第91話:練金術が進化したんだが①
ただ単に待っているだけというのも時間の無駄なので、その間にポーションを作っておくことにしよう。
雑貨店の前にちょうど休憩スペースがあるのも都合が良かった。
俺のキャラクターレベルが5レベルまで上がったことで、『錬金術』をLv.2にすることができるようになった。
『気候操作』と『大陸共通語』は俺のレベルが5の時点でLv.3までスキルレベルを上げられるのだが、どうも『錬金術』に関しては必要レベルも違うらしい。
いや、正確には『錬金術』だけではなく『結界魔法』もまだLv.2までしか上がらないし、『システム操作』と『神の加護』にいたってはまだLv.1から上げることすらできない。
そもそもレベルが上がるのかどうか、どこまで上がるのかすらもわからないが、スキルによってレベルアップの条件が違うのは確からしいというのはわかった。
——ということで、SPを2消費して『錬金術Lv.2』にスキルレベルアップした。
早速試してみる。
『聖花』と『青い薬草』を調合し、魔力ポーション作成。
『聖花』と『赤い薬草』を調合し、生命力ポーションを作成。
それぞれ、とりあえず千個作成したが、全て成功した。
そして、スイに作ってもらった『聖水』を使ってさらに魔力ポーション同士、生命力ポーション同士を合成。
これにより、光り輝くポーションレベル1が五百個ずつできた。
さて、ここから光り輝くポーションレベル2への合成は成功率が五十%まで下がってしまうのが前回だったが、スキルレベルが上がった今、どうなるか——
生命力ポーションレベル1に、錬金術を使う。
サクサクと進め、一通り終えたのだが——
「あれ? 案外変わらないか……?」
五百本のポーションを合成した結果、成功した生命力ポーションレベル2の数は二百五十二個。
確率で言えば二百五十個になるはずだから二個多いが、これは誤差の範囲だろう。
つまり、『錬金術』のスキルレベルと成功率はリンクしないということか。
「スイ、錬金術のレベルが上がるといったい何が変わるんだ?」
「れべるっていうのはよくわかんないー。でも、スイが知ってる錬金術師は全然違うのも作ってたよ〜!」
「全然違うもの……? さっぱりわからんな」
ポーションのレベルが上がれば、飛躍的に性能が伸びる。つまりそれが全然違うものなのか……?
どうもそれも違う気がするな。
ひとまず作業を進めるとしよう。
光り輝く生命力ポーションレベル2を、光り輝く生命力ポーションレベル3に。
光り輝く生命力ポーションレベル3を、光り輝く生命力ポーションレベル4に。
光り輝く生命力ポーションレベル4を、光り輝く生命力ポーションレベル5に。
レベル2からレベル3の成功率は、前回と同じく二五%。
レベル3からレベル4の成功率は、一二・五%。
レベル4からレベル5の成功率は、六・二五%。
結果としては、このようになっていた。





