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世界最速のレベルアップ ~無能スキル【ダンジョン内転移】が覚醒した結果、俺だけダンジョンのルールに縛られず最強になった~  作者: 八又ナガト
第二章 ダンジョン踏破者と奪うモノ

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68 冒険者協会の2人

 集合場所に辿り着くと、そこには50人近い学生と、その保護者らしき人物が集まっていた。


「かなり人が多いな」

「幾つかの学校から募集してたみたいだからね」

「なるほど」


 たしかにまとめてやった方が効率的だよな。


 そんなことを考えていると、冒険者協会の方が大声を張り上げる。



「今回の実習に参加の方は、名前を確認しますのでこちらに来てください! その際、同行される保護者の方などは名前とレベルだけで構いませんので、ステータス画面を見せていただきます!」

「むっ」



 思いがけない言葉に、俺は声を漏らした。

 考えてみれば、冒険者ではない者をダンジョンに入れるわけにはいかないのだから当然だ。


 ただ、俺にとっては少々問題が存在する。

 さすがに5000レベル超えのステータスをそのまま見せるわけにはいかないだろう。


 というわけで、


「だってさお兄ちゃん、早く行こっ」

「ちょっと待ってくれ」

「? まあいいけど……」


 スキル【隠蔽】を使用し、素早くレベルを書き換えよう。

 800前後なら問題ないかと一瞬思ったが、隣の華を見て考え直す。


 というのも、ダンジョン内転移が覚醒したことは彼女に伝えていないので、華は俺が冒険者としては才能がないと今も信じ込んでいるはず。

 さらには、俺が1、2ヶ月前までDランクダンジョンに挑戦するのがやっとだったことも知っているのだ。

 にもかかわらず、この短期間で数百もレベルが上がったことを知られてしまえば、疑問に思われる可能性がある。


 実際のところ華には本当のことを話してもいいとは思ってるんだが、ここみたいに人が多い所では止めておいた方がいいだろう。

 そう考えた俺は、ひとまずレベルを200ちょいに書き換えておくことにする。

 このくらいならまあ、許容範囲だろう。


「よし、行くぞ」

「今の数秒はいったいなんだったんだろう……」


 準備を終えた俺は、疑問を抱く華と一緒に冒険者協会のもとに向かう。

 すると、その30代後半らしき男はすぐに反応する。



「初めまして、冒険者協会推進課の片桐です。お名前をお聞きしても?」

「天音 華です、よろしくお願いします。それでこっちが……」

「兄の天音 凛です。今日は付き添いで来ました」

「それはそれは。ステータス画面を見せていただいても?」

「はい」



 隠蔽を施したステータス画面を見せると、片桐はさっと確認を終えた。



「ご協力ありがとうございます。今回入るのはEランクのダンジョンですし、200レベルもあるのでしたら何の心配もいらなそうですね。まあ、仮に何かあっても私は6000レベルを超えているので、安心なさってください」

「そうですか、それはとても心強いです」

「それに今回、冒険者協会から参加するのは私だけではありませんからね。おい、柳」



 片桐がそう呼びかけると、近くにいた若い男が反応する。


「は、はい、なんですか?」

「いや、お前のことも紹介しようと思ってな。彼は柳といって、今年大学を卒業した新入職員なのですが、5000レベル超えの優秀な人材です。彼も今回一緒にダンジョンに入ります」


 柳と呼ばれた、少し気の弱そうな印象を受ける男は、俺たちに対してぺこりと頭を下げる。


「や、柳と申します。本日はよろしくお願いいたします」

「はい、こちらこそよろしくお願いします」


 柳から伸ばされた手を、自然な流れで俺は握る。

 確かにレベルが高いこともあり、なかなか鍛えられていそうな感触だった。


「……ふむ」


 すると柳は突然、何かを吟味するような声を出した。


「どうかしましたか?」

「い、いえ! なんでもありません、大丈夫です!」


 焦った様子で柳は手を離す。

 少しだけどういう意図だったのか気になったが、無理に聞き出すことでもない。

 そう思った俺は、彼から視線を外した。



 それから数分後。

 今回参加する全員が集まり、俺たちは住福ダンジョンに入って行った。



「ダンジョン内転移」


 もちろん、現在スパン中の俺はゲートを通るフリをしながら、ダンジョン内転移を使用したのだった。

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― 新着の感想 ―
隠蔽意味無くて草
[気になる点] こんなに頻繁にレベル変えてたらいずればれるでしょ
[気になる点] レベル一万越えの人がわざわざ低いところにアイテム狙いで来ることもあるって前回のダンジョンで自身も言ってたのに頑なに隠蔽しようとしてると納得できる理由がもう少しハッキリと欲しいな〜なんか…
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