ拡散して行く。

 ヒラリヒラリと乱舞する、レオ丸の鮮血を吸い取り赤黒く変色したザラ半紙。

 陣地から見下ろす事しか出来ぬゼルデュス達の目に映るのは、美しさからは正反対の光景である。

 頼りない仄かな月明かりの真下に広がる、おぞましくて禍々しい、凶兆を具現化したような暗澹たる死の世界。

 そんな世界の中心で、生者であるのはレオ丸ただ一人。

 唯一の生ある者はナイフを傷ついた手に持ち替え、空いた無傷の手を高々と上げる。


「ザ・ビッグ和尚ターイム、……なーんて、な?」


 パチリと、右手が鳴らした刹那。

 宙を舞う全ての<トントン・マクート・ペーパー>が意志を持ったように、スケルトンブレーダーの軍勢へと一斉に向かい、膏薬のように其の体へと貼りついていった。

 貼りついた途端、今度はエメラルド色に煌めき出すザラ半紙。

 

「古人曰く、善きも悪しきもリモコン次第、とか何とか。

 されば我に服せよ、亡者共。

 我は死を慈しみ且つ弄ぶ、<死霊術師(ネクロマンサー)>なり!!

 ……訂正!

 元、<死霊術師(ネクロマンサー)>なり、や!!」

 いつもより文字数を増量したのに、終らせられなかった……。

 其れはさておき。

 よーやっと黒渦氏を再登場させられました。

 彼には次回も頑張ってもらう予定にて♪

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