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奴隷の倉庫

「もちろん、ちゃんと確認してありますよ。まさか僕を疑うんですか? 心外だな。ちゃんと仕事をしている人に向かって、信用をおけないような発言をするっていうのはよくないと思うんですよね。それにいつも言ってますけど、そこで鳥の羽むしるのやめて下さいっていつも言ってますよね。そっちの方が僕は問題だと思うんですよね」


「めんどくさ。まぁ私には関係ないから別にいいけど。それよりあなた、リディアっていう自称大賢者ドモルテの弟子って人知ってる?」


 男がまくしたてるように言ったことで、めんどくさくなったようだ。

 確かに、こんなのに付き合っていたくはない。


 それにしても……こいつまさかリディアの関係者か。

 確か、ドモルテが自分の研究と同じ魔法が使われていると言っていた。

 ドモルテが死んでから数百年はたっているはずだから、その間にリディアが弟子をとっていてもなんら不思議はない。

 だが、ここで俺が言ってもいいことはなさそうだ。


「大賢者ドモルテの弟子? あんた大丈夫か? 大賢者なんておとぎ話を信じているのはいいとしても、その弟子を名乗る奴とか詐欺かペテンしかないだろ。そんな奴と友達になんてなれるわけがないだろ」


 俺はしらをきりとおすことにした。


「知らないか。リディアって名前は?」

「うーん。飲み屋でリ何とかって子はいたが……その子がそんな名前だったかは覚えてないな。あとは、そうだな。俺の飲み仲間にはいなさそうだ。なんだ、その女の香水の匂いでもついていたのか?」


「いや、知らないならいいわ。あんたから知り合いと戦ったような魔力の残りを感じたから。どこにいるのか知っていたら聞こうかと思っただけよ」


「探し人なのか?」

「いや、違うわよ。あいつの元で勉強していた時があったんだけど、研究盗んで飛び出してきたから追手かと思ったのよ。でも、あなたは違うわね。あんな女の下につくようなタイプじゃないし。かといってあれと戦って勝てそうって感じでもないからね」


 ドモルテを裏切ったリディアは、自分自身も弟子から裏切られていたらしい。

 どんな因果か。


「そうか。役に立てなさそうで悪かったな」

「いいのよ。それじゃあごゆっくり」


 女は魔物を持ったまま奥の部屋へと消えていった。

「はぁお客さんやるね。あの女意外と手強いのにあっさり引いてくれるなんて」

「いや、あんたのおかげだよ。助かった。あっ! それより、どんな珍しい商品があるのか見せてくれよ」


「いいよ。こっちへ来な」

 先ほど女が入って行った場所とは違う部屋に案内される。

 そこは倉庫のように日が差し込まない部屋で中には大小様々な檻があり、珍しい魔物たちが沢山いる。


 なかには普段この辺りでは見かけることのない亜人なども混ざっていた。


「すごいな。これほどまでもとは思っていなかったよ」

「だろ。うちの主人は海を渡り歩いて奴隷を売り買いしているから、珍しい魔物が多いんだよ。お客さんお眼が高いから、最近入った特別な魔物を見せてやるよ」


 あまりこの店に人がくることは少ないのか、男は聞いてもいないことをどんどん話てくる。


「主人が今度奴隷のオークションにだす奴隷なんだけど、これを見ろ! すごく驚くぞ」

 男が布の被った檻の前までやってくると、その布をはぎとった。


 そこには他の人魚よりも一回り小柄な人魚の姿があった。

「これは……人魚か?」

「あぁそうだ。ここの海の奥に住んでいるんだが、今回うちのご主人があるつてで捕まえてきたんだ。今回の奴隷オークションの目玉商品にするんだってよ」


「これはいくらくらいするんだ?」

「なんだ欲しくなったのか? そうだな。今回の奴隷市には商会のダメ息子のグリズが来るって話だからな。300万は準備しておくべきじゃないか?」


「はぁ? そんなにか? だって人魚はその辺りでとれるんだろ?」

「いや、人魚は戦闘種族だから普段は捕まえるのが難しいんだよ。まぁここだけの話、こいつの他にもまだまだ捕まえてはいるから、徐々に値段は下がっていくけどな。買うなら今回よりも3回目目以降がいいぞ。ガクッと値段が下がるだろうからな」


 どうやら、最初に人魚を1匹売りだして希少性を煽って高く売りつけるつもりらしい。

 そのおかげで他の人魚たちがまとまって置いてあったおかげで助けることはできたが。


「どうにかして安く買う方法はないのか?」

「ないな。グリズは狙いをつけたものには、基本的にいくらでも金をだす。非常に負けず嫌いな性格だからな。あいつは買うのが好きなだけなんだよ。どうせこの人魚も飽きてすぐに殺されちゃうけどな。あいつの性格最悪だから。まぁうちとしてはいいお客さんだけど」


 財宝を売って資金にすればなんとかなるかと思ったが、単純にそういうわけにはいかないようだ。


「俺も奴隷市に参加したいんだけど、場所と時間と必要な物を教えてもらってもいいか?」

「あぁいいぞ。場所はここの裏手に大きな白い建物がある。そこが会場だ。時間は明後日の18時から。必要なものは……」


 男がまた親指と人差し指をあわせる。

 またか。まぁこればかりは仕方がない。

 俺は財布から金を取り出し握らせる。


「俺の紹介ってことにしてやるから、聞かれたら、ドブの紹介って言えばいい。そうすれば中にいれてもらえるからな。ただ、一つだけ気を付けろ。わかっていると思うが非合法な物もあるからな。もし、何かを買ったら背中には気をつけることだ。あんたお人よしだから忠告しておくが、ヤバイ奴らも出入りしているからな」


 男が顔を近づけて小声で話しかけてきたが、身体以上に異様に口の匂いがやばかった。

 何を食べたらこんな臭いになるのか。


「わっわかった。助かるよ」

「いいってことよ。どれ、他にも変わったのがいるから見せてやるからな」


 そう言って他の変わった魔物たちをしばらく見させられた。

 さて、思った以上に時間がないが、どうするか考えないといけない。

 金以外にも準備できるものは準備をしておこう。

メイ「ロック遅いね」

ラッキー「待ってる間も遊びのうちだぞ。次は何をする?」

メイ「じゃあこれとってきな」

メイが近くにあった小枝を投げる。

ラッキー「キャウゥン」

メイ(ラッキー意外とチョロリンだな)


応援ありがとうございます。

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ラッキー「どこの本屋にも置いてあってよかったな」 ロック「ラッキー実はそれは……」 ラッキー「うっ売れ残りってことなのか?」 ロック「今は自粛中だ! きっとコロナが終われば……いやネットで今すぐ注文しよう!」 ご自宅での暇つぶしにぜひネット通販などからお買い求め頂ければと思います。 このままだと……ラッキーの肉球によってはじける可能性が。  テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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