侯爵領運営開始2
各拠点の行脚、住民台帳整備以外に取り掛かったのは新たな雇用である。
ローデットの話に従い、各国出身の従士団員が知り合い、後継ぎ等になれない三男以下の者たちを連れてきたのである。領地着任に向けた準備期間で各国に≪転移≫して呼んできたため、それほどの時間はかかっていない。もちろん能動的に仕官してきた者たちも多いが、後者はスパイの心配もある。
いずれにも新領地でいきなり仕事に就かせるのではなく、まずは代官地で定まってきた作業フローに対して従来の家臣団が見張りながら仕事をさせるのである。
当然、業務ごとに向き不向きもあったりするが、性格的なものはなかなか隠しとおせるものではなく、貴族であることを前面に押し出して傲慢なふるまいをする者は本採用をしないことにした。特に能動的に仕官してきた者たちにそのような者たちがいたが、ドラセム家の方針であると確実に線引きを行った。
本採用の際には、さすがに悪魔魔法の≪支配≫は露見した際に問題になると思われるので、契約魔法の≪簡易契約≫、守らないと気持ち的に体調不良になる程度の物を実施することにした。ドラセム家、領民のために誠心誠意働く、それらのためにならないことを実施しない程度の内容であることを雇用条件として明らかにした上での契約魔法の実施である。
ここでそれを誓約できない者も雇用しないことにすることで、質の悪い者、スパイ等を排除するためである。
「この≪簡易契約≫については、侯爵領で従来から働いていた文官・武官、領主館などの従業員にも実施することにしましょう」
ローデットの推奨に従い、サラやティアーヌ達が膨大な人員に対して駆けずり回ることになったのは後からの話である。




