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残念な魔女見習い ~火傷痕コンプレックスからの魔法成り上がり~  作者: かず@神戸トア
魔女見習いサラ

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魔鼠

何度も行き止まりを確認して戻るという地下水路の地図作成をしながら、数匹ずつの魔鼠を問題なく倒して進む3人。

当然大きな領都の地下すべてを一日で歩きつくせるわけがなく、その日は引き上げて、入り口にいた役所職員に倒した魔鼠の数の報告をし、翌朝の待合わせ時間を約束する。

さすがに地下水路にいた魔鼠の肉や毛皮を実家の宿屋に持ち帰りたくないとハリーたちは言い、3等分した魔石だけ貰っていった。


サラも魔石も取り吸血が終わった魔鼠の死体は、前歯だけ触媒のために取り分け、後は師匠エミリーに燃やして貰おうと持ち帰った。エミリーは裏庭で火魔法を使って燃やしてくれたが、数匹だけ死霊魔法の訓練に使ったら?と残された。


翌日からも地下に潜り、地図作成かねがね魔鼠の駆除を繰り返す。たまに数匹ではなく10匹以上の塊にも遭遇し、その場合は群れとしてはDランク相当の脅威とはなったが、鉄級3人としては問題なく対処できる程度であった。


数日たった日、魔鼠との遭遇数が多くなった。その地域での生息数が多いということであり、慎重に進みながら駆除していると、サラ達が今までと違う気配に気が付いた。

角をそっと曲がると20匹以上の群れの中にひときわ大きい個体が待ち構えていた。さすがにそのまま突っ込むのではなく、一番最寄りの行き辺りのところまで一度に何匹か誘い出して群れの数を減らしていった。ただ、最後には大きな個体、大鼠と通常より大きめの魔鼠5匹は残ってしまった。


遠くから弓の≪穿孔≫と≪水刃≫の遠隔攻撃で取り巻きを狙い、接近したときにも取り巻きを倒しきることで、最後に大鼠に対して戦力集中することにした。数が減るまでは≪挑発≫により敵の攻撃を引き付けたハリーは≪受流≫に注力し、残る二人が槍≪刺突≫や≪水刃≫と短剣≪刺突≫を繰り返し使用した。

何とか倒しきったときにはハリーはかなり傷ついており、≪治癒≫だけでなくエミリーの高級回復薬も使用して、戦果でも大物だけを担いで地上に戻った。

役所職員に実物を見せつつ、あと数日でいったん全地区を踏破してから完了報告をする旨を報告した。


事実、あと数日は小さな群れとの遭遇しかなく、踏破してから完了報告とした。ちなみに完成した地図にも追加報酬があるとのことで提出した。


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