不審客2
隣宅カーラの魔道具店で、不審人物のロンに再会し、ドラゴンの牙の用途を聞く。
「そうだな、その王級魔法のスクロールのように、本当に作れるのか世に知られていない物に挑戦したいのだよ」
「まぁSランク魔物でもあるドラゴンの牙ですから、普通の用途ではないでしょうけど。具体的には何ですか?」
魔法に関することであり、どうしても身を乗り出してしまうサラ。
「お?興味あるかい?じゃあ、ちょっ」
「お茶にも食事にもいきません。茶化さないでください」
全部言わせずに断り、続きを要求する。
「美人には本気なんだがな。いや、2人ともそんな怖い顔をしないで。美人が台無しだぞ。いや、はいはい。用途ね。龍牙兵って聞いたこと無いかな?」
「りゅうがへい?」
「まさか!」
さすがカーラは知っていたようである。
「そう、龍の牙の兵、ドラゴン・トゥース・ウォリアー、またの名をスパルトイ。もともとは牙に限らず、歯で良いとされているが、やはり数の少ない魔力も籠っていそうな牙が素材には良いかと思ってな」
「あのね、サラ。見た目はスケルトンみたいな骸骨だけど、もっと強い兵士なのよ。龍の歯を地面にまいたら生えてくると言われるけど、単純なゴーレム魔法でも死霊魔法でもないの。小さな牙を素材にするのに、人と同じ大きさの骸骨になるのだから。まぁ伝わっている話はほとんどおとぎ話みたいなものね。古代魔法帝国での兵士はこればかりだったという話もあってね」
「そうだな。でも、同じおとぎ話のような、ほとんど誰も見たこともない精霊、天使、悪魔と契約して召喚している者がそこに居るだろう?」
「そうですけど。何の根拠もなく闇雲にできることでも無いですよね?」
「実は禁忌、禁術とされていたその龍牙兵に関する魔導書を見つけてな」
「拝見したいです!」
「貴重な本だからなぁ。交換条件として、ちょっ」
「お茶にも食事にもいきませんが、見せて貰えないなら牙も渡しませんよ」
「うぅむ。分かった。牙を2本貰えば見せてやろう」
「交渉成立ね」




