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ガリ勉の俺がエロゲーの竿役に転生したが童貞すぎてラブコメは無理  作者: 揚羽常時


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第10話:お金欲しさに


「へー。近所住まいで。そこから……」


 で、小比類巻マキノさんはクレープをパクつきながら俺たちの素性を知ろうとする。


「あ、じゃあ、この関係を学校に知られたくなかったら言うことを聞けって脅しは通じる?」


「通じないではないが。要求する重量にも比例するな」


「私は別にいいんだけど」


「……私もです」


「あたしも別に。バラされてもなー」


「むう。打っても響かないなぁ」


 残念だったな。


「ちなみにだけどー。生臭い話していい?」


「俺は構わんぞ」


「アクヤくん。こんなのに構わなくても……」


 カホルの意見も御尤もだが、コイツも一応ラブハートのヒロインなので、俺とも関係してくるんだよな。


「お財布に幾らくらい入ってる?」


「五万円」


「おおう。思ったより持ち歩いてる」


「あくまで電子決済ができないことを想定してな」


「じゃあさぁ」


 クレープを食べながらちょっと前屈みになって、おっぱいを強調しながら小比類巻さんが言う。たしかゲームのデータではカホルと同じHカップ。つまり爆乳の類。


「三万円であーしを買わない?」


「買うって」


「あーしの身体、好きにしていいから。一夜で三万円。払える?」


「構いはせんが」


「「「アクヤ様!」」」


 抗議の声を上げるかしまし娘。まぁ気持ちはわかる。性奴隷であるかしまし娘もまだ頂いていないのだ。ここで転校生に童貞を買われるのも、それはそれで、みたいな?


「ちなみに好きなプレイってある?」


「サンバの衣装でリンボーダンス」


「…………」


「ジョークです」


 思ったより女子が引くのって心に来るな。


「っていうか、その様子だと三人ともアクヤくんの女なんだよね?」


「そうですとも」


「……もちろん」


「だぞー」


「カホルはあーしと同じくらいおっぱいあるね」


「これも全部アクヤくんのために、です」


「愛されてるねー」


 はっはっは。胃が痛い。


「じゃあ5Pしようよ。あーしも混ぜて? それで一夜三万円。もちろん責任は取らなくていいから」


「ほい」


 俺は財布を取り出して、三万円小比類巻さんに渡す。


「前払い?」


「それを受け取ると、俺の命令には絶対服従だぞ。いいのか?」


「うん。いいよ? 何でも言って?」


「じゃあ今日はJKビジネスをしないこと。それだけ」


「パパとあれやこれやをするなってこと?」


「そ」


「今日だけ? 一ヶ月とか一年じゃなくて?」


「明日以降は好きにしてくれ。ただ俺と関わってから、そういうパパ活されると困るから、給料を払って自重を促している」


「抱かなくていいの? 三万円も貰えば本番有りだよ?」


「興味ない」


「ねえ。カホル。コヲリ。ホムラ。アクヤくんってマジでこれ言ってる?」


「ええ」


「……まぁ」


「だね」


「ちょ。ええ? そんなことで三万円渡せるの?」


「俺の家金持ちだから」


「そなの?」


 どうせここで九王グループがどうのこうの言っても、経済も知らないような小比類巻さんに分かるはずもないだろうけど。


「じゃあさ。じゃあさ」


 キラキラした目で小比類巻さんが俺に言う。まるでエビで釣り竿垂らしていたら鯛が釣れたような。


「あーしもアクヤくんの女にして?」


「お前も?」


「そ。何でもするからさ。マジでどんなプレイでもオッケー! だからお金頂戴?」


 なるほど。ラブハートでの九王アクヤと小比類巻マキノの関係はこうやって始まるのか。


「女になるのは……いいけど……いいのか? どう思う?」


「私はアクヤ様のご意向には逆らいませんよ」


「……できれば私たちを愛してくださると嬉しいのですけど」


「あたしも異論はないけど……抱いてくれるともっと嬉しい」


「さっきからチョコチョコ『アクヤ様』って呼んでるけど。そっちが素?」


「ええ。アクヤ様は私たちのご主人様ですから」


「……人権を全て捧げた御仁です」


「だからアクヤ様の命令には絶対逆らえないの」


「アクヤくーん? それはどうなの?」


「しょうがないだろ。俺が意図したことじゃねえ」


「本当にお金持ちなんだ。こんな美少女三人を買い占めるなんて」


「まぁお前がバイト感覚で俺とセフレになるのは止めないが。安全マージンを考えるともっとほかに選択肢ないか?」


「あー、ダメダメ。色々やったけど長続きしないの。新聞配達は一週間。コンビニのレジ打ちは一ヶ月。ファミレスの接客も一ヶ月で終了。どうにもいわゆる社会に貢献できない人間っぽくてさ」


「だから身体を売るしかないと?」


「ま、アクヤくんイケメンだし。抱かれる相手としては申し分ないよね」


 まぁ九王アクヤがイケメンなのは否定できんのだが。俺もこの顔に産まれていればなー。


 クレープを食べながら、小比類巻さんは言う。


「だからあーしのことはアクセサリーとでも思ってさ。携帯して他の男に優越感を持ってくれると嬉しいかな」


「お前も俺を金づるとして見るのに?」


「お金に困っているのは事実だよ?」


 だからって……なぁ。


「ほら六組に転校してきたことからも分かるように勉強も壊滅的でさ。運動もこの爆乳が邪魔するし。本当に何もできることないの。さすがに高校生で風俗とかキャバ嬢は無理だし。あ、でもキャバ嬢になったらエロ親父の愛人になれるかも?」


「お前の御先が真っ暗なのはわかった」


「だからさぁ。助けると思ってお金出してくれない? 代わりにいっぱいご奉仕するから」


「わーったよ。じゃあ今日からよろしくな」


「じゃあ金銭契約しよ? さすがに毎夜三万円出せなんて言わないからさ」


「じゃあ週三万。月十二万。身体を差し出すだけの簡単なお仕事だ」


「じゅ……マジ?」


「言っとくが、こっちの三人は更に金出してるからな?」


 カホルの親会社には数千万出資しているし、二條姉妹の親も数千万の借金を保有している。月十二万円くらいはむしろ安すぎて欠伸が出る。


「大丈夫なの? ソレ?」


 大丈夫じゃないから性奴隷とかやってるんだと思うぞ。


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― 新着の感想 ―
あ~~。 何というか。 普通に仕事を出来ない人間っていますね。 仕事を覚えられないというか。 自分もですが。
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