表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
董卓の娘  作者: 神奈いです
第四章 改革への道

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

115/191

炒飯と文官仕事

・日曜日二回目の投下です

挿絵(By みてみん)


熱した鉄鍋に豚の脂身を入れて油をにじませます。

火力をマシマシにするため、持参した石炭を投入。


あんまり乾いてないクズ石炭も蒸し焼きにすると火力が増せることがわかりました。

そういう蒸し焼きにしたクズ石炭を突き固めた石炭団子を調理用に持ち歩いています。


この時代、まだ大型の鉄鍋というのはあまり普及していません。

河東の教団本部では集団調理なので、特産の鉄を使った大鍋を料理に使うようになっています。



充分に油を出したら、豚肉のコマ切れをいれて多めの油で揚げ焼きにします。

じゅうじゅうといい香りがしてきました。


肉の色が変わってきたところで溶き卵を投入。


じゅわわわわと卵が一気に油を吸い込み、ふわとろに焼きあがっていきます。

卵はあまり焼きすぎず、半熟なぐらいで炊いた米飯の出番です。


鉄のお玉(これも新しく作りました)を使って、ひたすら卵とご飯を混ぜ。

混ぜ。


鉄鍋を振りながらひたすら混ぜます。


いい感じの色になってきたので、豆鼓みそとネギのみじん切りを追加。

しかし、醤油がないのが悔やまれます。


豆鼓みそをなんやかんやすれば醤油に進化するはずなのですが、教団本部の料理部での開発は上手く行ってません。



はい、最後に塩と胡椒、ゴマをすりおろしたものを振りかけて、炒飯ちゃあはんの完成です。


完成した飯をお出ししました。


「はい、どうぞ」

「美味えなこれ!」



長沙チョウサ太守ちじ孫堅ソンケンさんが大喜びです。

ほらほら、米粒が溶き卵に包まれてパラパラですよー。


うん、美味しい。

鶏ガラスープの素とかあったらもっと良かったですが。

炒飯一つつくるのに鶏ガラ煮るのはちょっと手間が。


「くっ……北の涼州リョウシュウの人間にの人間が米の食い方で負けただと……?」

「あはは、いやいや。後宮で料理係などしてただけですから」

「……あんた宦官だったのか?」


……迂闊っ?!

後宮に入れるわけないですよ私、今男装してますよね?


「あ、いや、その、妹!妹がですね!妹が後宮で働いてたことがあって!それで料理を教えてもらったんです!」

「ほう!董一族の娘かー!いいねぇ、何歳だ?うちの策と結婚させるってのはどうだ?」


うっ……孫策ソンサクさんですか……美青年らしいですけど、乱暴な感じだし、ちょっと……ですねー。


「それは私の決めることでは」

「そりゃそうだ。お父上にそれとなく聞いてくれるか」


ほっ。漢人が自由恋愛でなくて楽なのは何か言われても「父上に聞かないと」って逃げられることですね。

逆に言うと董卓パパが乗り気になったら逃げられないんですが。



「よし、こっちは蒸し魚を用意させたぜ?これが米に合うの合わないのって!」

「おおー」


長沙の近くの洞庭湖ドウテイコで釣れた大型の淡水魚が蒸篭の中で皿ごと蒸しあげられています。


塩とネギで素朴に味付けされた丸まると太った白身魚はとろとろの油が流れるよう。


それを炒飯に乗せていただきます。


「ああ、ほくほくしてますね!」

「白飯でも極めて美味いんだが、炒飯に乗せてもいいねえ!」


ワイワイいいながら米を食べる私と孫堅さん、北生まれの公明コウメイくん、趙雲チョウウンさん、程普テイフさん、韓当カントウさんが遠目に生暖かく見守っています。


くっ……私だって涼州生まれの河東育ち。アワとムギで育った人間ですが……

コメも食べたいんですよ!!そんな目で見ないでください!美味しいですから!!




魚と炒飯を腹いっぱい食べて、お茶を頂きます。


「で、話ってのはなんでい?」

「はい。まずは盗賊の討伐ありがとうございます」


孫堅さんは長沙の太守となると、さっそく盗賊の罪で豪族の区一族に出頭を命令。

反発した区星オウセイが挙兵したのを騎兵で速攻して撃破。


あっという間に長沙郡内の横暴な豪族をあらかた討ち平らげてしまいました。


区星オウセイは近隣の桂陽郡や零陵郡に広がる区一族の親戚のもとに逃げ込みました。

普通に考えれば長沙太守の権限は隣の郡には及ばないので、これで区星オウセイが逃げ切った……


と思いきや、孫堅さんは平然と隣の郡に騎兵を送り込みました。

そして十常侍で車騎将軍げんすい趙忠チョウチュウさんの命令書を使って、無理やり現地の太守ちじに出兵を認めさせます。


これで、長沙、零陵、桂陽の3郡で蔓延っていた盗賊豪族たちがことごとく討伐され、降伏したのです。


豪族たちの財産を郡政府に没収し郡の赤字もあっという間に解消、倉庫も一杯になりました。


「えっと、まずですね。孫府君ソンケンさまが金を独り占めすると悪い評判を呼びますので、豪族から奪った絹や米は兵や部下に配り、奪った金は車騎将軍チョウチュウさまにお預けするのがよいかと」

「兵や部下に配るのはいいが……宦官に金を渡さないとダメか?」

孫府君ソンケンさまはあくまでも戦利品を封印して朝廷に献上するのです。ただし、今回の命令は車騎将軍チョウチュウさまから受けたもの。戦利品は車騎将軍チョウチュウさま宛にお送りしましょう。あとは朝廷で考えることです」


……洛陽の弁くんと趙忠さんから「孫堅をクビにしろって荊州ケイシュウ刺史そうとくが言ってるよ?」って連絡が来たんですよねぇ……。

お茶を安定して入手するためには、孫堅さんに長沙の治安を落ち着かせてもらわないといけないのに、孫堅さんがクビになったら困ります。


まぁ、趙忠さんが勘違いして戦利品を着服するかもしれませんが、それは趙忠さんの問題ですからね!


「まぁ、朝廷の命令で稼いだ戦利品だから、それは道理だな。わかったぜ」

なんとか孫堅さんに納得してもらいました。


「あと、新田開発をして、お茶と砂糖を作ってほしいのです」

「ふむ?いや、いいが、俺は武官でそういうことはあまり知らんのだが……?」

「もちろん、御支援しますよ!」


汚い宮中政治はさておき、私の本題はこっちです。


練りに練った長沙郡の開発計画を説明します。



まず、豪族から取り上げた奴婢どれいは解放して良民へいみんに昇格、豪族の土地を分配して納税する戸数を一気に増やします。


さらに、郡政府で新田開発を行い、河北の土地なし流民を受け入れます。


新田開発には巨額の予算が必要なため、解放した元奴婢もとどれいの家に、茶葉と甘蔗さとうきびの栽培を奨励するのです。


お茶は揉んで火入れをして、突き固めて乾かすことで輸送に向く餅茶にします。バラバラの茶葉だと湿気を吸って腐ったりするので遠くに運べないんですよね。

カチカチにつき固めれば北の遊牧民にも売れるようになるはずです。


甘蔗さとうきびは今の食べ方だと茎のまま山地の江南からはるばる洛陽まで運んで、絞った汁を飲んでいます。大変かさばりますし、運んでいるうちに一部は腐ってしまいます。これも長期輸送には向きません。


甘蔗の汁を煮詰めて乾かして黒砂糖にすることで長期輸送に向くようになるはずです。



この二つの製品を加工して洛陽の市場に持ち込むことで利益は数倍になります。



その利益で河北の鉄や家畜を仕入れて新田開発に使うのです。



「これらの施策を行えば、数年で長沙の戸数は大いに増え、孫府君ソンケンさまは名太守として讃えられることになりましょう」

「……名太守……それって武官じゃなくて、文官として俺が認められるってことか?」

「そうですね?内政して戸数を増やすのは文官仕事かと」

「いいねぇ!!俺が文官だって?いいねえ!!!見てやがれよあのクソ刺史野郎!」


なぜか孫堅さんは文官仕事と聞いた瞬間、ものすごくやる気になりました。


……孫堅って勇猛な武将だったよね?なんで文官仕事やりたいんだろ………?


ま、いっか!私に得しかないし。


「では、元奴婢もとどれいいえの指導は私たちにお任せください」


さっそく、北から熟練信者ぷろしんじゃと鉄の農具、家畜を大量に呼ぶ手配をしました。


よし、太守ちじの了承を得ましたので、河伯教団の長沙支部を作りますよ!

・いいねくーださい♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現行連載作  迷宮伯嫡子はカネがない

大借金で領地取りつぶしの危機である。頼れる親や重臣たちは外出中、財布は空で留守番役。
状況を切り抜ける特別なご加護や卓越した武勇や超魔力なんかもない。
そんな状況だけどボクは前向きに取り組んでいく。
まずは軍資金ゼロで軍隊を動員?できなきゃ領地は大変だ?
― 新着の感想 ―
[一言] 皇帝が皇太子の進言を聞き入れて新田開発を推奨したタイミングでこれですからね。 孫堅を上手いこと取り立てれば新田開発ブームを巻き起こせますね。
[一言] 油かすうどんの誕生も近い
[一言] 某三国志の美少女ゲ―の黄巾が起きた理由みたいになりそうです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ