ハリー日常
ティアーヌたちと違いハリーは、すでに劣等感については諦めとの折り合いがついたことから、精神的に安定した日常を過ごしていた。
もともと妹リリーだけでなく他のメンバに比べても魔法の習得が遅く、女性が多いメンバの中において自分の立ち位置に悩みが多かったハリーである。途中から割り切れたことで、新メンバに対する育成や、対外的な従士長の立場も理解しての行動が落ち着いて取れるようになった。
港町から帰って来た今はサラたちが新しい魔導書にかかりっきりであるので、魔の森の開拓地に行って、ルーカイたちの騎士団の訓練に混ざらせて貰っている。
いざ何かが起きたときには、きっとルーカイに丸投げすることになると思っているものの、ある程度の騎士団の戦い方などを理解した方が良いと思ってのことである。何か新しい魔法を覚えるなどに比べたら理解しやすいものばかりであるので、素直なだけ吸収も早い。
またルーカイなど元々の軍人たちの方だけでなく、元盗賊であるアルバジルたちとも交流し、ダンジョン攻略なども一緒にすることで個々人とも親しくなり、魔の森の開拓地にハリーが行くと皆が集まって来て何かと話しかけて貰える関係性の構築が出来ている。
彼らにするとかなり若い上司になるのだが、そこはハリーの気さくな性格も好影響となっているのであろう。もちろん王級の武技が使える強さの根拠もある上に、メンバにもそれらを指導していることもあるのであろうが。
さらにサラたちが忙しそうにしているため、皆でダンジョンに潜った際の冒険者ギルドへの納品や、精霊の祠に関する情報の集まり具合も確認している。ちなみに、以前に話の合った、アルテーラ王国の精霊の祠の噂は、どうも風精霊のようであり、無理には行かないで良いとなっている。
もう一つハリーの重要な役割として従魔たちの主であることから、暇を見ては王都にいるバトルホースたちや、ロック鳥やワイバーンも連れて魔の森の開拓地や魔の森に入ってのストレス発散も行っている。
デュドニとガエルたちから、孤児の情操教育のためにも生き物との触れ合いが大事と言われて、一緒に遊ばせたりもしていて、王都に居るときはかなり充実した日々を過ごすハリーであった。




