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ガリ勉の俺がエロゲーの竿役に転生したが童貞すぎてラブコメは無理  作者: 揚羽常時


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第4話:女の子と添い寝


「ふう。やっちゃったな」


「……やっちゃいましたね」


「体力使いました」


「達成感がハンパないですね」


 そんなわけで、モボ鉄五十年プレイが終わった。セーブしたところから再プレイで、一位は俺。ゲームにはちょっと長けているので少しだけ自慢。ヒロイン三人はほぼ団子状態だ。


「じゃあ、カホル。今日の夕御飯は?」


「リクエストはありますか?」


「レシピにあるもので適当に作って。足りないものは買ってきていいから。とりあえず一万円」


 ヒョイと財布からお札を取り出す。


「い、いただけませんよ!」


「でも金ないと買い物できないでしょ?」


「ちゃんと自分で出します」


「でもカホルの人権は俺が買ってるんだから、カホルの経済事情も俺が管理すべきじゃね?」


「そ……れは……」


「というわけで作ってくださるなら何でもいいです。自称メシマズではないとのことなので、相応期待はしますぞ」


「で、では……」


 というわけで作られたのはカレーだった。俺の舌にはよくあって圧倒的に美味しいというか何というか。


「ど、どうでしょうか? アクヤ様……」


「ヤバ美味し」


「御舌に合ったのならよかったです」


「美味しい御飯を作れる女子はポイント高いよ」


「明日はあたしが作ります」


 と、ホムラが挙手した。


「ん? ああ、いいけど」


「そのー。それで……」


 ホムラが言いにくそうに俺に聞く。


「アクヤ様は……今夜は誰を可愛がってくれるんですか?」


 あー。そうだな。性奴隷だもんな。


「じゃあ今夜はホムラで」


「わ……わかりました」


 覚悟完了の顔でホムラが言った。無論俺の意図をはき違えているのだろうが、ソレをここで言うつもりもないし。


「じゃあ部屋でシャワー浴びて、パジャマ着てから集合な」


「アクヤ様の……お風呂をご一緒しなくていいんですか?」


「そういうのは……ちょっと」


 恥ずかしいというかなんというか。当たり前だが、カホルにしろコヲリにしろホムラにしろ俺が好きにしていいんだから遠慮は無用なのだろうが、中々そうとも言い辛く。


「~♪ ~♪」


 で、コヲリが風呂掃除をしてくれて、その風呂に一人で入って、俺は寝室のベッドでドキドキしていた。


「し、失礼します……」


 網膜認証の部屋のロック。俺の部屋にはカホルとコヲリとホムラはセキュリティ面を気にせず入ることができる。既に三人の網膜は登録されている。逆に俺もカホルとコヲリとホムラの部屋に無断で入ることができるのだが、それはそれとして。


「今日のお相手を務めさせていただきます。二條ホムラです」


 俺の指定通りパジャマを着て。風呂上がりの艶めかしい色気ムンムンで、ホムラが土下座する。これから起こることを勘違いしているのだろう。是正しないこっちにも問題はあるけども。


「じゃあ、そのままベッドに寝て」


「脱がなくて……いいのですか?」


「もち」


「あの……その前に……アクヤ様にご申告しなければならないことがありまして」


「ん?」


「あたしの胸……偽乳なんです」


「知ってる」


「知って……らっしゃったのですか?」


「コヲリと見分けがつかないようにするために、パッドで胸の大きさを誤魔化していたんでしょ?」


 俺はメタ的に水色の髪がコヲリ、赤色がホムラだと知っているが。


「その……Aカップでして」


「おっぱいの大きさでは差別しないから大丈夫だよ」


「でも挟めませんよ?」


「いいからいいから。おいで」


 俺はポンポンと自分の座っているベッドを叩く。


「失礼します」


 そのベッドにおずおずと座って。それから寝転がって。俺も同様に寝転がる。


「アクヤ……様……」


 そうして二人。一つのベッドに横になって。


「じゃあ寝よっか」


「ふえ?」


 何を言われているのかわからなかったのか。


「その……しないのですか?」


「セクロス?」


「あの……はい」


「しません。一緒に寝るだけでいいから。どうせ眠いし……ぅくぅぅ」


 そうして俺は寝落ちした。






****






【二條ホムラ視点】


 あたしの名前は二條ホムラ。昨日から九王アクヤ様の性奴隷になった身だ。九王グループの御曹司で。親の借金のカタに売られて人権をアクヤ様に握られていた。いつでも抱かれて肉便器として扱われることを覚悟していたんだけど……。


「すー……すー……」


 そのアクヤ様はあたしが隣で寝転がっているというのに何もせずに寝始めた。さすがにこれは予想外。そりゃあたしはAカップだし、女性の魅力はないけど。それでも手も出されずに熟睡ってどういうこと? こっちの覚悟を返してほしい。


 ていうかよく見たらイケメンだよね。アクヤ様。こういう出会い方じゃなければ惚れていたかもしれない。そこそこの成績の私立アルケイデス学園で、あたしと同じ成績最低クラスの六組に所属しており、スポーツは出来るけど勉強はからっきしという。でも。


「凄い筋肉」


 暗い部屋の中。あたしの覚悟も知らずに寝こけているアクヤ様の腹筋を撫でてみる。バッキバキに割れていた。腕の筋肉も凄くて。この腕で無理矢理手籠めにされたらあたしでは抵抗できないだろう。そこまで含めてあたしを抱いてくれていいのに。アクヤ様は素知らぬ顔で普通に寝ている。


「アクヤ様?」


 実は起きているのか聞いてみる? けれど答えは返ってこなかった。どうしよう。そういうことをするつもりだったあたしはちょっとだけ興奮している。


「アクヤ様……」


 その寝姿を抱きしめる。肉の感触でわかる。アクヤ様は筋肉が凄い。男らしい身体をしていらっしゃる。もしかしてあっちの方も凄かったり? あたしはアクヤ様の性奴隷だから何されてもいいんだけど。アクヤ様色に染められることを覚悟くらいはしているのだ。その……今ならキスしてもバレないかな? アクヤ様寝てるし……。


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