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世界最速のレベルアップ ~無能スキル【ダンジョン内転移】が覚醒した結果、俺だけダンジョンのルールに縛られず最強になった~  作者: 八又ナガト
第二章 ダンジョン踏破者と奪うモノ

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78 隔絶の魔塔

 エクストラダンジョン、【隔絶の魔塔】が現れた日の夜。

 ワイドショーの話題はもっぱらそれ一択だった。



『御覧の通り、ダンジョンと思わしき建造物が突如として出現しました。ただ、通常のダンジョンと異なる点が幾つも存在します。通常のダンジョンは地中に出現するのにもかかわらず、このダンジョンは地上に塔のような形で出現しました。さらに調査の結果、このダンジョンにはゲートが見当たず、中に入ることは不可能なようです。他にも幾つかの疑問点が存在し――』



 テレビの中でリポーターが話している内容を、俺と華は一緒に眺めていた。


「地上に現れたダンジョン、か。たしかに不思議だね」

「……そうだな」


 華の言葉に俺は頷いた。

 あれが隔絶の魔塔であると知ってはいるが、なぜ地上に現れたのかは俺にも分からない。

 中に入りさえすれば、その理由も分かるのだろうか?


 なんにせよ、今の俺には隔絶の魔塔に挑戦する以外の選択肢はない。

 体調的にも問題ないし、さっそく明日行ってみるつもりだ。

 ただ、不安な点は幾つかある。


 まず、俺はダンジョン出現後の初挑戦者になったことがない。

 常にある程度の攻略情報が揃ったダンジョンを、入念な準備をした上で挑戦してきた。

 まあ、それでも剣崎ダンジョンにおける無名の騎士のようなイレギュラーな事態に遭遇することもあるのだが、それはかなり珍しい例だ。


 今回、俺は初めて何の情報もない状態で、ダンジョン攻略をすることになる。

 その上でできる限りの準備はしておかなくてはならない。


 そもそも、一日で攻略できるような規模かどうかさえ分からない。

 食料なども持っておいた方がいいだろう。こういう時はアイテムボックスがかなり便利だ。

 あと、やっておかなければならないことは……報告か。



「華。悪いんだけど俺、明日からちょっと遠出するから数日間は家に戻らないかもしれない」

「? どこに行くの?」

「それは……秘密だ」

「っ! まさか彼女ができたの!?」

「違うし、そんな話があったことはこれまで一度もない」

「ご、ごめんね、お兄ちゃん……」



 なぜか華が真剣な顔で謝ってくる。

 別に俺は怒ってないのにおかしいなーあはは。


 少し間を置いた後、華は改めて口を開く。


「数日間って、正確にはどれくらいなの? もう少しでダンジョン内演習があるけど、それには間に合いそう?」

「む、そう言えばそんなのがあったな……」


 華が正式な冒険者資格を手に入れるために必要な演習だ。

 そちらに関しても、保護者などの同行が許されている。

 だから俺もできればついていきたいと思っているんだが……


「絶対とは言えないけど、できるだけそれに間に合うように頑張るよ」

「そっか、分かった。まあ私はこの前お兄ちゃんたちに色々と教えてもらったし、同行者がいなくても問題ないとは思うんだけどね」

「こら、ダンジョンで油断は禁物だぞ」

「分かってまーす」


 そんなやり取りで会話を終え、俺は明日に備えて早めに寝ることにした。

 隔絶の魔塔に何が待ち受けているか、期待と不安が半々といった状態で、眠りに落ちるのだった。



 翌日。

 俺は隔絶の魔塔に行く前に、冒険者御用達の店で買い物をしていた。

 できる限りの準備をするためだ。

 既に5000万円を超えている貯金を使い果たすつもりで、必要と思えるものを買っていく。


 体力回復薬、魔力回復薬、極大爆石、それから一振りの短剣など。

 これだけあれば、かなりのシチュエーションに対応できることだろう。


 買い物を終えた後、その足で俺は隔絶の魔塔のもとに行く。

 自宅からは約1時間。人が住んでない自然の中に、ポツンと建つ巨大な塔。

 それを取り囲むように、冒険者協会の者らしき人たちや、警備員たちがいる。


「そりゃ、こんなもんが突然現れたんだ。調査するのは当然か……仕方ない、隠密」


 彼らに気付かれないよう、隠密を用いて塔の縁にまで移動する。

 高レベルな索敵スキルを保有している者がいたらバレる可能性はあったが、どうやらその心配はいらなかったらしい。


「ここまでくれば十分だろう」


 アイテムボックスから隔絶の魔塔へのチケットを取り出す。

 挑戦できるのは一度のみ。

 俺は迷うことなくそのチケットを破いた。


 その瞬間、俺の体が淡い白色の魔力で包まれる。



「さあ、満を持して現れたエクストラダンジョンとやらがどんなものか、見せてもらおうか」



 直後、転移魔法が発動し、俺は隔絶の魔塔の中に入る。

 こうして、地獄のような日々が幕を開けるのだった。



 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 天音 凛 19歳 男 レベル:6604

 称号:ダンジョン踏破者(10/10)・無名の剣豪・終焉を齎す者(ERROR)

 SP:3010

 HP:52040/52040 MP:14000/14000

 攻撃力:12080

 耐久力:9520

 速 度:12380

 知 性:11680

 精神力:9440

 幸 運:10940

 スキル:ダンジョン内転移LV18・身体強化LV10・剛力LV10・金剛力LV6・高速移動LV10・疾風LV6・初級魔法LV3・魔力回復LV2・魔力上昇LV2・索敵LV4・隠密LV4・状態異常耐性LV4・鑑定LV1・アイテムボックスLV4・隠蔽LV1


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 ダンジョン内転移LV18

 使用MP:1MP×距離(M)

 条  件:発動者が足を踏み入れたことのあるダンジョン内に対してのみ転移可

 転移距離:最大で400メートル

 発動時間:1秒×距離(M)

 対象範囲:発動者と発動者が身に纏うもの


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無名の騎士(ネームレス・ナイト)(つるぎ)

 ・無名の騎士が装備していた剣。

 ・装備推奨レベル:6000

 ・攻撃力+6000

 ・敵のレベル(討伐推奨レベル)が自分より高かった場合、HPとMPを除くステータスの全項目を+56%。


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― 新着の感想 ―
[一言] ネームレスナイトが、たまにホームレスナイトに見える
[一言] 【無名の騎士の剣】が想像以上に育ってる。磨耗、劣化とか大丈夫か。 更に良い剣登場ならず(斬◯剣でな~い)。
[良い点] 78話まで読んだのですが展開が面白く楽しんで読んでます [気になる点] 設定上の気になる所はあるのですが作者様の感想欄の返信に有るようにテンポを考えたら長々と説明するのが難しいのでしょ…
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