第302話
兵舎に戻った信康は自分の部屋に行き、其処で一休みする前にシキブが捕らえたと言う侵入者を確認する事にした。
「じゃあ、シキブ。捕らえた者を見せて貰うぞ」
信康がそう言うと、粘液状態のシキブは身体を広げる。
そして信康を飲み込んで行った。
信康は抵抗せず、そのまま飲み込まれて行く。
そして信康はシキブの体内に入った。
入ると直ぐに四肢を、壁に埋め込まれた美女を見つけた。
ロングへアーにした亜麻色の髪。猫の目の様にパッチリと大きく、目尻がきゅっとつり上がった目。
黒曜石の様な瞳。目鼻立ちしてきりっとした美しい顔。
黒革で全身の線がもろに出る、ピッチリとしたスーツを身に包んでいる。
その服の上からでも分かる、豊満な胸と尻。それでいて細く縊れた腰。
美女は入って来た信康を見るなり、キッと睨む。
「・・・・・・貴方が、この魔性粘液スライムの御主人様?」
「まぁ、そうなるな。俺は信康と言うのだが、お前は?」
「・・・・・・」
美女は名乗らない。敵を相手にして、自分の名前を名乗る者など先ず居ないだろうが。
「ふむ・・・大人しく名乗る心算はないか? じゃあ、質問を変えよう。あの施設の情報は、何処で手に入れた?」
「・・・・・・」
その問いにも、女性は答えなかった。
「ふぅ、これも話さないか」
信康は溜め息を吐いた。そして、笑みを浮かべる。
「じゃあ、話す様にするだけだな」
信康は赤い炎の棘を発動させ、赤い棘付きの触手を美女の服に絡み付せた。
数時間後。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・」
捕まった美女は息も耐えた絵であった。
「なかなか耐えるな。じゃあ、ここらで交代だ。シキブ」
「はい。御主人様」
「責め方は任せる。俺は少し寝る」
「お任せください。御主人様」
「それじゃあ、何処かの美人諜報員さん。俺は仕事があるんでな。此処で失礼させて貰うぜ。明日になったら、様子を見に来るからな。その時はどうなっているか楽しみだ」
信康はそう言って、その場を離れた。
「ち、ちょっと、まちなさいっ」
美女が声を掛けるが、信康は構わずシキブの中から出て行った。
シキブの体内を出た信康は、そのまま寝台に腰を下ろした。
「じゃあ、シキブ。明日まで責め続けろ」
「承知しました。御主人様」
シキブがそう言うのを聞いて、信康は寝台の上で横になった。
「少し眠る。誰か来たら起こせ」
それだけ言うと、信康は眠りについた。




