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散文詩みたいな感じです。

徒然なるままに、筆を走らせてみんとす。

 一日の疲れをお風呂に溶かす。湯船は私を優しく受け止める。


 筋肉の痛みが、ハリが、湯に溶けて、今日という日が、水に混ざる。


 ああ、あの上司のいやらしいかお。あの同僚の罵声。お客の金切り声……。全部全部溶けていく。


 私というタンパク質を溶かすお湯は、これはなんのスープだろうか。原初の生き物たちの素材を集めたスープはこんなんだろうか。


 じっくりと、ゆっくりと芯から温まりつつも、どこか頭が冷えていく。きっと内部からの冷えはある種の怒り。


 唐突に浴槽の栓を抜く。ゆっくりと水位と一緒に何かが流れていく。想いも気持ちも、ぐるぐると、ただぐるぐると。時計周りのうずは、南半球なら逆だという。時計の逆に回るなら、時間だって巻き戻せるんだろうか。そんな事を考えている間に、水は全て抜けきって、身体の浮遊感が無くなる。浮いていた思考がゆっくりと私の体に戻っていき、嘆息と共に私はゆっくりと立ち上がる。


 帰ろう現実へ。還ろう私へ。


 脱衣所の鏡で、呆けた女が一人こちらを見ている。それが私だ。肉体に収まった私だ。じゃあ行こうかと笑いかけ、私はまた現実へと戻っていく。垂らした水はそのままに。じっとりと。ただじっとりと。

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