不死魔物ボス部屋
顔を見合わせて≪召喚≫など準備ができていることを確認し、謁見の間と思われる大扉を開ける。
かなり広い広間の奥の玉座には男性、その脇に2人の女性がいずれも王侯貴族という、派手すぎないがそれでも華美なドレスなどに身を包んで待ち構えていた。諸侯が並ぶであろう、両脇には無数のレイスが浮かんでいる。
「良くここまで辿り着いたね。きっと優秀な眷属になるだろう。特に麗しき者は歓迎だぞ」
「はぁ、どうして同じようなことしか言えないのかな。名前も言わなかった小物と同じよ」
「お前達ごときに名乗る名前などないのよ!」
「まぁまぁ、良かろう。我が名はハーランク・フォン・タウバイク。始祖と言えば伝わるのかな。真ん中のご婦人のお名前を伺っても良いかな」
「これから討伐する魔物に名乗る必要があるのか分からないけれど、私はサラ・ド・ドラセムよ」
「サラ嬢は、なかなかの魔力をお持ちのようだし、ぜひ我が右腕になって欲しいのだが、いかがかな」
「ハーランク様!」
「ははは、君達にもわかるだろう?君達では彼女に勝てないよ」
「そんなこと!やらせてください」
「はぁ仕方ない。サラ嬢も付き合ってくれるかな?」
膨大な魔力を感じさせるハーランクの右腕の一振りで、サラだけを仲間と分離するような≪結界≫が張られ、ハーランクの両脇に居た、おそらくAランクのヴァンパイア2人との3人だけの空間が作られる。
「サラ!」
「「サラ様!」」
ハリーや仲間達からの声が上がるが、
「大丈夫よ。それよりそちらも気をつけてね」
と声を返す。分離された仲間達の方にも膨大な数のレイスが襲い掛かろうとしていた。
「サラ嬢には意味のない≪結界≫だろうとはわかっているが、しばらくは余興に付き合って貰えるかな」
答える気にもならずため息だけついて気持ちを切り替える。




