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董卓の娘  作者: 神奈いです
第二章 花嫁修業

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毒婦

・火曜日の投稿です。昨日は休んですみません。

洛陽の禁中きゅうでん の中、長秋宮こうごうのみやでつまらなさそうにたたずんでいる何皇后カこうごうのもとに、弁皇子ベンおうじがやってきました。


「母上、珍しい点心おかしが手に入りましたのでぜひ」

「あら?弁から勧められるなんて珍しいわね?」


宦官がお盆に点心おかしを載せて進み出ます。


黄金色に焼きあがったそれは食べやすいように一口大に切り分けられており、切り口からは白くしっとりとした層が見えています。


「じゃあ頂くわ」


何皇后は一つつまむと、口に放り込みます。軽くかみしめると、口の中に広がった味に眉が大きく動きます。


「まぁ?!甘くて、なめらかで……これは……蘇?でもないわね。なにかしら!食べたことないわ!」


とても気に入ったのか、ハムハムと次々に口にいれていく何皇后。


「母上、これは乾酪蛋糕ちーずけーきと言ってこちらの女官が作ったものなんだよ」


しずしずと進み出る私。美少女女官の董青ちゃん13歳です。


「えっ……」


私の顔を見てとても驚く皇后殿下。いや、私が点心おかしを焼いたら何か変なのでしょうか。誤解されないように説明することにします。



「皇后殿下、いつもいつもご指導(・・・)ありがとうございます。お世話になったお礼(・・・・・・・・・)にぜひと思って心を込めて作りました。じっくり味わっていただければ幸いです」


「ひっ……!?えっ?!だって……」

何を慌てておられるんでしょうか?ただのお礼(・・・・・)ですのに。


「母上、どうしたの?あ、大丈夫大丈夫。珍しいけど食べても何ともないよ?」

「あ、あなた!弁に取り入ってると思ったらそこまで?!」


たしなめた弁皇子の言葉にさらに取り乱し始めた皇后殿下に周りがざわざわとしはじめます。


皇后殿下の隣に控えていた大長秋(宮内大臣)趙忠チョウチュウさんが見かねて口を出されます。


「皇后殿下、どうされたのです?毒は入ってない(・・・・・・・)ですよ、毒見はきちんと」

「あ、あなたまで――?!イヤーーーっ?!!」



バタン。



「皇后殿下がお倒れになられたぞーーー?!!」


ちょ?!人のネタ取らないでください?!




 ー ー ー ー ー



洛陽の禁中きゅうでんベン皇子の部屋。


宦官さんたちが奇麗に掃き清めた室内には、かすかに品の良いお香の匂いが漂います。


そしていつも通りペチペチと白黒りばーしを打つ音。


いい加減年頃の女性を部屋に連れ込むのはやめてほしいのですが、私に拒否権があるわけないですね。


そもそも趙忠さんのせいで所属がベン皇子付きに変更されちゃってますし。


最近は3:7、弁皇子が3で勝つようになってきました。だんだん自信がついて来たような感じがします。


そんなある日に弁皇子が得意げにおっしゃいました。

「あ、何進カシン大将軍が黒山賊を降伏させたって聞いた?」

「はい、おめでとうございます。朝廷のためにも良いことですね」


皇帝陛下ちちうえに褒められたんだ。なかなか目の付け所がいいって」

「すごいですね、すごいー」


心を一切込めずに皇子殿下を称賛します。


最初に献策したのは私で、実際に命を懸けたのは劉備リュウビさんで、私も暗殺されかけたんですけどね。


まぁ、弁皇子が陛下の気持ちを教えてくれたので上手くいったのは事実ですけど。



「ふふん、そうだろう……ところでさ、なんであちこちで反乱がおきるんだと思う?」

「そうですね、困ってるから反乱以外ないと思い詰めているのでは?」

「困るなって言えばいいのかな?」

「いや、反乱するなと言ってもしますよね。そもそも困ってる原因を解決してあげないと」


というと弁皇子は首をひねります。


「困ってる原因って何だろうね?」

「それこそ人によって違うと思います」

「難しいなぁ、体験しないとダメか」


……たしかに、宦官が快適に管理して何でも思い通りになる禁中きゅうでんの中にいて、農民が何に困ってるかとか察しろというのは無理だと思います。


でも大事な後継ぎに農業体験とかさせないでしょうし……させないですよね?模擬店で経済教えようとしてましたけど?!



と考えていたところに、宦官さんがお盆に何か乗せて入ってきました。


「失礼いたします、木鈴さま。ご指示通り焼きあがりました」

「あ、ありがとう」


宦官さんからお盆を受け取って、弁皇子の前に置きます。うーん。がっつり食べられてますね……。半分しか残ってない。


「ん、なにこれ。いい匂い」

乾酪蛋糕ちーずけーきという点心おかしでして、大変美味しいので皇子に差し上げようと……毒見も終わってますね」


今回の件で弁皇子も少しは役に立ってくれましたから、お礼のためにお屋敷で焼いて持ってきたんですが……「外で作った食物を献上しようとは何事!」と趙忠チョウチュウさんに没収されちゃったんです。毒殺対策だと言われて納得はしました。


で、没収して食べた趙忠さんが「あら、これ美味しいじゃない」ということで改めて禁中きゅうでんで焼き直したのがこちらになります。


がっつり毒見つまみぐいされちゃってますが。……割と自由ですね宦官さんたち。



弁皇子は小さく一口食べると、もぐもぐと口を動かし、そしてぱっと表情を明るくして言いました。

「うん!美味しいねこれ!こんなの初めて食べたよ!そうだ!母上にも食べてもらおう!!」

「あ、ぜひお願いします!皇后殿下にはお世話になっていますので!」


というわけで何皇后に献上したのですが……。なんでああなりましたかね。

・何皇后はむかし、ライバルを毒殺した(という噂がある)

・何皇后は董青をいじめている。

・何皇后は董青から「お礼」のお菓子を貰って、もう食べてしまった。

・弁皇子が董青の肩を持っている。

・趙忠が董青の肩を持っている。

・この時の何皇后の気持ちをこたえよ。

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現行連載作  迷宮伯嫡子はカネがない

大借金で領地取りつぶしの危機である。頼れる親や重臣たちは外出中、財布は空で留守番役。
状況を切り抜ける特別なご加護や卓越した武勇や超魔力なんかもない。
そんな状況だけどボクは前向きに取り組んでいく。
まずは軍資金ゼロで軍隊を動員?できなきゃ領地は大変だ?
― 新着の感想 ―
[良い点] て、てんぜん様が増えておられるぞ…!
[気になる点] タイトル誰のことなんだろうなー(棒
[一言] 答え 王子をたぶらかす女をちょっと苛めたら脅された、マジ怖い。
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