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下級巫女です!!  作者: 池中織奈


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暗殺者に狙われているようです。⑤



「トリツィア、誰がどんなふうにトリツィアを狙っているか分かったわけだけど、どうするんだ?」

「んー、とりあえず私にそういうの向けてこないようにしたいかな。幾ら来てもどうにでも出来るけれど、私の睡眠を妨害されるのってなんだか嫌だし」



 翌日、トリツィアはオノファノとそんな会話を交わしている。

 昨夜、暗殺者たちから情報を聞き出した後、トリツィアはぐっすりと眠った。


 しっかりと睡眠をとった後、昨日聞き出した情報から何をするかトリツィアは考えているようである。



 トリツィアは心穏やかに日常を過ごすことを望んでいる。

 だからこそ、睡眠妨害されるのは正直言って望んでいることではない。





「大元をどうにかした方がいいよね。それでいてそれ以上私に関わってこないようにはしたい」

「下手に小突く程度だと、トリツィアの強さを理解しないんじゃないか?」

「だよねぇ。私の見た目って結構侮られる方だからね。私が幾らぶん殴ってもそれを理解しない人もいるわけだし。どうやったら一番面倒じゃないかな?」


 トリツィアは、その裏組織をつぶすだけならいくらでもやりようがある。

 それだけの力を持っているからこそ、力で分からせることに関しては簡単に出来る。



 とはいえ、幾ら力を持っているといっても目立って面倒なことになるのは正直嫌だとトリツィアは思っている。



 面倒なことにならないように、今後睡眠妨害が続くことがないようにトリツィアはしたかった。




「色々根回しをして、表立っては目立たないようにするとして、そういう裏組織みたいな連中がトリツィアに手を出さないようにできるのが一番だろ」

「それはそうだよね。ただああいう睡眠妨害の人たちに依頼をした人って、えらい人たちってことだよね。裏組織側から手を出してこないようにしたとしても、その依頼をしてきた人が大人しくしているかな?」

「その辺は王子たちに連絡入れて対処してもらえよ。あの王子がトリツィアに関わったからこそトリツィアが狙われたわけだし」

「確かにそれはそう。どういう理由で狙ってきたのかは分からないけど、大元をどうにかしてもらうのが一番だね。あとは巫女姫様にも連絡して色々手を回してもらうとか? 多分、巫女姫様ってそれだけの地位があるからそういうの少しは詳しいと思う」

「色々手を回してなおかつ、組織側をたたけばしばらくは大人しくなるんじゃないか? 行くなら俺も一緒に行く」

「うん。私の睡眠妨害をした罪で、思いっきり潰すのもありかも」




 命を狙われたことよりも、睡眠妨害されたことの方がトリツィアは嫌だった模様である。

 そういうところが何処までもマイペースでトリツィアらしいと言えるだろう。




「『ウテナ』の人たちとか、マオも連れていこうか」

「『ウテナ』の連中はともかくとしてマオを連れていくのはどうしてだ?」

「マオの運動不足解消だよ。たまに散歩はしているけれど、マオだって時々思いっきり身体を動かしたいと思うし。昨日の暗殺者たちをどうにかするの楽しそうにしていたから、もしかしたら遊び足りないのかなって」

「まぁ、本来ならこういう所でペットをしているような存在ではないからな」



 トリツィアとオノファノが当たり前のペットのようにマオを扱っているから忘れがちになるかもしれないが、あくまでマオは魔王である。本来なら間違ってもただの下級巫女のペットになんてならないはずの存在だ。


 ちなみにマオは毎日、トリツィアとオノファノが散歩に連れて行っている。大神殿の広い敷地内でのみである。時折、大神殿にやってきたよからぬ存在もその散歩で大体駆逐されている。




「ひとまず、依頼をしてきた人たちに関しては王子様たちになんとかしてもらう。それで私の事を狙ってきた依頼された側に関しては襲撃かけて私の睡眠を今後妨害しないように誓ってもらう感じかなぁ。どれだけ大きな組織なのかは分からないけれど、そこから広めてもらえば私に手を出してこようとはしないよね」

「多分な。それでも手を出してくるなら殺せばいいだけだ」

「うん。そうだね。ちゃんと理解してくれる人だといいなぁ」



 面倒なことはそこまで好きではないので、一度の対応できちんと理解してくれればいいなぁとトリツィアは思ってならない。




 そういうわけでトリツィアは王子様と巫女姫に対して手紙を書いた。

 王子様への手紙は通常の手段だと届かない可能性があるので、『ウテナ』に頼んで届けてもらうことにした。『ウテナ』は旅芸人の一座としてとても有名なので、王子様の元へ向かうのは割と簡単に出来るらしい。

 巫女姫様には軽く、暗殺者から狙われたので話をつけに行ってきます、表の関係で何か対応してもらえるなら嬉しいですというのを送ってある。



 神官長にはトリツィアとオノファノで話を通した。といっても、「狙われたので対処してきます」というそれだけしか言っていない。神官長もどうせ詳細を聞いてもろくでもないことにしかならないことが分かっているので、「……大神殿に報復が来ないように頼む」とだけ告げていた。



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