第14話:え、それって俺に聞くこと?
「あの……アクヤ様」
俺がウマウマと飯を食っているとカホルからお願いがあった。今日のご飯はタケノコご飯。それからサラダと鶏肉とお吸い物。これで美味しくないわけがない。
で、お願いって?
「そのー、アルシに関わることなんですけど……」
聞くにアルシは今学校生活が壊滅的らしく。その向上にむけて一度実家に帰りたい、と申し出てきた。見ればコヲリとホムラも似たような顔をしている。そんなに申し訳ないことか? これ。
「アクヤ様以外の男を気にする無礼は重々承知しておりますが」
「……アルシくんについても座視は出来ず」
「なわけでお願いできませんか? アクヤ様……」
「構わんぞ?」
そもそも人公アルシはこの世界の主人公。ヒロインにとっては夜空に輝く一番星。カホルやコヲリやホムラが人公アルシのことを想うのはもうしょうがないというか。今はまだ三人は俺の性奴隷だが、その内、人公が三人の心を奪っていくのだろう。
「ありがとうございます。アクヤ様の御恩情に感謝しますわ」
「大げさだ」
それよりタケノコご飯は美味いな。そうしてカチャカチャと皿を鳴らしながら飯を食って、皿洗いは三人に任せて。俺は風呂に入ることにした。
「いい湯だな~」
そうして風呂に入っていると、
「失礼します」
「あー、どうも」
水着姿のカホルが現れた。俺の風呂に割り込んでくるときは水着着用と厳命していたので、彼女は水着を着ている。とはいえそのHカップの爆乳までは隠せていないのだが。
「アクヤ様。お体を」
「入浴する前に洗ったから大丈夫」
「そ、そうですか。では私も……」
そう言ってはらりと水着を脱ぐ。ツーピースの水着だったので胸と股間を隠しているだけだ。俺は目を逸らした。さすがに女の子の全裸なんて童貞の目には毒すぎる。
「アクヤ様……わたしの裸はお嫌いですか?」
「嫌い……じゃないけどさ」
「目をお逸らしになっているようですが」
「ちょっと見るのもなって」
「もう。この身体はあまねくアクヤ様がご所有されるものなのですから、いくらでも見て構いませんよ?」
「あー。そんな気分になったらね」
もはや俺のアソコはギンギンだ。さすが竿役だけあって、そのサイズは規格外。九王アクヤってナニまでデカい。いや童貞には使う機会ないだろうけど。
「アクヤ様のって……大きいですよね?」
「やっぱ引く?」
「男らしくて素敵だと思います」
「気持ち悪くない?」
「アクヤ様に限ってそれは無いかと」
そっかー。気持ち悪くないのかー。でも女子の裸見てギンギンとかセクハラでは?
「その……しますか?」
「……遠慮しておきます」
マジでやってしまったら最後まで行きかねない。俺に出来ることは滾る性欲を明鏡止水の心で鎮めること。されどこの股間は烈火のごとく。
「苦しそうです。アクヤ様……」
「まぁ別に死ぬわけじゃないし。カホルも俺が初めてとか嫌だろ?」
人公アルシもいるわけだし。
「いえ。アクヤ様の慰み者になれれば光栄です」
まぁ性奴隷の立場としてはそういう他ないよな。
「なのにアルシくんのことを気にかけてすみません……」
「飯の時も言ったけど、気にしなくていいよ。幼馴染は心配だろうしね」
「一度日曜日に顔を出す予定です。コヲリとホムラとも、それで一致しました」
「気を付けてね」
「あ、はい。大丈夫だとは思いますが……アクヤ様は日曜日は何をされる予定ですか?」
「マキノとデートとか、かな?」
「マキノもアクヤ様の性奴隷ですものね」
「ちがうよ。もっとビジネスライクな関係」
「けれどアクヤ様が脱げと仰れば都内の駅でも服を脱ぐ気概……ですよね?」
そうして髪と身体を洗って、また水着を着て、こっちの浴槽に入浴してくる。ドピンクの髪に大きすぎる爆乳。なのに腰はくびれていてお尻は大きいという。どれだけ男を喜ばせる機能を過積載しているつもりなのか。俺の股間もビンビンだ。
「ところで人公のことはどう思っているの?」
俺が聞いてみる。
「手のかかる弟みたいなものですよ。昔からあまり器用ではなかったので、私とコヲリとホムラは手を焼いていました」
「へー」
まぁラブハートのゲームでも「突出したものが無い平凡なボク」とか言っていたしな。でもそんな人公だから、カホルたちも惚れるんじゃないかな。こんな俺とは違って。
「人公が気になりますか?」
「ならないと言えばウソになるけど」
カホルたちヒロインの御相手役だ。ここはゲームの世界だとしても呼吸も食事もしているので、つまりほぼ現実と大差ない。そういう意味ではゲームに準拠した何かの世界なのだろうとも。人間原理かインテリジェントデザインかはわからないけどね。
「大丈夫です。私たちはアクヤ様の性奴隷ですから」
「それはそれでちょっと心配」
「なんでですか?」
「いや。好きな人と結ばれるのが女子の幸せかなって」
「それは…………そうですね」
「実際人公のことはどう思ってんのよ?」
デバガメだと思いつつ聞いてみる。
「アレは単なる幼馴染です」
照れているのだろうか。それとも本音? でも最終的にヒロインは人公とくっつくので、そのためには俺が寝取るわけにはいかないのだが。
「その。一度出しませんか?」
「何を?」
「ナニを」
「何故?」
「あまりに苦しそうなので、提案させていただきました。もちろん出すためのお手伝いをさせていただきます。口がいいですか? それとも胸? もちろん股でもありですが」
「間に合ってますんで大丈夫だ」
全然間に合っていないんだが、ソレをここで言ってもしょうがないというかなんというか。あとでトイレで発散しますよ。
「日曜日は御奉仕できないことを謝罪させてください」
「だからそれはもーええて」
「処罰は幾らでも受ける所存にございます」
「じゃあ帰ったら美味しい御飯を作ってくれ」
「はい。奮励努力させてもらいます」
「人公が気になるのもしょうがないしね」
「まったく……せっかくご主人様に寵愛を受けるチャンスを」
寵愛て……。そりゃ親の経済事情の関係上、俺に抱かれて淫乱肉奴隷にならないとマズいってのはわかるけど。だからって俺がそう簡単に女を抱くと思うなよ。でもなぁ。九王アクヤになってみてわかったけど、コイツの性欲の強さは異常だ。マジで竿役。南無。




