求婚
「しかし、急に来るからそろそろ結婚の報告かと思ったぞ」
「早く甥や姪を見せてくれよ」
「そうだよ、サラに何かあった際に侯爵なんて襲爵できないのだから」
「いや、だからお前たちも結婚しろよ、早く」
「いつも一緒に来るそこのハリー君、君は違うのかい?」
「違うわよ、確かにいつも付き添って貰って居るけど、冒険仲間で今は従士長だからよ」
親子の会話を横で黙って聞いていたハリーだが、神妙な顔をして前に出る。
「はい。お父さん、お兄さんたち、サラさんと結婚させて貰えないでしょうか」
「えー!?いや、私へ言うのが先でしょ!?」
「おー、ぜひともよろしく」
「おお!」
と、親子だけでなく一緒に来ていた冒険パーティーのティアーヌ、ミーナたちも騒ぎ立てる。
一息ついたところで長兄ダン、次兄ジンが告白する。
「親父、俺たちも結婚するわ」
「何!?」
「俺たちに子供が生まれると、サラが油断すると思って待っていたんだよ」
「相手は?」
「近くの街の子だよ。狩りの獲物を売りに行ったときに時々あっていたんだ」
「お前たち・・・」
サラが兄たちを連れて、その街まで≪転移≫してそれぞれの彼女を村へ連れてくる。当然に意味の分からない魔法にも驚くが、父親と上級貴族の妹を紹介されて混乱する。
そのままいつものように村の宴が始まり、それぞれの結婚の話も披露されて大いに祝福される。
タイミングを見計らって、ハリーはサラを誘ってこっそりと抜け出す。
「順番が前後したけど・・・俺と結婚してくれるかな」
「遅いわよ。そうね、よろしくお願いします」




