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世界最速のレベルアップ ~無能スキル【ダンジョン内転移】が覚醒した結果、俺だけダンジョンのルールに縛られず最強になった~  作者: 八又ナガト
第二章 ダンジョン踏破者と奪うモノ

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77 エクストラダンジョン

 華、由衣、零と一緒にダンジョンへ行った翌日。

 俺はCランクダンジョン、【新見にいみダンジョン】へやってきていた。


 魔狼ダンジョンと同様 魔法を使用してくる魔物が出現するが、魔狼の指輪(真)があることに加え、そもそも圧倒的なレベル差からほとんどダメージを受けることなく攻略することができた。

 毎度のことながら、ダンジョン内転移を利用して超速で周回していく。



『ダンジョン攻略報酬 レベルが12アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 レベルが12アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 レベルが12アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 …………



 ひたすらに周回を続けること2日。

 特に問題が起きることもなく進めていく。



『貴方は本ダンジョンを規定回数攻略しました』

『ボーナス報酬 レベルが25アップしました』

『今後、貴方が本ダンジョンを攻略しても報酬は与えられません』



「これで8つ目か。順調だな」



 新見ダンジョンでは合計625レベルアップすることができた。

 この調子でどんどんと進めていこう。



 さらに翌日からは、とあるDランクダンジョンを。



『ダンジョン攻略報酬 レベルが6アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 レベルが6アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 レベルが6アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 …………



『貴方は本ダンジョンを規定回数攻略しました』

『ボーナス報酬 レベルが10アップしました』

『今後、貴方が本ダンジョンを攻略しても報酬は与えられません』



 合計で310レベルアップ。

 そこを踏破することができた翌日からは、さらに別のEランクダンジョンを周回する。



『ダンジョン攻略報酬 レベルが2アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 レベルが2アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 レベルが2アップしました』

『ダンジョン攻略報酬 …………



 Eランクダンジョンだから、周回数は他のダンジョンよりもかなり多めだった。

 だけど、腐ることなく愚直に続ける。

 そしてとうとう、その瞬間は訪れた。



『貴方は本ダンジョンを規定回数攻略しました』

『ボーナス報酬 レベルが5アップしました』

『今後、貴方が本ダンジョンを攻略しても報酬は与えられません』



「終わったぁああああああああああああ!」



 目標だった10個目の踏破を終えた俺は、思わず全力で喜びをあらわにした。

 肉体的疲労はともかくとして、精神的にかなりキツイ周回をしているうちに溜まった感情を発散しているのだ。


 その傍ら、俺はダンジョン踏破者の称号に書かれていた内容を思い出す。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 ダンジョン踏破者(10/10)

 ・ダンジョンを踏破した者に与えられる称号。

 ・特定数のダンジョンを踏破することによって、様々な恩恵が与えられる。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 この称号では、特定数のダンジョンを踏破することで様々な恩恵が与えられると書いてある。

 そしてたった今、その特定数である10個目を踏破したのだ。


 新たに称号の効果が増えるのか、なんらかのスキルを手に入れられるのか。

 どのような恩恵が与えられるのか、ずっとわくわくしながら待っていたのだ。

 今こうして何も考えず喜ぶくらいは構わないだろう。


「さあ、貰えるものはいったいなんだ? 俺にはダンジョン内転移があったから数ヵ月でクリアできただけで、本来なら超高難易度の条件なんだ。相当いいものが貰えるはずだけど……」


 俺はそんな期待を胸に抱く。

 しかし、実際に与えられた恩恵は、想像とは全く異なるものだった。



『称号保持者のダンジョン踏破数が10に達したことを確認しました』

『恩恵として、エクストラダンジョン【隔絶(かくぜつ)魔塔(まとう)】への挑戦権が与えられます』



「……何?」


 システム音が告げる内容を理解することができず、思わず首を傾げてしまう。

 隔絶の魔塔への挑戦権、と言ったのか?


 疑問に思う俺に応えてくれたわけではないだろうが、さらにシステム音は続く。



『対象者の現在のステータスをインプットしました』

『対象者は隔絶の魔塔に挑戦するまで、次のレベルアップをすることができません』

『対象者のステータスに合わせ、隔絶の魔塔の内部情報を変更します』

『ERROR。隔絶の魔塔が存在していません。対象者は世界初となる挑戦者であることを確認しました』

『隔絶の魔塔の生成を行います』



 次の瞬間、俺がいるダンジョン全体が――否、()()()()()()


「っ、なんだ!?」


 しかし、ダンジョン内にいる今の状況では何が起きているのか確かめる術はない。

 結局揺れが収まるまでの数分間、俺はその場で耐えるしかなかった。


 揺れが収まったタイミングで、システム音は再開する。



『隔絶の魔塔の生成が完了しました』

『それでは、対象者の挑戦をお待ちしています』



 それ以上、システム音が続くことはなかった。

 その代わり、俺の目の前に一枚の紙が落ちてくる。


「これは……」


 鑑定を使用すると、情報を読み取ることができた。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 隔絶の魔塔への挑戦チケット

 対象者:天音 凛

 ・10個のダンジョンを踏破した者に与えられるチケット。

 ・隔絶の魔塔付近にてこのチケットを破くことで、一度だけ隔絶の魔塔に挑戦することができる。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「正直、まだ情報を呑み込めてないが……とにかく、これを使って隔絶の魔塔とやらに挑戦しろってことだよな?」


 本音を言うと、こんなよく分からない招待に応じてやる義理はないのだが、問題はシステム音が告げた一つの文言。

 隔絶の魔塔へ挑戦するまでレベルアップができないというのは、看過できない問題だ。

 結局のところ、俺には挑戦する以外の選択肢が残っていない。


「ただ、そもそも隔絶の魔塔ってなんなんだ? そんな単語聞いたことがないし、場所が分からないと行きようもないんだが……っと、ようやく転移魔法が発動するのか」


 あの不可解な揺れと関係があるのか、通常より随分と時間が経ってから転移魔法が発動する。

 それによって俺は地上へと帰還した。


 そして、俺は刮目することになる。


「なんだ、あれは……?」


 目の前に広がる光景に、俺は言葉を失った。

 俺だけじゃない。周囲にいる者たち全てが同じ方向を見て、目を見開いていた。


 ここから遥か彼方に(そび)え立つのは、天を貫くほどの巨大な塔だった。

 昨日まで。いや、つい先ほどまであんなものは存在しなかったはず。


 世界中の誰もがあの正体を知らない中、きっと俺だけが知っている。



「あれが隔絶の魔塔……俺が、これから挑戦することになるダンジョンだ」



 そして俺は、翌日よりあの場所に挑み、知ることになる。

 本当の意味でのダンジョン攻略というモノを。

というわけで、『エクストラダンジョン【隔絶の魔塔】編』開始です。


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― 新着の感想 ―
[一言] 超高難易度の条件どころか普通は一生かかっても達成できない条件でしょ
[一言] 今度はユニークBOSSじゃなくユニークダンジョン獲得とか(´つヮ⊂)ウオォォwwww ストレートにいいモノ与えてあげない鬼畜使用&レベルアップ出来ないとかまた殺しに来てるwww
[良い点] ヌルゲーになる所が、そうならなくてよく考えられて良い
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