ロージアン司祭
山間の城壁に支援に行っていたサラの仲間たちではあるが、魔物は攻めてこないままであった。気を緩ませた隙をついて攻めてくるつもりなのか、と思っていたところへ、至高教団の司祭たちが現場応援を兼ねた視察にやってくる。
狂信者になっていて歓喜する他の冒険者たちの対応と、冷静なサラの仲間たちの対応の違いが明確で、司祭たちに目をつけられてしまう。
「先日、魔物たちからお助けいただいた皆様ですね。ぜひ食事など一緒にいかがでしょうか」
魔物が攻めて来ているわけでもなく、断れる理由も無いため仕方なく食事に同席することになるカロルたち。そして、魔物が来ていないので気が緩んでいたと言えばそれまでだが、司祭たちから≪魅了≫をかけられてしまう。
しかし念のために姿を消して随行していた天使マルカルロが、司祭たちの隙を見て≪魅了≫を解除していったので、大事にはならなかったが、今後のことを踏まえると大問題である。
「≪魅了≫を勝手にかけるのは犯罪行為ですが、司法権もすべて至高教団の司祭たちが所持しているこの街で騒ぎ立てても意味が無いですよね・・・」
「≪魅了≫が効いていないことがバレるのも問題だろうから、しばらくは屋敷に籠っていることにするか」
「何か納得いかないけど、とりあえず使節団や宰相には報告しておくね」
水精霊シルビー経由で首都ダラムや王都ワーズに居るそれぞれに報告はしておきながら、余計な騒動に巻き込まれないように、屋敷に引きこもって様子見をすることにした。
あくまでも旅行・観光という名目であるので、体調を崩したようなカロルを残して、トリストフが買い物に出歩いている素振りである。
今度はそのトリストフに対して、司祭たちから食事の誘いがあるが、妻カロルの調子が悪いので、と適当に断っている。
強引に≪魅了≫をかけようとする気配もあったが、来そうなことが分かっているので、適当に別方向に顔をそらすような話題に変えることで対処も行っている。




