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世界最速のレベルアップ ~無能スキル【ダンジョン内転移】が覚醒した結果、俺だけダンジョンのルールに縛られず最強になった~  作者: 八又ナガト
第一章 ダンジョン内転移の覚醒

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11/225

11 圧倒

「っ……ちょっと動きが速いくらいで調子に乗ってんじゃねぇ! これでも喰らいやがれ! ウィンドカッター!」


 魔法使いの男の手から、風の刃が放たれる。

 俺の得手が速度だけだと思い、とにかく一撃でも攻撃を与えることを優先したのだろう。


「っ! なんで、効いてねぇんだ!」


 だが当然、速度以外のステータスも彼らの4倍近くある俺に、そんな攻撃は通用しない。

 HPが2530→2500に減少するが、こんなものは誤差だ。


「理由なんて決まってるだろ。ただ、お前らの力不足だ」

「っ! くそっ、ついてねぇ……なんでDランクダンジョンにお前みたいなのがいるんだよ!」


 まあ確かに、300レベルの奴がDランクダンジョンにいるなど、普通はありえないが……

 親切にその理由を説明してやるつもりはない。


「終わらせよう」


 ぐっと、力強く大地を蹴り駆け出す。

 3人はそれに応戦しようとするが、遅い。


 真っ先に魔法使いの腹に拳をめり込ませ気絶させると、残る2人――剣士とタンクに標的を変える。


「うおおおおお!」

「――――」


 血気盛んに迫ってくる剣士の一撃をかわし、腹部を殴る。

 意識を失った剣士がその場に崩れ落ちていく。


 次はタンクだ。

 速さに頼って畳みかけるのもいいが、ここはあえて真正面から打ち破る。


 小細工なしに迫る俺を見て、タンクは嘲笑うように大声をあげる。


「ははっ、馬鹿め! タンク相手に真正面からくるなんて、やり返してほしいと言ってるようなものだ! 喰らえ、カウンター・インパクト!」


 タンクの持つ盾が青く光る。

 これは確か、与えられた衝撃をそのまま相手に跳ね返すスキル。

 衝撃の強さに応じてMPを大量に消費する、かなり強力な技だ。


 だがその反面、弱点も存在する。


「はあっ!」


 俺は全力でタンクの盾を殴打する。

 すると青色の光は弾け、俺の拳は盾を貫いた。


「な、何が起こった!?」

「お前らはボス戦直後なんだろ? なら当然、MPはほとんど残ってないよな」


 発動に必要なMPが足りない場合、このスキルは不発となる。

 そのため、相手の妨害を受けることなく俺の攻撃は成功したのだ。


「終わりだ」

「ガッ」


 最後に一撃を加え、タンクを気絶させた。


 周囲を見渡す。

 剣士、魔法使い、タンクは気絶したまま。

 しかし――


「なめてんじゃ、ねぇぞ、クソガキがぁ!」

「……まだやる気か?」


 最初に一撃を加えておいたはずのリーダーが、痛みに耐えるようにして立ち上がっていた。

 両手で大きく剣を振りかぶり、血走った眼で俺を睨む。


「当然だ! テメェを殺さねぇと気が済まねぇ! 今度こそ真っ二つにしてや――」

「学習しないな」


 一閃。

 瞬時に距離を詰め、夢見の短剣を振るい、男の両手首を浅く斬る。


「なに!?」


 それだけで男は握力を失い、大きな両手剣が地面にカランカランと音を鳴らして落ちる。

 これで相手の戦力は全て削いだ。


「もう一度だけ問う」


 動揺する男の首元に短剣を添え、尋ねる。


「まだ、やる気か?」


 まっすぐに男の目を見る。

 俺の行動に対し何を感じたのかは不明だが、男は瞳に恐怖を浮かべ、小刻みに震えだした。


 そして、そのあとすぐに。


「お、俺たちの負けだ! 許してくれ!」


 大声で、自身の敗北を宣言するのだった。

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― 新着の感想 ―
「っ! くそっ、ついてねぇ……なんでDランクダンジョンにお前みたいなのがいるんだよ!」 Cランクダンジョンに挑むにはソロで300、パーティだと250くらい必要 なら、Dランクダンジョンに200-300…
[良い点] レベル300はまだまだとか言ってたのに格下とみるや唐突にイキリ出して痛々しいっすな!ある意味面白いです!!!! 口調とかも急にオラオラしだして思わず笑っちゃいました。なんという小物感…………
[気になる点] 作者が変わった?と思うほど途中から文体が変わった。正直びっくりした。
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