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続 恋姫†無双 -外史の傭兵達-  作者: ブレイズ
第2部:荊州侵攻
14/21

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あ、頭が回らないよ……!

「ーー両戦闘団長臨場!」


「気を付けぇぇぇ!!」


廬江郡に集結した二個戦闘団の各隊指揮官達が朴中尉の号令で直立不動の姿勢を取った。


大天幕の中に響いた号令と踵を合わせる音が鳴った瞬間、中へ黒い戦闘服の上にコートを纏った和樹と将司が入って来る。


用意された椅子へ二人が並んで腰掛けると居並ぶ指揮官達も腰を下ろした。


「ーー何人かは久し振りに顔を見るが元気そうでなによりだ。作戦については机の上にある書類通りになる。まぁ……想定通りに事が運ぶとは思ってはおらんが戦友諸君の敢闘を期待する」


「ーーでは韓甲団長に代わって伝達する。戦車大隊長」


「はい、戦車大隊長!」


廬江郡で戦車大隊を率いる元黒狼隊戦車小隊長であったマハティール・バダウィ少尉が声を上げる。


「大隊から一個中隊を抽出し韓甲戦闘団の指揮下に入れ。残りの二個中隊は呂猛戦闘団へ抽出せよ」


「戦車大隊長、了解!」


「ドルジ大隊長」


「騎兵大隊長!」


かつて黒狼隊第一歩兵小隊副小隊長を務めていたドルジ少尉が返答した。


「大隊より一個中隊を韓甲戦闘団へ抽出。残りの中隊も呂猛戦闘団へ」


「了解!」


将司が次々と戦闘団を構成する部隊の指揮官達へ編制を告げていく。


編制の通達が終わると和樹はタバコを銜えて火を点ける。


「ーーこれより暁作戦を発動。現刻より30分後、両戦闘団は前進する。行軍序列は韓甲戦闘団が先頭。呂猛戦闘団は後に続け。細部の行軍序列は各戦闘団ごと」


「「「了解!!」」」


「各個に別れ。解散」


「ーー気を付けぇぇぇ!!」


起立した指揮官達が不動の姿勢を取ると和樹と将司は足早に大天幕を後にした。





「ーー団長、定刻であります」


「ーー戦闘団、前進開始」


「戦闘団前進!前へっ!!」


「戦闘団前進ーーっ!!」


「騎兵中隊、前へぇぇぇ!!!」


1200の定刻を迎え、韓甲戦闘団は前進を開始した。


内訳は基幹部隊となる第1連隊(歩兵連隊)1500名。一個戦車中隊はT-72(大隊長車)と62式軽戦車、回収車を含めた14輛。一個騎兵中隊は大隊長を含めた141騎。他に一個ずつの工兵中隊、砲兵中隊、補給中隊を入れた約2000名の兵力。


その後に続く呂猛戦闘団の内訳は基幹部隊の第2連隊(歩兵連隊)1500名。中隊長車であるT-72を2輛含めた二個戦車中隊28輛。一個騎兵中隊140騎。その他に工兵中隊、砲兵中隊、補給中隊が一個ずつで総兵力約2000名。


「重ねて確認するが宣戦布告は済んでいるんだな?」


「はっ、既に朝廷からの使者が各太守へ朝敵の指定、そして我軍からの宣戦布告を通告しております」


「反応は?」


愛馬に騎乗する和樹が傍らで同様に自らの愛馬を進める朴中尉へ声を掛けると彼は顎に手を遣りつつ戦闘団長の質問へ答える。


「僅かな軍勢など一捻り、と言った具合ですな。昨年は荊州で五胡を迎え撃ったと言うのに……」


「情報収集、それに基づいた情報の分析を怠るという事は致命的だな。同じ轍を踏む事はしたくないモンだ」


「いちいち御尤も」


「……連中は降ると思うか?」


「緒戦で徹底的に叩く……敵の将兵その悉くを殲滅すれば豪族共は誰を敵に回したか身をもって理解するでしょう」


「我軍の旗を見ただけで敵が降るようになれば御の字だ」


ククッと和樹が微かな笑いを溢しつつタバコを銜えて火を点けた。


「さぁ、さっさと俺達を見付けろ。先攻は譲ってやるんだ……後で卑怯と世迷い言を垂れぬようにな。文字通り“正々堂々”殺ってやる」


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