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第108話:魔法書をもらったんだが①

 遊戯場を後にし、美味しいものを食べた後、帝城に帰還。


 帰り際に、ミーシャから聞いた音声を送信できるアイテム——通信結晶というものを十個ほど購入しておいた。


 王都では手に入らないものなので、余分に持っておくに越したことはない。


 幸い、お金のことは気にしなくていいんだからな。


 食後のちょうど良いタイミングでユリウスさんと話す機会ができたので、ついに魔法書の話をしてみることにした。


「……というわけで、これが俺が持っている五冊の本です。あともう一冊この灰色の本がありますが、これはまだ読めていません」


 五冊の本に解読したことを説明し、その効果を現段階では俺しか享受できないことも含めて話した。


 帝国にとっては無用な本だろうからこの部分を隠しておけば有利に入手できたのかもしれないが、ここまで信頼されている上で、騙すようなことをする度胸は俺にはない。


「なるほど……この本の解読に成功したのか」


「ユリウスさんもご覧になったんですか?」


「そういうものがあるって役人に言われたからな。ちょっとだけ見たよ。まあ、内容はさっぱりだったがな。学者でも解読できなかったというのにあっさりやってのけるとは、ユーキ君は大したものだ」


「とんでもないです」


「お父様が褒めるんですから、凄いことなんですよ?」


 魔法書の話をする上でアレリアにも一緒にいてもらっているのだが、隣からそんなことを言われてしまった。


 確かにこれに関しては、俺がスキルで簡単に解読できてしまったものの、客観的に凄いことなんだろうということはわかる。


 でもだからと言ってあからさまに凄いだろうと自慢するようなことは言えないし、言いたくもない。


 俺はどんな反応をすれば正解だったんだろう?


「それで、その魔法書を譲っていただきたいんです。もちろん、相応の対価は用意します」


「お父様、私からもお願いします!」


 俺とアレリアが同時に頭を下げた。


「その魔法書とやらだが、ユーキ君に譲ろう。数日以内に準備させるよ。対価なんて面倒くさいものは受け取らん。帝国の倉庫で眠らせていてもなんの役にも立たないのなら、ユーキ君に使ってもらった方が良いというだけのことさ」


「ほ、本当ですか……⁉︎」


「俺は嘘は言わんよ。今朝剣を教えてもらった礼というのもあるし、そもそもユーキ君には強くなってもらわないとアレリアを守れないからな。ハハハ」


「ありがとうございます……‼︎」


 まさか、こんなにサクッと残りの魔法書が手に入るものだとは思わなかった。多少厳しい条件でも飲むつもりだったので正直拍子抜けだった。


 でも、さすがにタダで受け取るというのは気がひけるな……。


 ユリウスさんが対価は受け取らないと言っているのだから、しつこく食い下がるのも良くはない。


 なら——

「お礼というわけでもないのですが、最近困ったこととかありませんか? 俺にできることが何かあれば、やらせてもらえれば……」


「困ったこと、か」


「ええ、些細なものでも、何かあれば」


「すぐには思いつか……あー、あるにはあるな」


 ユリウスさんは思い出すように話し始めた。

お久しぶりの投稿になりすみません!!

書き溜めがあるのでこれからまた少しずつ更新していければと思います!



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